「どうしてこうなった!」
「これ作ったやつ誰だよ!?」
「開発者出てこい!」
変態機とは、およそ常識的ではない機械(特に航空機)である。
本項では基本的に航空機における変態機を扱うものとする。
概要
形態や目的などが一般的な常識からかけ離れた機体。
X-29のようにカッコイイものからスーパーグッピーのように不細工・キモイものまで様々である。
或いは異様なSTOL能力を持っている、すさまじい運動性能を持っているなど「性能の面で変態な飛行機」のことを指す場合もある。
「英国面」及び「珍兵器」の記事を見ればわかると思うが、イギリス・ドイツ・アメリカの3国が変態機を多数輩出している。
変態機の例
発想がぶっ飛んでいるもの
- エジソンのヘリコプター(下記フェアリーロートダインやトリープフリューゲルと同様、チップジェット式のローターで浮上するヘリの模型。なお、動力源はジェットエンジンではなく火薬ロケット。自爆して終了)
- キ109(四式重爆撃機「飛龍」をベースに高射砲を元にした75mm砲を取り付けた。ちなみにB-29迎撃用)
- コンベア CV880・990(旅客機ながら速度重視で設計される。CV880はJ79ターボジェットエンジンからアフターバーナーを外したエンジンを装備・CV990はエリアルールを考慮し機体断面積を調整するための「スピードカプセル」という構造物を主翼に取り付けている)
- コンベア NB-36(下記B-36に来たる原子力飛行機時代に備え原子炉を試験的に積んだ機体。米国飛行機業界の暴れん坊、コンベアなら仕方がない)
- ゼンガー(ドイツで計画されたいわば『大陸間弾道爆撃機』)
- デ・ハビランド モスキート(木製の爆撃機/双発戦闘機。木製ながら高性能、しかもレーダーに映らない元祖ステルス機)
- ハインケル レルヒェ(環状翼を持つテイルシッター式VTOL戦闘機。プロペラ機なのに超過禁止速度は超音速に達する)
- パラジェット スカイカー(飛行機ではなくスカイカー(空飛ぶ車)だが、車にモーターパラグライダーを付けて飛ばすというあまりに紳士的な発想のスカイカー。なお、エンジンはヤマハ製)
- フェアリー ロートダイン(チップジェット式ローターで浮上する旅客用ヘリコプター)
- フォッケウルフ トリープフリューゲル(チップジェット式ローターを持つテイルシッター形VTOL戦闘機)
- ブローム・ウント・フォス Bv40(ゲテモノ機体大好きブローム・ウント・フォス謹製の迎撃用戦闘グライダー)
- メッサーシュミット Me163(ロケット推進式戦闘機)
見た目が特徴的なもの
- 3Vボマー(英国の戦後の3バカジェット爆撃機3機種、ビッカース ヴァリアント・アブロ バルカン・ハンドレページ ヴィクター。誰だ3ヴァカボマーとか言ったやつ)
- AL-1(ミサイル迎撃用に開発されたレーザー砲搭載のジャンボジェット。主に機首部分の外見)
- BAe 146/アブロ RJ(短距離用ジェット旅客機。小型機ながら4発エンジン)
- BAe ニムロッド(デ・ハビランド コメットをベースとした対潜哨戒機)
- BAC ライトニング(英国最後の国産超音速戦闘機。通称『子持ちししゃも』)
- ヴォート XF5U フライングパンケーキ(愛称の通り円盤型の試作戦闘機。要するに『最終鬼畜全部主翼』)
- エアロスペース スーパーグッピー(C-97を改造した輸送機。人呼んで『世界一不細工な飛行機』)
- エジレイ オプティカ(ヘリの代用品として開発された超個性的デザインの軽飛行機)
- カプロニ Ca.60(三葉主翼×3の驚愕の9枚翼飛行艇)
- カプロニ Ca.309 スティパ(空飛ぶダクテッドファン。『スティパ』の名は設計者である「ルイージ・スティパ」から採られている。ちなみにカプロニが生み出したイタリア初のジェット機『カプロニ N.1 カンピーニ』のテストパイロットを務めたのは「マリオ・デ・ベルナルディ」という人物である。だからどうしたという話だが )
- グラマン X-29(某漫画の影響で日本ではやたらと知名度の高い超カッコイイ前進翼試作機)
- ショート スペリン(ジェット爆撃機。両翼にエンジン縦置き2発のエンジンポッドを装備する。一方で設計は超保守的)
- ハインケル He111Z(Me321牽引用にHe111を横に2機連結した機体。連合軍兵士を『妖怪双子飛行機だ!』と戦慄させたとか)
- ビーチクラフト 2000 スターシップ(カナード翼・推進式ターボプロップの超カッコイイビジネス機)
- ビッカース・アームストロング タイプ559(対超音速爆撃機用の迎撃機プラン募集『運用要求 F.155』に対するビッカース・アームストロングの回答。エンジンはライトニング同様縦置き2発でダメ押しでロケットブースターも追加、カナード付きデルタ翼。で、ミサイルは何を考えたのか胴体上部に積むというライトニングも裸足で逃げ出すデザイン)
- フェアリー ガネット(イギリス版ブローム・ウント・フォスフェアリーアビエーションが放った艦上対潜哨戒機。誰が呼んだか「世界一醜い軍用機」。Z型に折りたためる主翼・センサー類・二重反転プロペラ…と言えば大体想像できるだろう)
- フォッケウルフ Fw189(下記Bv141の競合製品。双胴機の中央に全面ガラス張りキャビン。さらには一応ながら攻撃機にも使える)
- ブリテン・ノーマン トライランダー(アイランダーの派生機。プロペラ機ながら尾翼に第三エンジン)
- ブローム・ウント・フォス Bv141(驚愕の左右非対称偵察機。しかも見た目とは裏腹によく飛ぶ。試験飛行に立ち会ったドイツ航空省の役人を『と、飛びやがったぁ!?』と驚愕させたらしい)
- ボーイング X-32(試作戦闘機。設計した奴はイギリス人か?)
- マクドネル XF-85 ゴブリン(リアルたまごひこーきパラサイトファイター。爆撃機(B-36)に格納される。こいつを考えたのもイギリス人か?)
- ルータン ブーメラン(Bv141同様左右非対称のビジネス機。三菱重工業のWebサイト曰く『乗り心地はいい』らしい)
存在自体が規格外なもの
- アントノフ An-225(世界最大の輸送機。現在一機しかないが、日本では某ゲームの影響で割りと知名度が高い。ちなみにパイロット曰く『戦闘機並みの運動性』との評、つまり動けるデブ)
- エアバス A380(説明不要の全二階建て旅客機)
- カリーニン K-7(ロシア製の謎の大型機。リアルバカガラスで大体説明可能)
- コンコルド/Tu-144(超音速旅客機)
- コンベア B-36(B-29をも超える超大型爆撃機。エンジンはレシプロ6発+ターボジェット4発)
- ドルニエ DoX(某アニメ監督が涙を流して喜びそうな超巨大飛行艇)
- 中島飛行機 富獄(架空戦記でお馴染みの日本製超重爆撃機。計画だけで終わった…と思ったら成田空港の拡張時にエンジンが地中から発掘された)
- ヒューズ H-4 ハーキュリーズ(翼端長だけなら未だに世界最大の飛行機。ハワード・ヒューズの趣味で一機試作)
- メッサーシュミット Me323 ギガント(Me321を動力化した機体。独特の外見で宮﨑駿をヘブン状態にさせ、同氏の作品に登場する大型機のモデルとなったことが何回かある)
色々と問題を抱えているもの
- ドルニエ Do31(VTOL輸送機。搭載量が3.5tしかない上に燃費は極悪と突っ込みどころ満載。見た目もちょっと色々とあれ。これ考えたのはイングランド系だろwww)
- ノースアメリカン XB-70 バルキリー(モスクワ核攻撃用に開発された超カッコイイ爆撃機。…見た目だけは超カッコイイけど速度最優先の結果機体強度に問題があって曲がれない)
- フェアリー バラクーダ(初期型は操縦系からのガス漏れでパイロットを気絶させるというとんでもない欠陥を抱えていた)
- フォッケウルフ Fw189攻撃機バージョン(先述のFw189を装甲化&重武装化して攻撃機に仕立てあげた。突っ込みどころだらけの下記Hs129より低性能)
- ヘンシェル Hs129(ドイツ製の攻撃機。装甲が分厚すぎてコクピットが割りを食って死ぬほど狭い、操縦桿は目一杯動かせない、エンジン関係のメーターはコクピットが狭すぎて収まらないからエンジンナセルに直付、そしてエンジンは非力と『空飛ぶ突っ込みどころ満載』)
- ボールトンポール ディファイアント/ブラックバーン ロック(紳士の乗り物・旋回機銃戦闘機。機銃が重くて運動性能は終わってる)
- メッサーシュミット Me321(輸送用グライダー。輸送力こそ(当時としては)キチガイじみていたが、デカくて重くて飛ばすのに苦労した)
明らかにヤバイスペックを持っているもの
- 川崎 C-1(輸送力こそイマイチだが戦闘機並みの機動性を有する。その機動性に米海兵隊がほしがったとかなんとか)
- 川崎 C-2(C-1の完全上位互換。戦闘機並みの機動性やSTOL性能をそのままに積載量UP!。更にはお上(防衛省)が旅客用航路を使いたいとゴネた所、12,000mの高さをマッハ0.82でかっ飛ばすコトに… そこまでヤレとは誰も言ってないぞ)(ちなみに2022年現在、世界最速の軍用輸送機である)
- 川崎 OH-1(観測ヘリコプター。ヘリながら宙返り・バレルロール・90度近い角度での上昇となんでもござれ。ケツイの世界に帰れ)
- スホーイ製戦闘機(ロシア機=変な動きをするのイメージの主犯格)
- フィゼラー Fi156(私には滑走路など50mもあれば十分だ…)
- 三菱 F-2(原型機F-16とは似て非なるもの。ミサイルの中でも最もデカくて重い対艦ミサイルを4発積める(ふつーの戦闘機や攻撃機なら2発が限度)、その状態で9G旋回や変な飛び方をする)
- ロッキード SR-71(世界最速の偵察機。速すぎて大気の圧縮熱で機体が数cm伸びる、その伸びを考慮しての設計のお陰で地上では隙間だらけで燃料ダダ漏れ)
「ありえん」をやっちゃったもの
- ダグラス A-1 スカイレイダー(便器やバスタブまで搭載して敵地に投下したり、ジェット戦闘機のMiG相手に1本取ったりとベトナムでやりたい放題)
- ツポレフ Tu-95(プロペラで900km/h超えを達成した。未だにこれより高速のプロペラ機は実用化されていないという)
- 三菱 零式水上観測機(単葉機のF4Fをも撃退したという記録がある最強の複葉機)
変態とは言いがたいが誕生に個性的な逸話があるもの
- 川崎 P-1(これ自体は普通の哨戒機だが計画段階で各社から提出されたのが『可変翼にする』(K重工)とか『不審船対策で20mmバルカン付ける』(M重工)とか『GPS使ってピンポイントでソノブイを"精密爆撃"する』(F重工)とか、「お前らそれ哨戒機ちゃう攻撃機とか爆撃機やろ」と突っ込まれそうなものばかりだった)
- ダグラス A-1 スカイレイダー(基礎設計はたった1日でなされ、試作機は9ヶ月で突貫工事)
- フェアチャイルド A-10(ハンス・ウルリッヒ・ルーデルの助言で設計され、設計チームの必読書はルーデル著『急降下爆撃』)
変態とは言いがたいが色々と武勇伝を残したもの
関連動画
関連項目
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