変身忍者嵐は、元血車党の忍者ハヤテだ。
血車党はハヤテの父が作った化身忍者を操り、日本征服を企む。
ハヤテは、父の過ちを償い、日本の平和のため、自ら変身忍者嵐となり、血車党と戦うのだ。
概要
時代劇の要素を取り入れた変身ヒーロー作品。1972年4月7日から1973年2月23日にかけて、全47話が放送された。『仮面ライダー』のヒットを受けて制作された作品であり、原作者、制作局、メインライター、監督、ナレーターも『仮面ライダー』と一緒。
当初はまさに「時代劇版仮面ライダー」といった話作りだったが、同日に放送開始した裏番組『ウルトラマンA』の影響で視聴率は苦戦。その後数々のテコ入れが加えられ、ストーリーも二転三転している。21話で敵怪人が化身忍者から西洋妖怪に変更され、第3クールでは忍者大秘巻の争奪戦、第4クールではハヤテの母捜しがメインに置かれた。 さらには話題作りとして高見山、ファイティング原田、沢村忠といった現代の有名人が本人役としてゲスト出演している。実現することはなかったが、仮面ライダーが登場する案も検討されていたらしい。
あらすじ
時は江戸時代。忍者集団"血車党"の首領・魔神斎は、谷の鬼十が編み出した「人間変身の法」で化身忍者を生み出し、日本征服を企んでいた。 それを知った鬼十の息子・ハヤテはその野望を止めるべく父に志願し、変身忍者「嵐」となった。
脱走の際にハヤテは父を亡くすが、同じく血車党に立ち向かうタツマキたち3人の伊賀忍者と出会い、血車党との戦いの旅に出ることになる。
主な登場人物
ハヤテとその仲間、関係者
- ハヤテ (演:南城竜也、声:市川治(39話~))
-
主人公。血車党の首領・魔神斎に仕える一族の生まれだが、魔神斎の野望を知って反旗を翻す。血車党壊滅を目的に日本全国を旅する。当初はタツマキ以外に自分の正体を隠していたが、18話においてやむを得ぬ状況下でツムジたちにも知られることになる。
- ハヤブサオー
- ハヤテの愛馬。普段は白馬だが、ハヤテの変身と共に仮面を付けた黒い忍馬に変身する。エンディングで毎回歌われているものの、20話で降板。
- タツマキ (演:牧冬吉)
- 伊賀忍者。江戸幕府の命を受けて血車党を調査していた際にハヤテと知り合い、彼の旅に同行するようになる。化身忍者や西洋妖怪には及ばないものの、数々の忍術を使いこなす。
ちなみに演じた牧氏は『仮面の忍者 赤影』で白影を演じている。 - ツムジ (演:松葉寛祐)
- タツマキの息子で、カスミの弟。やんちゃな性格で、それ故しばしば敵の罠にはまることも。ハヤテを慕っており、伊賀の里へ帰った後にハヤテを追って再び旅に出る。
- カスミ (演:林寛子)
- タツマキの娘で、ツムジの姉。忍術の他に医学を学んでいる。ハヤテから貰った横笛・涼風は吹くと特殊な音波が発生し、速風と共鳴してハヤテに危機を知らせる。役者のスケジュールの都合により、中盤で降板。
- 月ノ輪 (声:市川治)
- 西洋妖怪を追って来日した仮面の剣士。西洋妖怪に苦戦するハヤテたちの前に度々現れ助言や加勢をする。その正体はハヤテの双子の兄・フユテであり、正体を明かした直後、罠に落ちたハヤテを救うため彼と合体する。デザインモチーフはツキノワグマ。
- カゲリ (演:菊容子)
- 血車党随一と呼ばれていた鬼目の源十郎の娘。父親と共に抜け忍になったことで血車党に追われ、父を殺された一件からハヤテに協力するようになる。
- ツユハ (演:佐伯美奈子)
- カゲリの妹。姉と共にハヤテに協力する。
- イタチ小僧 (演:潮健児)
- 少し(?)間の抜けた泥棒。カゲリに惚れており、それ故にしばしばハヤテたちに協力する。
- 谷の鬼十 (演:高松英郎)
- ハヤテの父。変身忍者・化身忍者を作り出す"人間変身の法"を編み出したが、魔神斎たちの企みに反発し血車党を脱走。化身忍者に対抗するためにハヤテを変身忍者に改造するも、自らが生み出した化身忍者・毒うつぼに殺害されてしまう。
- シノブ (演:工藤房子)
- ハヤテの母。大魔王サタンの秘密をハヤテに伝えたことで呪いをかけられ、盲目になると同時にハヤテが変身する度に地獄の苦しみを味わうようになってしまう。
血車党
- 血車魔神斎 (声:納谷悟朗)
- 血車党の頭領で、化身忍者の力を使って日本制服を企む。
- 骸骨丸 (演:曽根晴美)
- 血車党の上忍。その名の通り頭蓋骨が露出したような顔をしている。
- 化身忍者
- 秘術「人間変身の法」により生み出される怪忍者。動物や昆虫の特性を活かした術を使う。
- 血車党下忍
- 血車党の下級忍者である、いわゆる戦闘員。中盤からは西洋妖怪の配下としても働く。
西洋妖怪軍団
- 悪魔道人 (演:沼田曜一)
- 西洋妖怪軍団の首領。日本の領土半分を条件に血車党の日本征服に協力する。
- 大魔王サタン (演:天本英世)
- 悪魔道人や魔神斎を影から操っていた全ての黒幕。世界中の名だたる妖怪を復活させ、日本制服を企む。
- 西洋妖怪
- ドラキュラやミイラ男といった西洋からやって来た妖怪たち。中には既存のイメージとは大きく異なるものもいる。
主題歌
オープニング「嵐よ叫べ」
作詞:石森章太郎 / 作曲・編曲:菊池俊輔 / 歌:水木一郎
エンディング「われらは忍者」
作詞:八手三郎、伊上勝 / 作曲・編曲:菊池俊輔 / 歌:水木一郎、コロムビアゆりかご会
漫画版
放送と同時期に「週刊少年マガジン」と「希望の友」で石森章太郎、「冒険王」で石川賢による漫画版が連載された。
単行本化の際、「希望の友」版は『新・変身忍者嵐』に、石川版は『変身忍者嵐外伝』にそれぞれ改題された。
関連動画
関連静画
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関連コミュニティ
関連項目
- 特撮作品一覧
- 忍者
- 仮面ライダー龍騎 - 13ライダーの1人・仮面ライダーオーディンに嵐の意匠が取り入れられている。
- 仮面ライダー響鬼 - 企画段階では嵐を参考にした作品であった。また、劇中に登場した「鬼の鎧」は嵐を参考にデザインされており、劇場版にも血車党に似た名前の「血狂魔党」が登場する。
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