大宇・ラセッティとは、大宇自動車(現:韓国GM)が2002年から2011年まで生産していた準中型車である。
概要
ヌビラIIの後継モデルとして2002年に初代を発売。
その後2008年にセダンをフルモデルチェンジ。
2011年3月には大宇自動車のブランド変更によって名前は消滅、現在ではシボレー・クルーズとして販売されている。
歴史
初代(2002年~2009年)
2002年にセダンの製造/販売を開始。
韓国国内で人気のある所謂「準中型セダン」クラスであり、ライバルは現代自動車のアバンテXD(日本名:エラントラ)、起亜自動車のスペクトラ/セラト、ルノー三星自動車のSM3であった。
このモデルはGMグループにおける世界戦略車として開発されたため、韓国国内だけでなく欧州、アジア、北南米でも販売された。詳しいことは下記を参照されたい。
ボディデザインはピニンファリーナによるもので、フロントグリルは当時の大宇車のシンボルマークでもあった三分割グリルであった。
エンジンは1500cc E-TEC IIのみの設定、トランスミッションは4速オートマチックと5速マニュアルが設定された。
グレードは高級モデルから順に「MAX」、「LUX」、「EX」の3種類。
2003年には5ドアハッチバックモデルの「ラセッティ5」を追加。
このモデルの外装デザインはジョルジェット・ジウジアーロによるもので、セダンとはまったく違うものとなっている。
エンジンはセダンと同じ1500ccのみ、トランスミッションのラインアップもセダンに準ずる。
同じころセダンに新グレードの「DIAMOND」が追加された。
ハッチバック登場と同時期に大宇自動車の車名が「GM大宇」に変更され、CIも変更となっている。
2004年10月には韓国国内の小型車基準が改定され、1600ccまでが小型車に認定されることになった。
この改定と同時期にフェイスリフトを実施、車名を「ニューラセッティ」に変更した。
エンジンは1600cc E-TEC IIを搭載、トランスミッションに変更は無し。
また、グレード名の後にラセッティと区別するためか排気量を意味する「16」が追加された。(例として、「DIAMOND」は「DIAMOND16」に変更となった。)
2005年には一部変更を実施。
セダン/5共に新グレードの「PLATINUM」が追加された。(これにより上級グレードの「MAX」が廃止されている。)
2006年にはステーションワゴンを追加。
エンジンは2000ccTCDi(ディーゼル)のみの設定、グレードは「EX」と「PLATINUM」の2種類。
このワゴンの追加と同時期にセダン/ハッチバックの双方にディーゼルエンジン搭載車が追加されている。
また、グレード名から排気量を示す「16」が取っ払われた。
2007年には一部改良を実施。
全グレードのホイールデザインが見直され、セダン/ハッチバックにエアロパーツのセットオプションである「エアロパック」が追加された。
2008年にはセダンが2代目の「ラセッティプレミア」にモデルチェンジ。
ハッチバックモデルは同年前半に一部改良を受け、新グレードの「SX」を追加、「PLATINUM」が廃止された。
2008年9月にはハッチバックのみ「ラセッティEX」に名称を変更し販売を継続、ステーションワゴンは一時販売を停止した。
2009年1月にはステーションワゴンの販売を再開したが、EX相当のモデルしか用意されず、同年にハッチバックともども生産終了となっている。
2代目(ラセッティプレミア、2008年~2011年)
2008年9月発売。
旧モデルとの差別化のため名称が「ラセッティプレミア」に変更された。
ボディタイプはセダンのみで、ハッチバック、ステーションワゴンは旧モデルが継続販売された。
エンジンは1600cc ECOTECの1種類のみ。
グレードは高級グレードから順に「CDX」、「SX」、「SE」の3種。
2009年10月には1800ccエンジン搭載の「ID」(アイデンティティ)シリーズを追加。
2011年3月にはGM大宇のブランド変更に伴い車名を「シボレー・クルーズ」に変更した。
海外での販売
日本
日本では初代が「シボレー・オプトラ」としてスズキのディーラー網で販売。
エンジンはホールデン製の2リッターのみ、トランスミッションも4速オートマチックのみ。
ボディタイプはセダンとステーションワゴンが用意されていたが、導入1年弱でセダンを廃止。
ごく短期間の販売であったため、街中で見かけることは稀である。
中国/台湾
欧州/南米/カナダなど
初代はシボレー・オプトラとして販売。
一部地域では大宇ブランドで販売されていたが、後にほぼすべての地域でシボレーブランドとなった。
2代目は発売当初からシボレー・クルーズの名称で販売されている。
インド
発売初期は欧州などと同じく「シボレー・オプトラ」として販売。
近年ではセダンがハッチバックのフロントフェイスに変更され、「オプトラマグナム」の名称で販売されている。(ちなみに、ピニンファリーナとジウジアーロデザインの融合であり、ある意味すごい組み合わせである)
米国
セダンはスズキ・フォレンツァとして販売。
ハッチバックは別モデルとしてスズキ・レノの名称で販売されていた。
関連動画
大宇・ラセッティに関するニコニコ動画の動画を紹介してください。
関連項目
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