大砲とは兵器の一種。火砲、或いは単に砲とも。巨人、大砲、卵焼きといわれるように、大砲が嫌いな男子は存在しない[1]。
慣用的に破壊力の大きいもののたとえに用いられる(ex.田代砲、韓銀砲、タートルズの主砲等)。
概要
頑丈な筒の中で火薬を燃焼させ、その燃焼ガスのエネルギーによって砲弾を飛翔させる兵器である。飛翔した砲弾は直撃した際の運動エネルギーによって、或いは内蔵した炸薬の爆発によって目標にダメージを与える(生物/化学砲弾や核砲弾なども存在する)。
火薬の燃焼によって弾体を加速するという構造は基本的に「銃」というものと共通だが、大砲とは通例より大型の複数人で(または動力によって)操作されるものを指す。どこからを砲と呼びどこまでを銃と呼ぶかは時代や国によって定義が異なることがある。
大砲を運用する兵科を「砲兵」と呼ぶが、現代の砲兵はおおむね榴弾砲による長距離射撃を主な任務にしている。大砲の弾道計算は地球の重力や自転、大気の状態など様々な要素が影響するため、伝統的に砲兵には数学的素養が必要とされた。
自衛隊には砲「兵」がいないので「特科」という普通じゃない人たちが大砲を運用している。
カノン砲、榴弾砲、臼砲[2]
カノン(cannon)砲は砲身長が口径の30倍以上で弾速が速いもの。水平に近い角度で発射する。榴弾砲(howitzer)は砲身長が口径の10倍以上~20倍未満。射程よりも大きい弾を飛ばすことを重視している。臼砲(mortar)は、砲身長は口径の10倍未満で文字通り臼のように太く短い砲身をもち、極端に上向きの角度で発射し、射程はかなり短くなる。
もっとも、この分類は数百年も前にできたものであり、現代には当てはまらなくなってきている。榴弾砲と呼ばれていても砲身長がカノン砲になっている例があり、また、榴弾砲やカノン砲でも砲身に大きな仰角をかけて臼砲のような弾道で射撃することがある。
様々な砲
- 機関砲
- 短時間に連続発射が可能な小口径砲。「機関銃」との区別は主に口径の大小でされるが、どこまでが銃でどこからが砲かは時代や国によってまちまちである。
- 迫撃砲
- 山なりの弾道を描く短射程の砲。小型軽量で歩兵が運搬可能なため、歩兵部隊に装備させて小規模だが迅速に展開可能な火力支援用火器として用いる。
- 無反動砲
- 発射ガスやカウンターマスを後方に逃がすことで発射の反動を相殺する砲。歩兵が運搬可能なサイズにして、HEAT弾を使った対戦車兵器として用いられることが多い。
- 戦車砲
- 戦車に搭載される砲。昔は歩兵支援のための短砲身・低初速な榴弾砲だったが、WW2以降は対戦車戦闘用の長砲身・高初速のカノン砲になった。現代のMBTでは対戦車戦闘を主目的とし、口径120mmまたは125mmのライフリングを持たない滑腔砲が主流である。
- 艦砲
- 艦艇に搭載される砲。かつての戦艦主砲は口径数十㎝に達するものがあったが、現代では砲口径が76~127mmで単砲身の速射砲が主流である。アメリカ海軍は将来的には艦砲にレールガンを使うつもりだとか。
- 対戦車砲
- 敵の戦車を撃破するための砲。多くが対戦車ミサイル、ロケット、無反動砲に取って代わられている。現在では対戦車戦闘に用いられる大砲は戦車砲くらいなものである。
- 対空砲(高射砲)
- 空中の目標を撃破するための砲。大型の対空砲は対空ミサイルに取って代わられたが、対空機関砲は現在でも広く運用されている。砲弾を高いところに打ち上げるという性質上、初速が高く、対戦車戦闘や地上掃射に転用されて恐ろしい威力を発揮した例が多々ある。
- ロケット砲
- 間接射撃を行うロケット兵器は砲兵が運用しているが、厳密に言えば発射機であって砲ではない。慣用的な呼び名。
- 列車砲
- デカい大砲は馬や車でも運ぶのは大変だから、列車に乗せて使おう!という話になって開発された大砲。デカい分、強くて高くて遠くまで飛んだけど、飛行機で爆弾運んだらええやんって話になって廃れた。漢の浪漫。
- 俺の股間の…
- 小口径で威力不足、早期発火、砲身強度の不足など技術的問題により実戦使用にはなお疑問を残す。
大砲ではなくデリンジャーやSwissminigun C1STではないかという声が多く挙がっている。
関連動画
関連項目
脚注
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