ゲーム『ポケットモンスター』シリーズにおける「天候」とは、ポケモンバトルに様々な影響を与える天気の状態である。
※この項目では「ひざしがつよい」や「ひざしがとてもつよい」状態のことを便宜的にそれぞれ「晴れ」や「猛暑」という言葉を使用して記述しています。
概要
天候の原型となるものは第二世代(ポケットモンスター 金・銀)の時点で既に存在したが、第三世代(ポケットモンスタールビー・サファイア)から天候が一つの独立したシステムとして確立された。
普通にストーリーを攻略するだけでは天候による影響・恩恵がわかりづらいが、現環境のポケモン対戦では天候を支配できる者が勝つと言われるほどに重要なシステムであると言える。
天候を変化させて活用することを前提に組まれたパーティのことを「天候パ(天候パーティ)」と呼ぶ。特定の天候下において強化される特性・技・タイプを持つポケモンを中心に組み天候状態を保つことでバトルを有利に進めやすくなる。逆に天候を上書きされるなどの対策を相手にとられると不利になってしまうことが多い。また、天候の恩恵を直接受けるポケモンばかりで固めるとポケモンのタイプや攻撃範囲が偏ってしまいがちで特定のポケモンに弱くなりやすいので、バランスや相性補完を考える必要がある。
例外はあるが多くの場合戦闘開始時の天候は「無し」で、ポケモンの特性や技によって初めて天候が「発生」することになる。当然だが二つ以上の天候が同時に発生することはなく、天候を変化させるとそれまでの天候に上書きされることになる。「晴れパ」vs「雨パ」など異なる天候パがぶつかると、天候上書き合戦でころころ天気が変わるカオスな異常気象になることも稀によくある。
また「天候」というと屋外に限定されそうなイメージを受けるが、屋内外を問わず、室内でも洞窟内でも地下でも海中でも異次元空間でも構わず日差しが照りつけたり大雨大嵐に見舞われたりする。あまり気にしてはいけない。
天候を変化させる手段
霰(あられ)パの御大、ユキノオー。弱点が多すぎる上に鈍足で種族値も並程度とデータだけでは一見ひ弱そうに思えるが、実際は屈強な伝説ポケに混じって前線で戦う詐欺ポケモン。その一因に、「登場しただけで霰を降らせる」という強力な特性を持つことが挙げられる。
- 特定の特性を持つポケモンを場に出す(ひでり/あめふらし/すなおこし/ゆきふらし/おわりのだいち/はじまりのうみ/デルタストリーム)
場に登場させるだけで即座に天候を変化させる特性を持つポケモンがいる。
一口に天候と言っても以前から存在した晴れ(ひでり)、雨(あめふらし)、砂嵐(すなおこし)、霰(ゆきふらし)の4種に加えて、ORASで新たに登場した猛暑(おわりのだいち)、大雨(はじまりのうみ)、乱気流(デルタストリーム)の2パターンに分かれる。
前者は、第五世代までは天候を上書きされない限り戦闘終了までその天候が永続してたが、第六世代からは効果の持続が5ターンまでとなり、特定の持ち物で8ターンまで伸ばせるようになった。そしてこれによって変化した天候は制限時間がくるか他の天候で上書きされるかするまでは特性の持ち主が退場しても続く。
後者の3種は伝説のポケモンのゲンシカイキ・メガシンカ形のみが持つ上位天候特性で、この特性によってしか発現させることができない。これらの天候で他の天候を上書きする事はできるが、既存の4種の天候でこれらの天候を上書きする事ができない。また、特性の持ち主が場にいる限り永続するが、退場すると即座に終わる点が既存4種とは異なる。
これらの特性を持つポケモンはそれぞれの天候につき2~4種類程度と非常に限られているが、「繰り出すだけで天候変化」という利点により、現環境で天候パを組む場合はこれらの特性のポケモンが採用されることがほとんどである。
特性は素早さの速いポケモンから順番に発動するので、異なった天候パがぶつかったときなどで両者この特性を持つポケモンを初手で繰り出した場合、先に発動した天候変化特性を上書きできる遅いポケモンの方が優位に立てる。 - 特定の技を使う(にほんばれ/あまごい/すなあらし/あられ/ダイバーン/ダイストリーム/ダイロック/ダイアイス/さむいギャグ)
由緒正しい天候変更手段。技なので1ターン費やすことになるが、上述した天候変更特性と異なりこちらは多くのポケモンが習得することが可能。
天候変更特性を持つポケモンをパーティに入れず天候パを組む場合、天候パであることが相手にバレにくいという利点もある。天候の恩恵を受けるポケモン自身にこれらの技を覚えさせれば、天候変更特性持ちのポケモンに頼らず積み技感覚で自身を強化させることもできる。
といっても、特性での変化が永続だった第五世代まではもとより、持続時間の面では大差なくなった第六世代の現環境でも特性で始動させることがほとんどだが、それでも天候が上書きされたときの保険のために他のポケモンにこれらの技を覚えさせておくのも良い。
相手の発生させた砂嵐や霰ですぐにお亡くなりになってしまうヌケニンが天候を上書きするために「にほんばれ」などを覚えていることも珍しくない。
天候の持続時間は使用してから5ターンまでだが、特定のアイテムを持たせることで8ターンまで伸ばすことができる。後続援護のための天候変更の場合、ターン数が無駄ということもあり天候を変えたら次のターン即「だいばくはつ」で退場ということもよくある。
第八世代では新システム「ダイマックス」で使用可能なダイマックス技の中に攻撃後天候が変化するものがある。攻撃しつつ天候を操作できる為始動要因に頼らず天候依存特性を発動させることも容易になった。 - フィールド上で元から発生(雨/豪雪地帯での霰/砂漠での砂嵐/DPPtの濃霧/RSEのイベントなど)
道中、町などフィールド上の特定のエリアで元から天候が変わっているところも存在し、そこで野生ポケモンや一般トレーナーとバトルをすると、両者が何もしなくとも戦闘開始時から強制的に天候が変わった状態でバトルをすることになる。第六世代からポケモンによる天候変化にターン制限が付いたが、フィールドの天候が元から変化していた場合は永続となり、例えにほんばれなどで上書きしても、上書きした天候のターンが切れたあとは元の天候に戻る。
当然ながら、通信対戦ではこれが起こる事はない。必ず最初は天候「なし」である。
天候によって効果が変化する技
炎天下の超スピード植物、ウツボット。左の本文中に挙げているような「ソーラービーム」「ウェザーボール」「せいちょう」といった晴れのときに強化される実用的な技をいくつも習得する上に、何と言っても特性が晴れ専用特性の「ようりょくそ」でシナジー抜群。
「晴れ」でほのおが強くなり「雨」でみずが強くなるなどタイプそのものに影響があるものも存在するが、ここではタイプによらず天候の影響をダイレクトに受ける特殊な技を以下に挙げる。
- ウェザーボール
通常時は威力50の特殊ノーマル技。
天気が「晴れ」「雨」「砂嵐」「霰」のいずれかの場合威力が2倍になり、タイプもそれぞれ、ほのお、みず、いわ、こおりに変化する。
もともとポワルンの専用技であったが、世代を進めるごとにポワルン以外にも習得するポケモンが増えてきた。天候の変更に失敗してしまうとタイプも威力も変わってしまうため不安定だが、「高威力版めざめるパワー」のような感覚で相性補完用のサブウェポンとして活用することができる。 - ソーラービーム/ソーラーブレード
発動に2ターン必要とするくさタイプの技。後者はラランテス専用。
「晴れ」のときは溜めを必要としなくなり1ターンで連発できるようになる。前者は晴れパにおける特殊くさポケモンのメインウェポンや特殊ほのおポケモンのサブウェポンになり得る。
逆に「雨」「砂嵐」「霰」「霧」のときは与えるダメージが半減する。その上もちろんだが溜めが必要になってしまうので、晴れパで使う場合はなんとしても晴れ状態を維持して放ちたい技。 - かみなり・ぼうふう
「かみなり」はでんきタイプ、「ぼうふう」はひこうタイプの特殊技。
通常時の命中率は70%と不安だが「雨」のときはこれが必中になる。雨パにおける特殊でんきポケモン・ひこうポケモンのメインウェポンになり得る。
逆に「晴れ」のときは命中率が50%に減少する。 - ふぶき
こおりタイプの特殊技。通常時の命中率は70%だが、「霰」のとき必中になる。それ以外の天候での影響はない。霰パにおける特殊こおりポケモンのメインウェポン。 - こうごうせい・あさのひざし・つきのひかり
最大HPの1/2を回復する技。
「晴れ」のときは回復量が上昇し1/2から2/3になる。逆に「雨」「砂嵐」「霰」「霧」のときは1/4に減少する。晴れパにおける耐久ポケモンの回復手段。 - せいちょう
攻撃と特攻が1段階ずつ上昇する積み技。
「晴れ」のときはこれが2段階ずつになる。晴れパにおけるくさポケモンのダメージ底上げ手段。 - オーロラベール
史上初の特定の天候でなければ使用できない技であり、「霰」の時にのみ使える。自軍の物理・特殊双方のダメージを軽減できる優れ物だが習得できるポケモンがかなり限られている。
天候に関連する特性
特性「ノーてんき」により場にいるだけで一時的に天候を無効化することができるゴルダック。晴れていても気兼ねなくみず技を打つことが出来るほか、砂嵐・霰のダメージや天候による相手の能力補正を無効化することが出来る。
※「ひでり」「あめふらし」などの天候変更特性に関しては前述の「天候を変化させる手段」を参照。
※「ようりょくそ」「すいすい」などの特定の天候のときに効果が現れる特性に関しては後述の「天候一覧」をそれぞれ参照。
- てんきや
ポワルンの専用特性。天候が変わると姿とタイプが変化する。
「晴れ」のときはほのお、「雨」のときはみず、「霰」のときはこおり。ただし「砂嵐」「霧」では変化しない。 - ノーてんき・エアロック
この特性を持つポケモンが場に出ているときだけ、全ての天候による効果を無効化する特性。
天候パに組み込むことで一時的に天候を無視した動きをすることが出来る他、アンチ天候パとしても使える。 - ぼうじん
「砂嵐」「霰」のときの天候ダメージをタイプによらず受けない。
これらの天候ダメージに加えて「どく」「やけど」「ステルスロック」など他の様々なダメージも無効化する「マジックガード」という上位互換の特性も存在する。
天候一覧
晴れ(ひざしが つよい)
元祖晴れ要員のワタッコさん。S110からの「にほんばれ」で後続をサポート、自身も特性「ようりょくそ」によって更なる速さを得る。ダブルバトルではグラードンとのシナジーが高く、GSルールで化けるポケモンの一匹。天晴れワタッコ。
- 本来は「晴れ」が正式な天候の名称ではなく、イメージとしては「元々晴れていたのが更に日差しが強くなっている天候」のことを言うが、冒頭でも記述したように便宜的にここでは「晴れ」という言葉を使う。
- 第二世代から登場。時間の概念を超越し昼夜を問わず日差しが照りつける……というより夜の場合は日光ではなく月光と考えておけば良い。洞窟の場合はきっとトレーナーの持った松明が燃えさかったりするんだと思う。
- 晴れ状態を活用したポケモンを主軸に組まれたパーティを「晴れパ」と呼ぶ。
- 簡単に言えばほのおタイプ全般と一部のくさタイプが強化される。具体的に言うと、ほのおタイプの技によるダメージが1.5倍になり、みずタイプの技によるダメージが半減する。
- 晴れで強化されるくさタイプのポケモンの代表として特性「ようりょくそ」を持つポケモンが挙げられる。これは晴れのとき素早さが2倍になる特性。
また概要に記述したように、技「せいちょう」「こうごうせい」「ソーラービーム」などのくさタイプの技の効果も増大する。
このようにくさタイプにとってもメリットの多い天候だが、上述したようにくさタイプの弱点であるほのおタイプの威力も上がっているため注意。 - 「あさのひざし」「つきのひかり」の回復量も大きく上昇するので、これらの回復技を使うクレセリアやブラッキーなどの耐久ポケモンが更に落とされにくくなる。
- 「日差しが強い」となるとこおりタイプの技も弱体化しそうなイメージを受けるが実際はダメージに影響はない。ただし晴れのときは「こおり状態」になることがなくなり、既に「こおり状態」のポケモンが晴れ下に晒されると即座に治る。
- バトルに直接影響があるわけではないが晴れのときだけチェリムの姿が変化する。チェリムは「フラワーギフト」という晴れのときに効果を発揮する専用特性を持つ(後述)ことから混同されがちだがこれは特性による効果ではなく、チェリムだけに与えられた特別仕様。かわいい。
- 晴れパのメインウェポンであるほのお技やくさ技をどちらも半減することからドラゴンタイプやほのおタイプが出てきやすく、また弱点・範囲が偏りがちで安定しない。天候を上書きされると途端に弱体化する上に他の天候パ(主に雨・砂)に対してタイプ相性的にも劣勢。一方で一撃一撃の破壊力と華麗さは群を抜いており、太陽光を存分に浴びた「ソーラービーム」は美しく華やかでロマンと評される。隣で応援してるチェリムもかわいいし。
- 第五世代までの一般戦では始動要因だったキュウコンの素早さという問題もあり、他の天候パと比べるとマイナー寄りで非常に対策を切られ易かったが、第6世代以降始動要因のテコ入れにより大きく強化された。
- フィールド上では、『ルビー・サファイア・エメラルド』『オメガルビー・アルファサファイア』の終盤のイベントにおいて一時的に発生する程度で、通常この天候になるエリアは存在しない。なので他の天候と比較すると対戦をしないプレイヤーにとってはマイナーな天候かも知れない。
主な天候始動要員
特性「ひでり」「ひひいろのこどう」を持つポケモンか、技「にほんばれ」「ダイバーン」を使用することで晴れ状態にすることができる。
- キュウコン
第五世代で夢特性として「ひでり」を獲得した。これにより晴れパの中心に。
なお概要に記したように天候変更特性持ちのポケモンは足が遅い方が有利なのだが、キュウコンはこれらの中でリージョンフォームに次いで足が速いので天候の取り合いは不利。第五世代で未だに晴れパがにほんばれを手放せなかった原因でもある。 - グラードン
ひでりキュウコンが解禁されるまでは、特性「ひでり」を持つポケモンは禁止伝説級のグラードンしか居なかった。ゲンシカイキにより炎タイプが追加され、上位天候の猛暑(後述)が発動する。 - ワタッコ
その素早さから先制で「にほんばれ」を使い、自身も特性「ようりょくそ」によって更なる速さを得る。 - ダーテング
1ターン目で「にほんばれ」を使い、2ターン目で特性「ようりょくそ」によって上昇した素早さから先制で「だいばくはつ」をして散り、後続に繋げる。 - メガリザードンY
第六世代で追加。メガシンカにより任意のタイミングで天候を上書きでき、特攻もキュウコンを大きく凌ぐ。ただしバンギラスやユキノオーも同じことができるので注意。 - コータス
第七世代で第二特性としてひでりを獲得。全天候始動特性持ちポケモンの中でも最遅であり、対面での天候の取り合いに弱いという晴れパの問題点を一気に解消した革命児。 - コライドン
第九世代の禁止級。ひでりの強化版特性「ひひいろのこどう」を持つ。天候を晴れにするだけでなく晴れの際は自身の攻撃力が上昇する。
天候の恩恵を受ける特性
- ようりょくそ(ウツボットやメブキジカなど)
素早さが2倍になる。 - リーフガード(リーフィアやモジャンボなど)
「どく」「ねむり」などの状態異常にならない。ただし元から状態異常の場合治るという効果はない。 - しゅうかく(ナッシーやトロピウスなど)
既に効果が発動して消滅したきのみが、100%の確立で復活するようになる(通常時は50%)。 - サンパワー(キマワリやリザードンなど)
毎ターン最大HPの1/8が減少していく代わりに、特攻が1.5倍に上昇する。
自身の寿命と引き替えに華やかな大火力技を放つ神々しさ・ふつくしさからキマワリは「太陽神」として崇められている。 - フラワーギフト(チェリムのみ)
チェリム専用特性。自分と、ダブル・トリプルバトルの場合は加えて味方の攻撃・特防が1.5倍に上昇する。
技「てだすけ」も掛け合わせて味方を全力で支援することが可能。かわいい。 - こだいかっせい(イダイナキバやトドロクツキなど)
古代パラドックスポケモン専用特性。晴れの時かアイテム「ブーストエナジー」装備時に「ビーストブースト」同様HP以外で一番高い能力値が上昇する。補正値は素早さとそれ以外で異なるらしい(要検証)。
雨(あめが ふりつづいている)
雨パの知的な優等生、キングドラ。金銀時代からの旧友のニョロトノくんとは「トノグドラ」というコンビを結成するほど大の仲良し。ただし巻き起こすのは爆笑の渦ではなく恐怖の渦。特性「すいすい」によるスピードからの、雨と火力アップアイテムにより底上げされた高火力技は驚異。
- 第二世代から登場。屋内外問わず突如として雨雲が立ちこめ大雨が降り始める。
- 雨状態を活用したポケモンを主軸に組まれたパーティを「雨パ」と呼ぶ。
- みずタイプの技によるダメージが1.5倍になり、ほのおタイプの技によるダメージが半減する。上記の「晴れ」とは真逆の効果。
- 雨で強化される特性の代表として「すいすい」が挙げられる。これは雨のとき素早さが2倍になる特性。ニョロトノで雨を降らせ、すいすいキングドラで無双というのは鉄板中の鉄板で「トノグドラ」という俗称がつくほど。
- 特性「あめうけざら」「かんそうはだ」は雨のとき毎ターン回復する。
- みずポケモン以外だと、概要に記述したように「かみなり」「ぼうふう」が必中になり、その上相性補完としても良いため、これらの技を覚えるでんきポケモン、ひこうポケモン、ドラゴンポケモンが雨パの補佐枠の候補。具体的にはボルトロス、サンダー、カイリューなどが候補。
- また、雨によりほのおタイプが弱体化するため、ほのおを弱点とするポケモンが活躍しやすい。特にナットレイやハッサムなどの炎4倍のポケモンが雨パに組み込まれることが多い。逆に相手のナットレイに対しては有効手段に乏しくなりがちで、雨パにとっては天敵となり得る。ナットレイ対策のかくとうポケモンや、効果が半減されるとは言えほのおポケモンもいると安心。
- フィールド上ではこの天候になっているエリアが多い。ストーリー攻略時にはしょっちゅう直面する最もポピュラーな天候と言える。
主な天候始動要員
特性「あめふらし」を持つポケモンか、技「あまごい」「ダイストリーム」を使用することで雨状態にすることができる。
- ニョロトノ
第五世代で夢特性として「あめふらし」を獲得し雨パの中心核に急成長した。現環境(伝説禁止ルール)では必ずと言っても過言ではないほどの確率で雨パに組み込まれている。 - カイオーガ
あめふらしニョロトノが解禁されるまでは、特性「あめふらし」を持つポケモンは禁止伝説級のカイオーガしか居なかった。自身も雨天時必中の「かみなり」やサブのこおり技を習得するので攻撃範囲が広く前線で戦いやすい。ゲンシカイキにより上位天候の強い雨(後述)が発動する。 - クロバット
その素早さから先制で「あまごい」を使い、とんぼがえりで帰るか、ブレイブバードでダメージを与えつつ反動ダメージで自滅し後続に繋げる。 - マルマイン
クロバット以上の素早さから先制で「あまごい」を使い、「だいばくはつ」で散って後続に繋げる。自身も雨天時必中の「かみなり」で攻撃することが出来る。 - ペリッパー
第七世代で第二特性としてあめふらしを獲得。水技の威力強化のみならず、タイプ一致ぼうふうの必中化も大きい。はやての翼の弱体化により著しく採用率が減少したファイアローに入れ替わる形で環境入りした序盤鳥ポケモンである。
天候の恩恵を受ける特性
- すいすい(キングドラやメガラグラージなど)
素早さが2倍になる。 - あめうけざら(ルンパッパやドククラゲなど)
毎ターン最大HPの1/16を回復していく。たべのこしややどりぎのタネなどと合わせると効果的。 - かんそうはだ(ドクロッグやパラセクトなど)
毎ターン最大HPの1/8を回復していく。加えて、みず技を無効化してHPの1/4を回復する。逆にほのおタイプに弱く、晴れのときは毎ターンHPの1/8のダメージを受ける。こちらも上記のあめうけざらと同様の耐久向け特性。 - うるおいボディ(ジュゴンやマナフィなど)
「どく」や「ねむり」などの状態異常になっても即座に治る。特に技「ねむる」で眠ってしまっても即座に目を覚ますことが出来るのでノーリスクでHP全回復技を連発できることに。
砂嵐(すなあらしが ふきあれる)
600属ドラゴン、ガブリアス。「すながくれ」「ひかりのこな」「みがわり」などで相手の攻撃を避けつつそのスキに「つるぎのまい」で火力アップを図る通称「砂ガブ」の存在は、第五世代まで砂パが恐れられる要因の一つだった。
- 第二世代から登場。激しい砂嵐が巻き起こる。
- 砂嵐状態を活用したポケモンを主軸に組まれたパーティを「砂パ」と呼ぶ。
- いわタイプのポケモンの特防が1.5倍になる。いわタイプのポケモンは物理に厚く特殊に弱いポケモンが多いが、これにより特殊方面にも耐久力を得ることが出来るようになる。
- そして何よりも砂嵐には、いわ・じめん・はがねタイプ以外のポケモンが毎ターン終了時に最大HPの1/16ずつダメージを受け続けるという大きな特徴がある。この特徴に加えて、砂嵐で強化されるいわ・じめん・はがねも多いため、砂パのメインはこれらのタイプを持つポケモンになる。天候始動要員にはバンギラスかカバルドン、アタッカーにはガブリアスかドリュウズでだいたい固定されている。
- 砂嵐のダメージにより「きあいのタスキ」の効果を打ち消したり(俗に言う『襷潰し』)、特性「マルチスケイル」を潰したりすることができる。後述する特性「すなかき」「すながくれ」「すなのちから」や、「ぼうじん」「マジックガード」のポケモンはタイプによらず例外的にダメージを受けない。こちらのパーティをいわ・じめん・はがねタイプのポケモンや特性「マジックガード」のポケモンなどで固めておけば、じわじわ相手に蓄積ダメージを与えることが出来る。
- 晴れ・雨・霰とは異なり直接恩恵を受ける技が存在しない(一応『ウェザーボール』があるがそれだけ)ので、「すなかき」によるスピード上昇、「すなのちから」によるダメージ上昇、「すながくれ」による回避ゲー、砂嵐によるスリップダメージを武器に戦うことになる。天候が打ち消されると大きく弱体化する晴れパや雨パなどと異なり、砂パは砂嵐状態でなくてもそれなりに戦うことができ、安定性に優れる戦術パーティと言える。
- デメリットとして、みず・くさ・はがねなどのタイプに弱くなりやすいことが挙げられる。いわ・じめん・はがねばかりで固めすぎないよう注意。また、砂パではないパーティでも砂の恩恵を受けやすいポケモンが含まれていることが多い(特にガブリアス)ので、相手のパーティに逆に砂を利用されてしまうことも。
- フィールド上では、砂漠地帯限定で常にこの天候が発生している。そこで出現するポケモンはじめんタイプやいわタイプなどの砂ダメージ無効タイプであることが多いので、こちら側だけ一方的に蓄積ダメージを食らってしまいがち。
主な天候始動要員
特性「すなおこし」を持つポケモンを場に出すか、特性「すなはき」を持つポケモンが攻撃を受けるか、技「すなあらし」「ダイロック」を使用することで砂嵐状態にすることができる。
- バンギラス
非伝説ポケモンの中では先駆けて天候変更特性を得た。自身もいわタイプということで特防上昇の恩恵を得られる上、元から600属なので実質的な合計種族値は大変なことに。第六世代以降は天候を上書きされた場合もメガシンカにより再書き換えが可能。 - カバルドン
バンギラスに次いで特性「すなおこし」を持つポケモン。こちらはバンギラスとはタイプも戦術も大きく異なるため容易に差別化が可能。高い物理耐久を活かして相手をかき乱す。 - ギガイアス
第七世代で第二特性としてすなおこしを獲得した。バンギラス同様自動特防強化ができる。同特性持ちの中では最遅かつ爆発による自主退場も可能。
天候の恩恵を受ける特性
- すなかき(ドリュウズやムーランドなど)
素早さが2倍になる。 - すながくれ(ガブリアスやグライオンなど)
このポケモンに対しての技の命中率が0.8倍になる。「ひかりのこな」や「たべのこし」などを持たせて相手に砂ダメージを蓄積させたり、「みがわり」「まもる」などで回避しつつ積み技を使うなど。 - すなのちから(ランドロス(化身フォルム)など)
いわ・じめん・はがねタイプの技の威力が1.3倍になる。
霰(あられが ふりつづいている)
- 第三世代から登場。冷たい霰(あられ)が降り始める。
- 霰状態を活用したポケモンを主軸に組まれたパーティを「霰パ」と呼ぶ。
- こおりタイプ以外のポケモンが毎ターン終了時に最大HPの1/16ずつダメージを受け続けるということがこの天候の一つ目の特徴。後述する特性「ゆきがくれ」「アイスボディ」や、「ぼうじん」「マジックガード」のポケモンはタイプによらず例外的にダメージを受けない。このあたりの特徴は前述した砂嵐と同様。砂ダメージと比較すると霰ダメージは無効化されるポケモンが少ないため、より確実に相手に蓄積ダメージを与えることが出来る。
- 霰パの最大の武器はやはり、霰時に必中になる「ふぶき」であると言える。威力が高く追加効果も優秀な上にダブルバトルでは相手二体に同時にヒットするという鬼のような性能。シングルバトルよりも、ダブルバトルや、伝説級ドラゴンがひしめくGSルールにおいて見かけやすいパーティ戦術。
- 「晴れ」「雨」「砂嵐」と異なり、特定のタイプが強化されたり弱体化したりするような効果は存在しない。他の天候パと比べると大きく強化される点が少ないため、天候の維持に失敗してもそれなりに戦っていけることが強み(相手の天候パに対抗することが出来るかは別として)。
- 霰のダメージを受けず「ふぶき」が使えるこおりタイプのポケモンを多く詰め込みたくなるが、個性に欠ける上、特定のポケモン(特にはがねタイプ全般やバンギラスなど)に弱くなりやすい。これらのポケモンの対策のためにも、ほのお技やかくとう技を使うことが出来るポケモンもパーティに必要になってくる。
- フィールド上では、マップ北部の豪雪地帯や標高の高い山(シロガネやま)などで発生している。やはりそこで出現するポケモンや相手トレーナーの持つポケモンは霰ダメージを無効化するこおりタイプであることが多いので、砂嵐と同様こちら側だけが一方的に蓄積ダメージを貰いやすい。
- 第九世代では廃止され、レジェンズアルセウスから続投の雪に取って代わられている。
主な天候始動要員
特性「ゆきふらし」を持つポケモンか、技「あられ」「ダイアイス」を使用することで霰状態にすることができる。
- ユキノオー
特性「ゆきふらし」は第五世代までユキノオー系列の専用特性であった。第六世代ではメガシンカを獲得し、バンギラスと同じ芸当を覚える。 - アマルルガ
第六世代から新たに登場した霰発動要員。氷タイプの苦手な炎に対して有利で、天候をすなあらしに変えられてもダメージを受けないどころか特防アップの恩恵を受けられる。ユキノオーとはタイプが違うので差別化自体は難しくないが、弱点が非常に多いのは難点。 - バイバニラ
第七世代で第二特性としてゆきふらしを得たことで新たな始動要因となった。氷単色故の攻撃範囲の狭さがネックだが、始動役としては最も特効が高く、唯一自主退場技持ちかつ4倍弱点がない。 - キュウコン(RF)
第七世代で登場したキュウコンのリージョンフォーム。始動要因の中で唯一オーロラベールを覚える事ができ、それを生かした起点づくりが得意。ただし原種よりも素早いため天候を上書きされやすいという弱点は更に浮き彫りに。
天候の恩恵を受ける特性
- ゆきがくれ(グレイシアやユキメノコなど)
このポケモンに対しての技の命中率が0.8倍になる。 - アイスボディ(トドゼルガやバイバニラなど)
毎ターン最大HPの1/16を回復していく。他の回復手段も合わせた無限戦法が凶悪だったが、第六世代で始特性によって始動した天候もターン制限が付いたため戦法自体が成り立たなくなった。 - ゆきかき(ツンベアーやサンドパン(RF)など)
素早さが2倍になる。
雪(雪が 降り続いている)
- LEGENDSアルセウスで「純白の凍土」など寒い地域で発生することがある天候。場の変化としては以下の通り。
- 第九世代では効果が大幅に変わり、廃止された霰に代わる形となった。今後雪状態を活用したポケモンを主軸に組まれたパーティを「雪パ」と呼ぶものと思われる。
- 霰との違いは、氷タイプ以外に対するスリップダメージがない代わりに、氷タイプの防御力が1.5倍になるという点。氷の弱点は比較的物理攻撃寄りのタイプが多いので、この恩恵にあやかる機会は多そうだ。
- 砂嵐のようにスリップ+バフじゃダメだったのか?というツッコミがあるだろうが、そこは霰から継続のふぶき必中でバランスをとっているという事なのだろうか。とはいえ耐性面が脆い氷の性質を考慮すると攻撃面が弱体化したのは痛いか。
主な天候始動要員
特性「ゆきふらし」を持つポケモンか、技「ゆきげしき」「さむいギャグ」を使用することで雪状態にすることができる。
霧(きりが ふかい)
- 第四世代にのみ登場する天候。周囲に濃霧がたちこめる。効果は、お互いの攻撃の命中率が0.6倍に補正されるというもの。
- この天候を自発的に発生させるような技や特性は存在せず、自然発生によるもの。『ダイヤモンド・パール・プラチナ』において特定のエリアで発生している他、『ポケモンバトルレボリューション』では「キャッスルコロシアム」でも一定確率で発生する。
- 戦闘中、もしくはフィールド上で技「きりばらい」を使用することで、霧を消滅させることが出来る。
ダイヤモンドダスト
- 第四世代から登場。
- 普段は霰が降っている、キッサキシティ(DPPt)、シロガネやま(HGSS)、セッカシティ(BW/BW2)において、稀に観測することが出来る特別な天候。DSで設定された日付によって決定される。
- バトルには全く影響がない。シロガネやまは通常霰が降っているので、レッド戦で霰ダメージを嫌う場合はダイヤモンドダストの降る日を狙って勝負を挑むというのも手。
猛暑(ひざしが とても つよい)
- 第六世代のORASから登場。いくら大量の水を使っても気温が下がらず、それどころか放っただけで一瞬にして蒸発し、世界が終わりかねない位暑い天変地異に見舞われる。
- 「晴れ」の上位天候であり、基本的には同じであるが、ゲンシカイオーガの「はじまりのうみ」とメガレックウザの「デルタストリーム」を除く天候を変える特性や技が無効化され、みずタイプの技が一切使えなくなるなどの違いがある。
- 主にゲンシグラードンの「おわりのだいち」で起こり、場に出ている間続き、場から引っ込めると通常の天候に戻る。他にもゲーム中のあるイベントでも起こる。
強い雨(つよい あめが ふりつづいている)
- 第六世代のORASから登場。屋内外問わず水中でも使えるほどの破壊力を持つ炎でさえも掻き消し、世界が始まりの姿に戻りかねない位凄まじい豪雨が降り続く天変地異に見舞われる。
- 「雨」の上位天候であり、基本的には同じであるが、ゲンシグラードンの「おわりのだいち」とメガレックウザの「デルタストリーム」を除く天候を変える特性や技が無効化され、ほのおタイプの技が一切使えなくなるなどの違いがある。
- 主にゲンシカイオーガの「はじまりのうみ」で起こり、場に出ている間続き、場から引っ込めると通常の天候に戻る。他にもゲーム中のあるイベントでも起こる。
乱気流(なぞの らんきりゅう)
- 第六世代のORASから登場。日差しや雨などの天候が厚い雲によって遮られ、ひこうポケモンの領域に来る冷気や岩石、電撃が減退する位激しい空気の乱れが続き、世界が始まりも終わりも無く揺らぎ続ける天変地異に見舞われる。
- 上位天候であり、基本的には通常の天候と同じであるが、ゲンシグラードンの「おわりのだいち」とゲンシカイオーガの「はじまりのうみ」を除く天候を変える特性や技が無効化され、ひこうタイプのポケモンのひこうタイプの弱点が弱点ではなくなる(例えばでんきタイプの技が効果は抜群にならなくなったりであるが、あくまでひこうタイプの弱点だけであり、ギャラドスなどのみず・ひこうタイプのでんき4倍弱点の場合は2倍に軽減されるだけに留まる)などの違いがある。
- 主にメガレックウザの「デルタストリーム」で起こり、場に出ている間続き、場から引っ込めると通常の天候に戻る。
ダークウェザー
天候に似た場の状態
天候ではないが、天候と似た扱いをすることが出来る場の状態・戦術を以下に挙げる。
トリックルーム
第四世代から登場。使用してから5ターンの間、素早さの遅いポケモンから先に行動できるようになる。天候ではないので重ねがけが可能。
トリックルームを使用することが前提のパーティのことを「トリパ」と呼ぶ。
じゅうりょく
第四世代から登場。使用してから5ターンの間、重力が強くなる。天候ではないので重ねがけが可能。
じゅうりょくが発動している間は両者の技の命中率が大きく上昇する。また、ひこうタイプのポケモンや特性「ふゆう」のポケモンが宙にいられなくなりじめん技が当たるようになり、更に「そらをとぶ」や「とびひざげり」などの飛んだり跳ねたりする技を選択することができなくなる。
じゅうりょくを使用することが前提のパーティのことを「重力パ」と呼ぶ。
『ポケモン不思議のダンジョン』シリーズにおける天候
『ポケモン不思議のダンジョン』シリーズでは、天候として、「はれ」「くもり」「ゆき」「ひざしがつよい」「あめ」「すなあらし」「あられ」「きり」が登場する。
「はれ」は通常の天候。「くもり」はノーマルタイプ以外の技によるダメージが減少し、「ゆき」はこおりタイプのポケモンの移動速度が倍になる。「ひざしがつよい」「あめ」「すなあらし」「あられ」はポケモン本編シリーズと似通った効果だが、「きり」はゲーム本編のそれとは効果が大きく異なり、こちらはでんき技によるダメージが減少するというものである。
関連動画
関連項目
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