学校のコワイうわさ 花子さんがきた!!とは森京詞姫原作による児童向けホラー小説、及びアニメ作品である。
1994年にフジテレビの子供向け番組、ポンキッキーズ内でアニメ版を放送。
アニメは1年という短期間だったが原作の書籍シリーズ自体は1994年から1996年にかけて10巻刊行され、後に新シリーズ『学校のコワイうわさ 新・花子さんがきた!!』が2006年から2014年にかけて20巻刊行された。
1995年にPS、SS、3DO、Win、Macでゲーム化、2008年にはニンテンドーDSソフト『みんなの花子さん』が発売。
2010年から新作アニメシリーズ『新・花子さんがきた!!』が放送された。
概要
闇の世界の存在である花子さんがパートナーのホワホワと共に様々な事件に関わっていくオムニバス形式。
花子さんのライバルであるやみ子さんや、花子さんのパパやママなどが登場する話もある。
アニメは幼稚園児から小学生が対象の子供向け番組で放送していたが、救いのないホラーな展開も多く、少なからず当時の子供たちに恐怖を与えた。
そのためか放送前に「こわいはなしなのでちゅういしてね」等の警告文が入った事もある。
『新・花子さんがきた!!』では比較的明るい色を多用した作風になっているが、やはり救いのない展開もいくつか用意されている。
登場人物・あらすじ
町外れの朽ちた公衆電話から電話をかけると、花子さんという幽霊を呼び出せるという。
面白半分に花子さんを呼び出そうとした子供が、悪霊を呼び出してしまう。
そこに颯爽と現れて悪霊を退治した謎の少女。その少女こそ、うわさの花子さんだった。
花子さん
「トイレの花子さん」をモチーフとしているが、作中では基本的に人間の味方として描かれており、人間に危害を加える妖怪や幽霊を強制送還したり駆除したりしてくれる。公式設定では「面倒見が良い」女の子であり、基本的に登場人物と絡んだ場合は助けてくれる。
物語に関わらず、被害に遭う人間たちの様子を淡々と見守る語り部として登場することもある。語り部としての登場の場合にはかなり理不尽な目に遭っている主人公が助けられない反面、一端絡んだ場合は、自業自得としかいえない少年も助けてくれることもある。
主題歌の通り、あくまで「来たら助けてくれるよ」 というだけのことらしい。
スカートについたチューリップのアップリケが切り札だが、たまに利かない。
< ゆーれーしばりあっぷりけー。
お父さんは、妖怪を次から次へと丸呑みする食いしん坊。お母さんは、幽霊幼稚園の園長をしている。実はおじいちゃんもいて、ホワホワをプレゼントしてくれたらしい。
ちなみに、お父さんは、花子さんの髪型を変えて口ひげを生やしただけと言っても良い顔をしており、花子さんはお父さん似のようだ。
以前は赤いスカートと黄色いワイシャツというちびまる子ちゃんのような服装だったが、
新シリーズからはピンクのスカートに白いワイシャツに変更、肌の色も健康的な肌色になった。
ホワホワ
ホワホワした謎の毛玉。風船のように宙に浮いて、いつも花子さんのそばにいる。
正体はホワホワの木がつける実。
稲妻を操る力を持っており、たびたび花子さんを手助けする。
やみ子さん
花子さんのライバル。もっとも花子さんはあまり彼女のことを敵視してはいない。
ゲーム版ではやみ子さんの代わりにヨミさんというライバルが登場する。
初登場回の「影を食べる幽霊」で登場したときは暗闇から影のように現れた。
アップリケが通用しない幽霊が現れて花子さんが苦戦している時に助けに来てくれる。
ドクロの形のペンダントが切り札で、そのペンダントで幽霊を吸引してしまう。
無口なため真意は不明だが、ナレーションによると「自分以外の存在に花子さんが負けるのは許せない」らしい。
ちなみに髪型は初登場時が外ハネ、再登場時は紺色のリボン着用、新シリーズではリボン無しのセミロングと地味に変化している。
新シリーズではテーマソングも用意されたが、これが良い意味で予想外。
ナレーター
今作は普通のアニメ作品とは違い、花子さん以外の声はほぼ全てナレーターによって演じられており、朗読・読み聞かせに近い形で進行する。
伊武の確かな演技力に支えられた低い不気味な淡々としたその声は、今作を数多くの子供のトラウマたらしめる最も大きな要因の一つ。特に、人食いランドセルの売人の笑い声や、赤い靴履いた女の子の猫撫で声は必聴モノ。
篠井の方は、伊武に比べて声のトーンが高く、やや軽やかな印象を与える。
花子さんがこない
この作品の花子さんは悪霊ではなく、人間に危害を加える幽霊や妖怪を退治するヒーローのはずなのだが、単にストーリーテラーとして登場するだけで犠牲者が出てしまう話も多い。
そのため「花子さんは本当に人を助ける気はあるのか」「花子働け」と視聴者から言われる事も。
ウィキペディアの花子さんがきた!!の記事ではアニメ版のサブタイトルの一覧に「花子さんが助けず犠牲者が出る話」という項目が添えられている。
人喰いランドセル
非常に怪しい男が「君のランドセルと取り替えてくれないか」といって、交換を求めてくるランドセル。見た目は普通のランドセルだが、夜中になると大きな口といやらしい目が浮かび上がり、部屋を這い回って持ち主を丸呑みしてしまう。吸血鬼や悪魔の一部がそうであるように、鏡に映らないという欠点があるのだが、劇中で手に入れてしまったとも子ちゃんは気づけず、餌食になってしまった。
『怪しい人・知らない人の言うことをむやみに聞いてはいけない』という教訓的な意味合いも強いエピソードであるが、そもそもまだ幼い小学生を標的にした卑劣な行いである。でも花子さんは助けに来なかった。
「可哀想に。とも子ちゃんはもう、この世には戻ってこれないわ」
怪人トンカラトン
『トン・トン・トンカラトン♪』と歌いながら町を自転車で徘徊する、全身包帯の怪漢。
彼に出会うと「トンカラトンと言え!」と迫られる。言えなかったら、背中に背負った日本刀で斬り捨てられる。人を斬った後は気分が良くなるのか、手放し運転で踊りながら歌うという妙技も披露する。
書籍の方ではトンカラトンの集団が登場し、ゲームではニセトンカラトンが登場する。
劇中「怪人トンカラトン」では、トンカラトンの写真を撮ろうとした少年が餌食になった。少年は「トンカラトン、トンカラトン」と唱えてはいたのだが、トンカラトン曰く「トンカラトンと言うのは、俺が言えと言ってからだ。勝手に言うやつは許さない」という言いがかりを付けられ、少年は斬り殺されることになった。
斬られた人間は死の間際にどこからともなく現れた包帯によって体を覆われてしまい、トンカラトンになってしまう。
日本刀を持った怪人相手に調子をこいた少年の自業自得かもしれないが、やはり花子さんは助けに来なかった。それどころか、ホワホワに至っては少年の間抜けさに爆笑していた。
「そう。こうやって、トンカラトンは増えていくの」
ちなみに原作本では集団で登場する。まず一斉に「トンカラトンと言え」と迫り、相手が必死に何度も「トンカラトン」と言った所へ、一番後ろの方にいたトンカラトンが「俺は言えと言ってないぞ」と怒って殺す、というチート戦法を展開する。(もちろん切られトンカラトンにされてしまった)
赤い靴の女の子
公園の銅像に乗り移った幽霊。通りかかった女の子が赤い靴を履いていたら、
その靴を奪ったあげく、女の子を空へ連れ去ってしまう。
伊武雅刀の猫撫で声で「赤い靴ちょうだぁい」と言いながら女の子を追っかける様は、恐ろしいの一言。
劇中では女の子が実際に連れ去られたが、花子さんは助けるどころか
「女の子は、いつもこの公園に一人ぼっちで立っていて、とても寂しかったんだわ…」
と、連れ去った幽霊に同情するそぶりすら見せている。
「誰も私と遊んでくれないの」「いいわよ、遊んでくれなくたって」と言って豹変していたことから、花子さんの推測は当たってはいるようだ。
犠牲になってしまった女の子が比較的可愛かった事もあってか、
「花子さんは自分より可愛い女の子は助けない」などと言われてしまう事も。
さっちゃんのうわさ
史上最恐、みんなのトラウマ。
さっちゃんの噂話をした夜、聞いた者の枕元に現れ、手足を刈り取っていく幽霊。
助かるには、さっちゃんが好きだったバナナか、その絵を描いておかなくてはならない。
(好きな割には まるで天敵に出会ったかのように絶叫して退散する)
劇中で話を聞いた主人公の女の子は絵を描くのを忘れてしまったが、
母が夜食用にバナナを置いていったため、刈り取られる寸前で助かった。
が、翌朝になって、たまたま話を聞いてしまっていた担任の先生が手足を刈り取られて死んだことが判明した。
全国の少年少女に必死でバナナの絵を描かせた張本人。
「バナナが大好き」「足をとられる」などからわかるように、元ネタは童謡「サッちゃん」。1959年にNHKで発表された、れっきとした近代童謡なのだが、都市伝説として数多くの尾ひれがついていることは有名である。
「そうだったのです。あの時小野先生は、廊下でさっちゃんの噂話を聞いてしまったのでした。」
やっぱり花子さんは助けに来なかった。
ちなみに、書籍の方ではさっちゃんが成長した姿で現れる話があるが、そこでも花子さんは助けに来ない。大人になったさっちゃんは、バナナが平気になったが代わりにりんごが苦手になっており、従来の方法では撃退出来ないというさらにたちの悪い幽霊になっていた。
恐怖のマラソンマン
人間の形を大きな石がごろごろと転がっている暗い路地。
少年は真夜中の渋滞で尿意を家族に伝えて、おしっこをする為に立ち寄った。
そこへなにやら路地の奥のほうから足音がするではないか。
うわさの恐怖のマラソンマンであった。
マラソンマンは目の前までかけてきてサングラスをゆっくりと外すと「この世の者とは思えない恐ろしい顔」を見せ少年を石に変えてしまうのだった・・・――--
人間とは思えないキャベツかカボチャに似た頭をしていて、メデューサの様に目を見た者を石にしてしまう力を持っている。近くには被害者と思われる人型の石がそこら中にある。
花子さんが助けにきてくれるのだが、アップリケが効かなかったのか話の終わりに後ろの方でマラソンをしている姿が描かれている。
劇中では男の子がタチションをしている最中に現れ、そのまま石にされてしまった。
おそらく作者は”立小便をしてはいけないですよ”と伝える意味をこめて書いたのだろうが、その怖い顔と現れ方、さらには花子さんに退治されたと思わせて話の終わりで復活しているシーンがあり、トラウマになった人も少なくないのでは。
自転車に乗るメケメケ
登場人物はタマネギ、ナス、ジャガイモといった野菜を思わせる奇形の少年たちといった笑い要素もあるが、誰もが使用したことのある自転車での怖い話。
このメケメケは対象者の自転車に前ぶれとしてペダルが重くなり背中が寒くなる。現れると目をふさぎブレーキを封じて事故を起こさせるようだ。
しかも対象以外に姿は見えないので助けを求めた少女は目をふさいだまま猛スピードで走って行ってしまう。
噂を信じていなかったヨッちゃん(ナス顔)だったが、自転車をこいでいるとメケメケに襲われる。
見えない目で奇跡的にお寺の近くへ行くとメケメケは消滅。花子さんによるとお経に弱いらしい。(タスケテヤレ)デザインはどこか愛嬌のあるものだが現実にいたら恐ろしいバケモノである。
ちなみに原作の方では自転車関係として「空とぶ赤ちゃん」というメケメケの数百倍恐ろしいお化けがいる。
こちらは坂道に突如現れブレーキを封じ坂を猛スピードで下らされ電柱に激突させられる。
もちろん花子さんは助けにきてくれないので被害者は悲惨な運命をたどってしまう。
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関連項目
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