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この記事は第384回の今週のオススメ記事に選ばれました！ よりニコニコできるような記事に編集していきましょう。 |
真面目な概要
字は仲謀。呉を建国し初代皇帝に即位した。兄に孫策、妹に孫夫人（孫尚香）。子に孫登や孫魯班（大虎）など。
孫権の容貌として有名な表現に「碧眼紫髯」というのがある。碧眼は蒼い眼で髯は紫。紫と書いているが実際は色が薄くて赤味が強く、いわゆる赤紫～茶色に近い色合いである。至高の面相として父孫堅は将来を期待していた。
呉の礎を築いた父孫堅、勇猛を恐れられた兄孫策を相次いで亡くし、19歳で孫氏軍閥の当主となる。父や兄から引き継いだ家臣団をまとめあげると共に、積極的な人材登用を行った。
208年、曹操軍が大軍を率いて南下すると、降伏か開戦かの決断を迫られる。周瑜・魯粛の言を聞き、開戦を決断。周瑜は赤壁の戦いにて曹操軍を追い返した。
215年の合肥の戦いでは孫権率いる大軍勢が張遼・楽進・李典を大将とする少数の曹操軍に大敗を喫したことで知られている。
219年、荊州を任されていた関羽が軍を率いて北上した隙をついて荊州を奪い、退路を失った関羽を捕らえて処刑した。222年、復讐に燃える劉備軍を夷陵の戦いで大破し、荊州の領有を確実にした。これによって、三国の領域が確定した。蜀を破って魏と同盟する必要のなくなった孫権は、黄武という独自の元号を使い始めた。この年が呉の建国の年とされる。劉備が死去すると、翌223年、蜀漢と和睦し、再び同盟した。
以後、呉は蜀漢と結んで魏に対抗し、諸葛亮の北伐など蜀漢の動きに呼応してたびたび魏へ侵攻した。
晩年は、孫登の急死で後継者問題が発生。陸遜を憤死させるなど老害が目立った（二宮事件（二宮の変））。
以上、真面目な概要である。こう書くと年取ってからボケただけで地味に見える。三国志演義においては呉の出番が少ないかわりに二宮の変などの負の面も描かれないのでなおさら地味な名君に思えるが、しかし……実際の孫権はかなりはっちゃけた性格で有名である。
孫権と虎
呉郡へ向かっている最中で虎に出会った孫権。虎が馬の鞍に飛びついたが、虎狩りが大好きな彼は逃げるどころか自ら反撃を仕掛けた。
最終的に虎は部下が仕留めたが、頑固爺で有名な張昭はあまりにも危険な行動に「野原を駆けて虎と戦う君主なんているか！」とキレる。
その結果、孫権は「じゃあ駆けなきゃいいんだな？」と言わんばかりに装甲車に乗って虎狩りをするようになった。そういう問題じゃねえ！
案の定、このやり方でも普通に獣へ斬りかかろうとするのでまた張昭に諌言されるのだった。
ちなみに、孫権は数年後「どんな時も危険について考えておかなくてはならない」などと命令を出す。おまえが言うな
虞翻殺害未遂事件
呉王になった時の祝宴のこと。孫権はみんなに酒をついで回っていた。
だが孫権以上にアレな性格をしている虞翻はこれを泥酔したフリをしてスルー、しかも通り過ぎた途端にちゃんとした様子で談笑を始めた。酒乱で有名な孫権がこれを許すはずがない。
「野郎、ぶっころしてやる！」と抜刀する孫権、劉基（劉繇の息子である）に諌められると
「曹操も孔融を殺したのだ！ わしが虞翻を殺して何の問題があるのか？」
とほざいた。お前は何を言っているんだ。
案の定、劉基に正論を言い返されて反省。「自分が酒を飲んでから出した命令は無効」という指示を出した。
巨大戦艦で大ハッスル
巨大戦艦が完成して進水式を行った時のこと。
いざ船出したはいいものの天気は大荒れ、側近たちは早々に切り上げるように進言したのだが……大はしゃぎしている孫権は予定通りに進むと言って聞かない。
これはヤバイと思った谷利が全力全開で命令を無視し、舵取りを刀で脅しつけて進路を変えさせた。
結局側近たちの考えたとおりその後も益々天候は悪化し、明らかに予定通りの進路は取れない状態となったのだが、孫権は「谷利ちゃん、お前さんはずいぶん水を怖がって臆病だったなぁ」と嫌味を言う。
案の定、谷利に正論を言い返されて反省した。
酒池肉林
とある宴会のこと……また酒の話である。
酒乱で有名な孫権はとっくに酔い潰れている部下に容赦なく水をかぶせ、酒を更に飲ませていた。あんまりな光景に気分を害し、無言で立ち去る張昭。
孫権はわざわざ後を追って「みんなで楽しもうとしてるだけだろ、なんで怒るんだ？」などと言う。
案の定、張昭に「殷の紂王もそうでしたな」と皮肉を返されて恥じ入り、宴会を中止した。
孫呉でおなじみの火計（但し味方に）
公孫淵が呉への帰順を願い出たときのこと。孫権は使者を送ろうとしたが、張昭は公孫淵のアレな性格を理解していたのか相手にしないよう進言する。
キレた孫権は刀に手をかけたがそれでも張昭は諦めない。孫権は反省したように泣いたが、普通に使者を送った。
今度は張昭がキレる。病と称して家に引きこもる張昭の屋敷の門を孫権は土で塞いだが、張昭も内側から土で塞ぐ。
案の定、使者は公孫淵に殺されて首を魏に送られた。奴をこの手で討伐してやるなどと無茶を言って諌められる孫権。
自分の誤りが明らかになったので、張昭に何度も詫びを入れるのだがスルーされる。
とうとう門前から声を掛けに行ったが、重病を利用にスルーされる。
逆切れした孫権は張昭宅に火計を仕掛ける。しかし火に驚くどころかますます引き込もる張昭。
さすがにこれはやべぇと思った孫権は自分で自分の放った火を消すのであった。
……孫権だけじゃなくて張昭もやりすぎだろこれ、と言われれば確かにそんな話。ちなみにこの時孫権51歳、張昭77歳。いい年して何やってんだか。
孫権にはよくあること
このように、アレな行動をする→反省するのコンボは孫権にとって基本パターンである。
笑い話で済むものを掲載したが、二宮の変などは後から反省していても笑い話では済まない。
三国志演義においてはこれらの負の面が目立たなくなっているところを見ると、結構羅貫中には優遇されているのかもしれない。
ニコニコ動画における孫権
日本語読みが同じ「ソンケン」であるため、口頭での会話では誤解を回避すべく名前の前に「父」か「息子」を修飾したり、文字上でも父である孫堅が「堅パパ」、息子の孫権は「権坊」と書かれる事が多い。または息子の方は字の変換違いで「厨房」とコメントされる事も。多分原因はこれらの逸話。さらに蜀の方にも同じ日本語読みの「孫乾」もいるのだが、幸か不幸か少なくとも日本では影が薄いので混同されるケースは見当たらない。
晩年の孫権を用いるニコニコ歴史戦略ゲーの創作はほとんど見当たらない。
ゲームにおける孫権
コーエー「三國志」シリーズでは全体的に高めの能力。ただ、シリーズが進むたびに軍事能力が落ちていった。「三國志11」では通常の顔グラと老け顔グラ2種類用意されている。
同じくコーエー「真・三國無双」シリーズでは1作目から登場。CV菅沼久義。
君主キャラであるが、父の孫堅や兄の孫策が存在感を食いがちで地味な印象を持たれる事が多かった。
しかし6作目にて妻の一人である練師が登場し、呉のストーリーは最終的に孫権の成長物語となっている。以降も孫権は昔と比べて優遇されていると言える扱いを受けている。
セガ「三国志大戦」では『若き王の手腕』を計略に持ったカードが有名。コストが軽いのでこれをキーとした多種多様なデッキが生まれている。
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