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概要
字は伯符。父は孫堅。弟に孫権、孫翊、孫匡、孫朗。妹に孫尚香こと孫夫人がいる。三国志演義では「小覇王」と称される。
臥薪嘗胆
192年、伯符17歳の時に父である孫堅が劉表の放った刺客、黄祖により殺害される。
その際に孫家の主人にあたる袁術により孫堅の部隊は解体され、多くが袁術直轄の軍に組み込まれてしまう。
以後194年まで袁術の下で孫家復興を願いながら、臥薪嘗胆の日々を送る事となる。
徐々に才覚を発揮し始めた彼を、袁術は「自分にも孫策のような息子がいたら」と高く評価していた。
しかしケチだからか危険視していたからかは不明だが高く評価した「だけ」で、伯符は戦の褒美に太守の座を持ち出されるも反故にされる事が多かった。
そこでめげずに伯符は数々の有能の士を自分の配下に加えていった。
後に二張と称される張昭、張紘はこの頃からの付き合いである。
不撓不屈
194年、主家である袁術に対して旧孫堅軍勢の引渡しを要求する。1000人強の兵が孫家に戻った。
江東の人々はその兵を引き連れる孫策を見て「江東に孫家の旗が戻ってきた」と歓喜した（とは限らないが、とりあえず孫策は立ち上がるための資本を得た）。
翌年の195年にはその軍勢で揚州の劉繇を撃退。曲阿（秣陵・建業付近）から追い出すことに成功する。
以後、伯符は曲阿を拠点としてその勢力を拡大させていく事となる。
意気衝天
その後は劉繇という後ろ盾を失った太史慈と幾度となく刃を交る。
太史慈という人物は、
大丈夫という者がこの世に生まれたからには、七尺の剣を帯びて天子の階を登るべきを、その志が実現できぬうちに死ぬ事になろうとは
と死ぬ間際に言い残したほどの自信と野心溢れる人材であったが、伯符は一騎打ちを通じて太史慈の才能を見抜き太史慈を信じ、傘下に加える事に成功する。後に太史慈は弟の孫権陣営の最初期を支える武将となる。
197年。伯符の勢力拡大を恐れた袁術は甥の袁胤をあてるも伯符は袁胤を叩き返す。これを契機に袁術勢力からの独立。江東支配を宣言することとなる。
その頃、親友でもあった周瑜は魯粛をひきつれて合流を果たすなど、孫策陣営の基盤はこの頃に完成したと言ってよい。
断金の交わり
後に孫家陣営のブレインとなる周瑜とは幼少の頃からの知り合いで、『断金（金を断つ程の強さのある）の交わり』と称された仲である。
その断金が得てして大きなお姉さま方に弄られる事もあったりする。仕方ないね。
獅子奮迅
もはや江東に敵なし。
勢いの止まらぬ伯符は王朗、厳兄弟（厳白虎と厳輿）、許貢、劉勲と根こそぎ叩き落し、遂には父の敵である黄祖の勢力を衰退させるにまで至る。会見の場で短戟を投擲して敵将を一撃死させる、という小覇王というより世紀末覇王的な行動を見せたのもこの頃である。
また人材発掘に余念がなく、呂蒙や虞翻といった連中もこぞって孫策の器に入っていく。伯符の勢力を拡大する様は中原南部を治めていた曹操も頭を抱えることとなる（袁紹と対立していた真っ最中である）。
夢幻泡影
しかし時代は彼を選ばなかった。
200年。
伯符は曹操の本拠地である許昌攻略をめざし北上するも途中の長江付近で許貢の残党に襲われ、
その際に負った傷が原因で命を落としてしまう。享年26歳。
彼は元々、焦りがちな性分だったらしく、性急に勢力を拡大してきたツケが残党という形で現れてしまった。
天下の均衡争いに与するようなことは、君（孫権）は私のようにはできるまい。しかし、才能ある者を用い、江東を保っていくことについては、私は君には及ばない
と、孫権に告げたと言われている。
彼本人の野望は泡と消えてしまったが、成したものは浮世に残り、以後80年もの間それは守られ続けた。
電子遊戯
KOEIの三國志シリーズでは常に軍事絡みの戦闘力が高い武将として描かれている。内政絡みでは孫権に劣るものの、それでも総合的な能力は圧倒的に勝る。
三国無双では……だいたい「トンファー」と「ズェー」で説明できる。5では槍になったけど。
関連項目
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