宇部興産専用道路(うべこうさんせんようどうろ)とは、日本一長い私道である。
概要
山口県に存在するその道路は、大手化学メーカーとして知られる宇部興産株式会社が宇部市にあるセメント工場と美祢市にある鉱山の間で、クリンカーや石炭などの輸送をするため240億円もの資金をつぎ込み建設したもので、1972年より供用が始まった。
もともと同社はこれらの輸送に国鉄美祢線・宇部線の貨物列車を使っていたのだが(県庁所在地を通る山口線を差し置いて、両線が幹線に指定されたのはこのため)、昭和後期の国鉄があまりにストライキや値上げをしすぎたため、頭を抱えた宇部興産が「もういい!自分でやる!」といって専用道路の建設を始めたという経緯がある。
その長さはなんと30km近くもあり、途中には橋やトンネルなどの建造物もあるのだが、仮にも私道である以上、道路交通法などの法律は一切適用されない。そのため、ここを通行するトレーラーはナンバープレートを取得していない、40tトレーラーを2両連結している(ダブルストレーラー)といった普通の道路では見られない特徴がある(ただし、だからといって全くの無法地帯というわけではなく、制限速度70km/h、特別な講習をパスしないと運転できないといった社内ルールによる制約がある)。
もちろん普段は関係者以外立ち入り禁止なのだが、たまに宇部市・山陽小野田市などの産業施設群と合わせて、ここを観光バスで通り抜けるツアーが組まれることがある。
どうしてもここを見学してみたい方はぜひ申し込んでみてはいかがだろうか。
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