小田急7000形とは、かつて運行されていた小田急電鉄の特急形車両である。愛称はLSE(Luxury Super Express)。
概要
1980年に導入された3代目ロマンスカー車両で、1983年までに4編成が製造された。2代目ロマンスカー小田急3100形(以下NSE車)に続き前面展望席を採用し、「小田急ロマンスカーと言えば前面展望席」というイメージ定着に貢献した。第24回ブルーリボン賞を受賞している。
ちなみに後から製造された小田急10000形(以下HiSE車)や小田急20000形(以下RSE車)が引退した後も現役で活躍したが、これはLSE車がバリアフリーに対応できたためである(HiSE車やRSE車はバリアフリー対応が困難)。
歴史
小田急では1957年に小田急3000形(以下SE車)を、1963年にロマンスカーの目玉となる前面展望席を設けたNSE車を導入したが、SE車は10年もてばいいように設計されたために、1970年代になると老朽化によるSE車の置き換えが検討されることになった。当初はSE車をNSE車で置き換えて、NSE車の分を新車両で置き換えることなどが検討されたが、NSE車が検査に入ると輸送力不足のSE車が代用で箱根特急を走らさざるを得ない状況になっており、最終的には新車両の本数をNSE車を上回る分製造して、NSE車を置き換え、そのNSE車でSE車を置き換えることになった。こうして1980年に発注されたのがLSE車である。
こうしてNSE車の後継として製造されたLSE車であるが、先頭部はNSE車とくらべてシャープなデザインを強調するため、前面窓を60度から48度としたほか、灯火類や愛称表示器などは車体に埋め込み、運転席は「屋根の上に載せた」感をなくすようなデザインとした。
また、愛称表示器は従来はアクリル板を交換していたのを自動幕式(水平方向に巻き取る)に変更。扉は手動式の開き戸から、自動開閉式の折戸となった。
室内は明るさを強調し、小田急2300形以来のリクライニングシートを採用。また、スイッチ操作で座席を一斉転換できるようにした。
ちなみにLSE車は連接車として製造されたこともあり、国鉄が新型車両開発のための試験として、ボギー車との比較のために国鉄東海道本線で試験走行が行われたことがある。国鉄は試験走行の結果、連接車の導入は見送られ、JRグループになった今日でも連接車が本格的に導入されたことはない(試験車両と量産先行車しか存在しないE331系のみである)。
1983年に7004編成が投入されたことで、LSEの増備は完了。輸送力不足のSE車が箱根特急を走ることはなくなった。
1995年~1997年にはリニューアル工事が行われ、塗装変更やバリアフリー対応などが行われた。
その後、2010年に部品の不具合が見つかったことから運用離脱したものの、同時期に廃車となった7002編成を除いて4月に運用復帰。ただし7001編成も2012年2月に運用終了となった。
なお、7003編成は2007年7月より、7004編成は2012年2月より旧塗装仕様で運用に就いている。
前述の通りバリアフリー対応工事を行ったことでHiSE車やRSE車より長く活躍したが、2018年10月13日に引退。
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関連コミュニティ
関連項目
- ロマンスカー
- 小田急電鉄 / 箱根登山鉄道
- 小田急小田原線
- 小田急江ノ島線
- 小田急多摩線
- 箱根登山線
- 小田急30000形(EXE)
- 小田急50000形(VSE)
- 小田急60000形(MSE)
- 鉄道車両一覧
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