少年ナイフとは、大阪出身のロックバンド。「世界一有名な日本のバンド」とも言われる。
概要
もともと大阪のOLたちによるローカルバンドであったが、90年代にアメリカでオルタナティブロック、グランジムーブメントが巻き起こると海外のアーティストたちの熱烈な支持を集め、逆輸入の形で日本でも人気を博す。
ポップでパンクでキュートでバブルガムでサイケデリックで時にシュールな世界観、ヘタウマな演奏、あまりにもマイペースでまったりしたキャラクター性が持ち味。
権利関係がどうなっているのか不明だが、よくTV番組において楽曲が(歌抜きで)使われている。
第1期少年ナイフ
1981年、タイガー魔法瓶のOLであった直子さんが同僚の美智枝さんを誘って結成。
バズコックスやラモーンズ、キンクス、ビートルズといった洋楽の影響をストレートに受けつつ、中高生レベルの演奏技術、会社への愚痴とアメコミ的キーワード、奇天烈な言葉遊びを散りばめた庶民的かつセンスオブワンダーな歌詞、キャッチーなメロディとパンク&ローファイなサウンドで、テープやCDを制作しながらマイペースに活動を展開する。
後にドラマーとして直子さんの妹である敦子さんが加入。デザインが趣味の敦子さんはジャケットワークや衣装デザイン、ステージの垂れ幕デザインなども手掛けるようになる。
音楽的には初期パンクの影響が大きく、楽曲はたいてい3分前後で終了するのが特徴。基本的にブリティッシュパンク風のサウンドだが、モータウンなど60年代アメリカンポップスから90年代ヘヴィメタルに至るまで、好きな音楽はなんでもすぐ取り入れる雑食性を持つ。もともと日本語詞だけでなく中学生レベルの英詞を付けた楽曲も多かったことが、後の海外人気の伏線にもなっている。
地道に大阪でライブ活動を展開していた少年ナイフだが、日本のインディーバンドを発掘しに来ていたK Recordsのオーナーの目に留まり、縁あってアメリカでレコードを発売。レッドクロス、ホワイトフラッグといったパワーポップ系のバンドと親交を深め、「オリエンタルなガールズバンド」としてじわじわとアメリカ国内での人気を高めていく(本人たちはガールという風貌でも年齢でもないのだが、アメリカ人から見ると日本人女性は全員少女のように見えるらしい)。89年にはソニック・ユースら海外アーティストによる少年ナイフトリビュートアルバムも発売された。
初期のレパートリーは「アントニオ・バカ貝」「カッパエキス」「ミラクルズ」「スペースクリスマス」「パラレル・ウ・マン」「エルマー・エレベーター」「亀の子束子のテーマ」「がんばれバイソン」「サイクリングは楽し」など。
90年代にグランジブームが到来するころになると、「アメリカで人気の日本のガールズバンド」という形で少年ナイフの評判は日本国内に逆輸入され、特にニルヴァーナのカート・コバーンがフェイバリットバンドとして少年ナイフを熱烈にプッシュした影響でブレイクに至った。
92年にはメジャーデビューアルバム「Let's Knife」を発表、「ロケットに乗って」「ツイスト・バービー」「フライング・ジェリー・アタック」「アイ・アム・ア・キャット」などの代表曲を詰め込んだこのアルバムは日米で中ヒットを記録。なお、少年ナイフのいつものパターンだが、国内盤では日本語詞、海外盤では英詞で発売している。
ニルヴァーナとの全英ツアーを経て、93年にはTeenage Fanclubなどクリエイション・レコーズ周辺での仕事で知られる大物ドン・フレミングプロデュースによる「Rock Animals」をリリース。「トマトヘッド」「ミュージック・スクエア」「ブラウン・マッシュルーム」など新境地を感じさせる楽曲を引っさげ、時代にマッチした完成度の高いまさに“ロック”なアルバムは全世界で高評価を得る。メディアにも多く取り上げられ、有名ロックフェスの常連となり、バンドは全盛期を迎えた。
勢いに乗ってシングル「ワンダーワイン」「ワインド・ユア・スプリング」、アルバム「Brand New Knife」をリリース、ブームが落ち着いた後も一定の固定ファンを得て順調に活動を続ける。小山田圭吾や石野卓球らによるリミックスアルバムも発売された。
第2期少年ナイフ
98年にベースの美智枝さんがバンドを脱退。敦子さんがベースに転向し、山野姉妹の2人体制となる。
06年にドラマーとしてえつこさんが加入。甲本ヒロト&真島昌利やBEAT CRUSADERSといった盟友たちによるトリビュートアルバムも発売。
第3期少年ナイフ
主婦となってロサンゼルスに引っ越した敦子さんが脱退後、サポートメンバーとしてベースを弾いていた電気キャンディのRitsukoさんが正式加入。
09年現在、少年ナイフは相も変わらずまったり気ままに自然体にマイペースな活動を展開している。
国際社会で活躍する日本人として
少年ナイフといえばYMOと並んで海外知名度の高いバンドで、特にアメリカにおいて、Puffyがブレイクする以前から「SHONEN KNIFE」はオリエンタルな日本人女性の象徴的存在だった。似たようなポジションにチボ・マットやバッファロー・ドーターもいるが、存在感やスタンスの特異性といった点で、少年ナイフに比肩するアーティストは存在しないと言っても過言ではない。
2008年には総務省主催のシンポジウム「ネット・キッズ・ポップ」に、海外で成功した日本人の代表として直子さんが招かれた。
ITmediaニュース「“ごちゃまぜ”だから面白い――日本のアニメが海外で売れる理由」
関連動画
ニコニコ動画には代表曲など一切アップされていない。どういうことなの・・・。興味を持った人はyoutubeへ(こちらもそれなりに消されてるけど)
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
- ミュージシャン一覧
- 7月12日(本人たちが制定した「ナイフの日」)
- 少年ナイフ公式サイト(外部リンク)
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