本稿では政治経済上の目的を達成するための「工作」について記述する。 工作(ランキング)など他の用例については曖昧さ回避記事「工作」を参照。 |
本稿「工作(政治経済)」で記述する工作とは、公的機関や営利企業などの組織主体が、特定の政治的・軍事的な目標または経済上の利益を達成するために行う、しばしば非公式・非公然・秘密的な性格を持つ活動をいう。
概要
政治経済の領域における工作と言う語の用法は、辞書的には以下のように定義される。
[3] ある目的の達成のため、あらかじめ関係者に働きかけを行うこと。
大辞林
ただしこのような辞書における定義は概念として相当の幅がある(そして若干漠然とした)ものであり、実際に何をして工作と呼ぶかという基準は記述者の裁量に委ねられることになりがちである。
ただし全般的な傾向としては、非公然・非公式のものであって、本来の意図を秘匿して秘密裏に行われる、あまり正々堂々とは言いがたい活動と言うニュアンスを与えられることが多い。
政治における「工作」
議会において特定の政策・勢力への支持を取り付けるいわゆる「多数派工作」やロビー活動、「根回し」の類など、政治において「工作」と呼ばれうる活動は幅広い。
対外関係の分野ではソフトなものでは友好ムードを醸成するためのメディアを通した宣伝活動から、非合法な情報収集等のスパイ活動や北朝鮮が行ったような拉致行為、あるいは反乱の扇動や傀儡政権の樹立、非公然の軍事介入にいたるような様々な活動が「工作」の例として挙げられるだろう。
軍事における「工作」
軍事分野、特にマクロな視点における「工作活動」は政治の領域と重なる部分も多い。「華北分離工作」や「トラウトマン(和平)工作」などは歴史的に著名な「工作」の例として知られている。
より純粋な軍事的視点からでは、情報収集、破壊活動(サボタージュ)、活動地域での宣撫工作や民心獲得工作(ハーツアンドマインズ)等を含む心理戦等の活動を指して「工作」と呼ぶことが多い。こうした工作活動は、特殊作戦・不正規戦の領域や諜報機関など非軍事機関による準軍事活動の領域にしばしば重なる。
近年注目されている、「戦争広告代理店」に代表されるようなメディアを通した宣伝活動によって戦争遂行を円滑にする努力(認知戦)も一種の工作活動といえよう。
経済活動における工作
旧来で、営利企業が行う活動を「工作」と呼ぶケースは政治的、軍事的ものに比べれば少なかったと言える(私企業が諜報機関等の工作の対象になることや、その隠れ蓑にされるようなケースは勿論あった)。
営利企業が行う「働きかけ」については、「根回し」あるいは倫理的・法的に問題がある場合には単に「癒着」と呼ばれるのが普通であった[出典無]。(→レントシーキング)
営利企業がいわゆる「工作」活動の主体とみなされるようになったのは、「工作員」という概念がネットコミュニティに膾炙するようになって以来のことである。この背景には、匿名掲示板やブログ、UCCサイトなどネットにおける情報発信手段の普及(フラット化・情報非対称性の解消)に伴って、旧来のマスメディアと広告主たる企業の情報発信の独占が崩れ企業側が影響力を増したネットコミュニティへの対応を強いられるようになったことがある。
ネット上における業務? としての工作
具体的な企業名を示して、業務としての工作行為が行われている可能性が指摘されたことがあるが、多分に憶測や状況証拠を含んだものであり、大規模な工作が業務として行われているのかどうか現時点では不明な点が多い。
- SONY
- 自社IPアドレスから自社擁護発言している所をfusianasanで発見される。その書き込みが業務としてのものであるのかは不明。→GKを参照
- ピットクルー株式会社
- Webの有人看視を業務とする企業。ニコニコ動画の削除業務を請け負っていることで知られる。「炎上を鎮火させるための書き込み」を業務の一環としているのではないかという推測がある。
- 有限会社Colors
- 初音ミクのTBS騒動を鎮静化させる方向の書き込みが機械的なペースで行われていた件に関与していたという噂があったが、本当にこの会社だったのかさえ、真相は闇の中である。 →亞北ネル・防火ロイドを参照
ニコニコにおける工作
政治ジャンル、特にマスメディア、特定アジア、創価学会などが関連する場合にはしばしば「工作」認定(レッテル張り)が飛び交うことになる。この場合注意すべきは、「工作」と言う語に
- 特定の政治的意図を持った動画の注目度を上げるためのマイリスト工作・ランキング工作
- 動画投稿を通して何らかの政治的意図を達成しようとする、あるいはそれに対抗しようとする側の「工作」
- 動画において批判の対象となっている主体による「工作」行為(への批判)
と言う異なる、絡み合った意味があることである。
こうしたケースにおける「工作」認定は単に憶測に基づく主観的なものなりがちで、議論をする上は不毛なものでしかないことが多い。健全な議論を試みる場合は事実に基づいて、相手の意図に対する憶測のようなあやふやなものはなるべく避けるようにしたほうが賢明だろう。ネット・既存メディアを問わず広い視野から情報を集めることも重要である。
その際に目に余る自作自演やマルチポスト行為を目にしたら、そっと通報して後はスルーしておくのが吉である。
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関連コミュニティ
関連項目
- 工作
- 工作員
- 政治
- マスコミ / マスゴミ
- レントシーキング
- メディア・リテラシー
- 特定アジア(中国/韓国/北朝鮮)
- 同調圧力 / 集団思考
- 情報弱者
- 情報操作(印象操作)
- 数の暴力
- 人権屋 / 圧力団体 / 反社会的勢力
- 創価学会
- 誰か来たようだ
- 一体みんな誰と戦っているんだ
- 勝手に脳内変換シリーズ
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