帝国とは、皇帝の支配による君主制国家のことである。英語のエンパイア(Empire)に相当する。 大抵悪い。
概要
帝国というからには、皇帝が統治している。よって帝国本義の定義は、「皇帝」の定義に左右されている。例えば日本は、天皇を「皇帝」とし、その統治下に置かれているとみなす場合まさしく「帝国」であり、近代には自らそう称していた時期もあった。しかしながら、天皇の位置づけが変わった現在ではもはや帝国と呼ばれることはない。
なお、皇帝といえば中国歴代王朝が有名だが、あまり帝国とは呼称しない。これはこの言葉が、近代に入って「Empire」「Imperial」の訳語として当てはめられたもので、それ以前にはさほど使用されていなかったためである。よって漢語圏では、中国王朝も帝国と称することは少ないのだが、欧米圏では遠慮無くEmpireと呼んでくることに注意しよう。
皇帝の有無に関わらず、「広大な領域と多民族を支配する国家」は帝国と称されることもある。例えばアッシリア帝国、アレクサンドロス帝国、大英帝国などである。この意味では、古代ローマも帝政開始以前からすでに「帝国」であると言える。これらは学術的な文脈でも使われるが、比喩的な用法のうちである。軍事力による植民地支配を旨とする「帝国主義」も、この用法であると言える。また拡大して、強大でしばしば独裁的かつ悪辣とされる国家や財閥などに対して使われることがある(アメリカ帝国、ロックフェラー帝国など)。
しかしながら歴史的に見れば、帝国が広大で絶対君主的であったとは限らない。例えば第四回十字軍でビザンツ帝国(東ローマ帝国)が一時滅亡した後には、ギリシャ・小アジアの地に四つもの後継・亡命「帝国」が建立されることとなった。中世から近代ヨーロッパの神聖ローマ帝国も、時代にもよるが国家とも言いがたい地方連合体に過ぎない。そしてまた振り返ってみれば、君主国だろうが共和国だろうが人の支配の悪辣さが絶えることはなかったのである。
帝国というのはまた、「過去の遺物」というイメージがあるが、実は20世紀後半にもなって誕生した帝国もある。1976年12月に、大統領ジャン=ベデル・ボカサが国号改称を宣言した中央アフリカ帝国である。ボカサは翌年ナポレオンかぶれの戴冠式を行ってボカサ一世と名乗ったが、独裁政治と財政赤字で一気に凋落し、1979年9月のクーデターによって帝国は滅亡した。わずか三年間で帝国のイメージを具現したような国であるが、近隣のスーダン、チャド、ザイールよりも面積に劣るのが残念である。
創作上の帝国(日本のファンタジー作品限定)
上述のイメージのために、(日本の)創作作品で「帝国」というと大抵悪者であり、主人公やヒロインの故郷を頻繁に滅ぼす。しかも貴族皇族が社会の上層部を乗っ取っており、旧体制の墨守と庶民の弾圧に努力を惜しまない。政治は腐敗し利権者同士が無駄な争いを繰り広げ、軍は野心的で残虐な将軍が素行の悪い兵士を率いている。帝都の風俗は下劣なほどに華やかだが、狭いスラムに貧民が溢れ、今日の食う物も困っている。このような始末なため、一個の反乱がきっかけで一気に滅亡まで追いやられてしまうのである。
ただ、日本の創作上の国家は『帝国』という呼び名をしてないだけで、大抵は王様が支配する「帝国」のような気がしなくもない。
一方で毅然とした、堂々とした、規律の整った名実ともの大国である場合もあるようだ。この場合は啓蒙的で威厳のある皇帝の、階前万里のリーダーシップがきちんと発揮されており、天下万民が帝国と皇帝を慕っている。しかしながら陰謀渦巻く俗世界にあって、元老院議員や軍上層部、皇帝の兄弟等血縁者によるクーデターや、もしくは人の世の支配を目論む悪魔的存在によって国を乗っ取られる危機を常に孕んでいる。これは全く不可避の危機である。だって何か起きないと話にならないのだから。
様々な帝国
※記事がある帝国は太字
実在の帝国 |
架空の帝国
比喩的な帝国作品名などに使われる帝国 |
関連項目
http://dic.nicomoba.jp/k/a/%E5%B8%9D%E5%9B%BD


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読み:テイコク
初版作成日: 10/12/22 04:52 ◆ 最終更新日: 11/10/27 04:53
編集内容についての説明/コメント: 記事がある帝国を太字化
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