序曲1812年とは、ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーが1880年に作曲した序曲である。
概要というか大砲
チャイコフスキーの親友の音楽家ニコライ・ルビンシテインの依頼によって書き上げられた、とにかく壮大な曲である。この曲では1812年に起きた史実、フランス帝国のナポレオン軍がロシア帝国へ侵攻・敗北・退却したいわゆる「1812年祖国戦争」(トルストイの小説『戦争と平和』でもこの戦いが描かれている)を題材としている。その為曲中にはフランス国歌『ラ・マルセイエーズ』とロシア帝国国歌『神よツァーリを護り給え』がそれぞれ引用されている。尤も、『ラ・マルセイエーズ』はナポレオン皇帝下では歌唱は禁止、『神よツァーリを護り給え』は作曲が1833年であるためこの2曲の登場に関しては完全なる創作である。また、ソビエト連邦時代には『神よツァーリを護り給え』が、同じく同曲が引用されているチャイコフスキー『スラブ行進曲』共々別の曲に差し替えられた改竄版訂正版が使用されていた。
なかでも一番有名な特徴は演奏に「大砲」を使うことだ。しかし、実際はコンサートホールでそんなもの使えるわけもなく、バスドラムや効果音(SE)で代用することがほとんどである。日本で大砲の入ったこの曲を生で聴きたいなら自衛隊の演奏会ぐらいしかない。
また、これを1978年にテラークが会社初のデジタル録音をこの曲で行い、戦争博物館から当時の大砲と教会の鐘をつかった演奏を録音した。このレコードは大砲の音の入るところで針圧が低いと針が跳ぶことがあった。さらに「音量を大きくしすぎてスピーカーを壊さないように注意」という注意書きがあったらしい。
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左、自衛隊の大砲つき演奏(吹奏楽)
右、アカペラ。笑えるが上手い。
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