影の伝説とは昭和60年(1985年)にタイトーから発売されたアーケード用アクションゲームである。移植版ではファミコン板が有名(というか国内では他にMSX版とX1turbo版しかない)。また、平成18年(2006年)に発売された『Let's!TVプレイCLASSIC』には『影の伝説 改伝』というアレンジ作がある。
オリジナルであるアーケード版と移植版ではゲーム性にかなりの差異があるが、この記事では主にファミコン版について記述する。
概要
物語
江戸時代末期、魔界の国の軍団によって霧姫がさらわれた。城主は武芸者達に霧姫の救出を命じたが、誰一人戻って来る者はなかった。その時、伊賀の里の忍者"影"が霧姫を救うべく一人魔城に走った。
ゲームシステム
サイドビューのスクロール型アクションゲーム。主人公の影を操作して四つのステージをクリアし、霧姫を救出するのが目的である。四面をクリアすると一面に戻り、以降ループしていく。四面ごとに登場するボスキャラが代わり、物語的には雪の章の四面で登場する雪草妖四郎がラスボスとなる。ボスキャラのみステージ上で飛んでいる蝶を先に倒さないと攻撃が当たらない。
一周目は青葉の章、二週目は紅葉の章、三週目は雪の章とそれぞれ章立てられており、二週目の一面では背景が紅葉に、三週目の一面では雪景色になっている。ただしアーケード版には二週目の紅葉の章までしかない。
攻撃方法は手裏剣と刀の2種類があり、手裏剣は飛び道具として、刀は接近戦の他、敵の攻撃を弾くことが出来る。ジャンプ力の高さは主人公の最大の特徴と言って良いほどで、とにかくびっくりするほど高く飛ぶ。
敵の攻撃は一撃でも受けると一ミス扱いになる。今で言うオワタ式である。
登場人物
- 影・・・主人公の若き忍者。伊賀の里出身。グラフィックを見る限りでは若い(というよりくノ一に見える)のだが、パッケージイラストではケツ顎マッチョのごついオッサン顔というギャップで知られる。
- 霧姫・・・ヒロイン。さらわれ体質。城のてっぺんからダイブしても怪我一つ負わない健脚の持ち主。
- 忍・・・ザコ敵。青、赤、黒の三種類がいる。青は主に手裏剣で、赤は刀で攻撃してくる。黒のみは城壁のシーンに一体しか登場しない。倒すと巻物を落とす。
- 妖坊・・・中ボス。青と赤(妖珠坊)の二種類がいる。火炎を吐いて攻撃してくる。
- 双幻坊・・・青葉の章のボスとなる白い妖坊。火炎を吐いて攻撃してくる。2体出現する。アーケード版では登場しない。
- 霧雪之介・・・紅葉の章のボスで二刀流の使い手。アーケード版では青葉の章で登場。
- 雪草妖四郎・・・雪の章のボスで、本作のラスボス。アーケード版では紅葉の章で登場。
ステージ
森のシーン
最初のステージで、四つのステージのうち最も広い。敵の忍を一定数倒すと妖坊が出現する。二体の青い妖坊と最後に登場する赤い妖坊を倒すとステージクリア。
抜け穴のシーン
魔城への抜け穴。青い忍びを10体倒すとクリア。地面で闘わず水路で刀を振るっていれば簡単にやり過ごせる。
城壁のシーン
魔城城壁。ジャンプして上に登っていく。敵は倒さなくても良い。頂上まで登るとクリア。
魔城内のシーン
霧姫が囚われている。最上階に上がって霧姫を救出すると逃亡イベントが発生し、ボス戦になる。ボスを倒すとステージクリア。
アイテム
(※巻物以外は移植版にのみ登場)
- 水晶玉・・・取ると影がパワーアップし、手裏剣の攻撃力が上がる(敵の防御を無効化)。また、敵の攻撃を一度だけ無効に出来る。
- 巻物・・・取ると一定時間画面上の全ての敵を倒していくのだが、影も動けなくなるので正直あまり意味が・・・
- 点丸・・・森のシーンでのみ登場。取ると一万点。
- 術丸・・・森のシーンでのみ登場。効果は阿修羅の術(八方手裏剣)か分身の術(敵の攻撃を無効化)のどちらかが一定時間使える。
- 得丸・・・抜け穴のシーンでのみ登場。忍を刀で7体倒すと出現。取ると1UP。
音楽
本作の音楽はOGRこと小倉久佳が担当した。アーケード版はFM音源を駆使しており、85年当時としても驚異的な高クオリティであるが、今聴いても全く見劣りしない見事な楽曲となっている。ファミコン版しか知らない人がアーケード版の音楽を聞くと驚くことが多い(FC版もそこまで酷いわけではないが)。
関連動画
関連項目
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