「慈雨神フェトル」とは、テーブルトークRPG「ソード・ワールド2.0」に登場する大神(メジャー・ゴッド)であり、恵みの雨と制裁の雷を司る女神である。
格言
「恵みは望む者にもたらされる」
「天よりの恩寵(おんちょう)は恵みだけにあらず。怒りもあると受容せよ」
「怒りと憎悪は同一ならず」
概要
WTにて追加された、太陽神ティダンにより神格を賜った実りをもたらす雨と天の怒りを示す雷を司る女神。
慈母の優しさで広く人々に接し敬愛を集める側面と共に、ひとたび火がつけば不正を激しく糾弾して止まないという苛烈な正義感を持ち合わせる側面もある(奔放な妖精神アステリアの友人であったという説もあり)。
神々の戦争で力を使い切った古代神達が眠りにつく中、人々の平穏を見守り、導く為の大神として神となった神であり、神の力が薄れていく混乱の中、恵みの雨と実りの約束により人心の安寧をもたらし、罪への必罰とそれゆえの自らを律する事の大切さを説き、人族の社会の安定に尽力と貢献をしたと言われている。
信者の大多数は恵みの雨と天候の安定を願う農民だが、天候が生命に直結する漁師や船乗りの信者も多い。
また、変り種として、罪に対して罰で報いるべきという思想に共感した一部の賞金稼ぎや復讐者の信者も存在する。
神殿は農村部に多く、それらの神殿は子供の躾を行う役割を担っていることも多く、それらに仕事の合間に幼い子供を行儀見習いに預ける親も多数存在する。
余談だが、WTの神々の相関図・改訂版において、月神シーンに疑惑の目(浮気的な意味で)を向けられている。
特殊神聖魔法
恵みの雨というよりは、雷属性の強化、攻撃の魔法が目立つ。難点があったり、複数の特殊神聖魔法をかけ合わせるた場合に威力が上がるなど、使い方次第では強力だが癖も強い。フレーバー要素も多い。
どちらかというと、玄人向けのテクニカルな魔法が多めである。
Lv | 名称 | 概要 |
2 | クリエイト・ウォーター | 真水を作成する。ラクシアには水を作り出す方法は他にもいくつかあるが、この魔法は最も手軽な手段である。容器で受けることによって溜める事が可能(というか通常であればそれが目的だろう)。ぶつけても相手がびしょ濡れになる以外の効果は無い。 飲料水の確保などを重視している卓ならともかく、通常であれば(特殊な状況を除き)フレーバー要素以外の使い道は少ない。 |
4 | サンダー・ウェポン | 対象に5点の雷属性の魔法ダメージを与える代わりに、対象が攻撃に用いる物理ダメージを与える武器を雷属性の武器として扱い、C値を下げ(クリティカルしやすくなる)、発生させる物理ダメージを増加させる(あくまで有効なのは「物理ダメージ」であり、ガンなど「魔法ダメージ」の武器には無効)。 効果時間が10秒なので、有効に用いるには魔法拡大が必須だが、追加Dは○○・ウェポンの中では最大なので上手く使いこなしたい。 強化の魔法であるが、同時にダメージも与える為、強化の際には注意が必要。後述のレイニー・フィールド範囲内の味方に使うと、与えるダメージも結構馬鹿にならない。ダメージを与える魔法としても使えるが、固定値の敵も強化してしまう点には注意しなければならない。 ただし、まともな物理攻撃手段を持たない又は出来ない状態の相手には使う価値もあり、また、フィールド・レジストと魔動機術レジスト・ボムの二つで雷属性のダメージへ耐性をつけている場合は、敵には何の恩恵も無い事になる(ついでに味方強化時のダメージも無い)。 |
7 | レイニー・フィールド | 半径6mの空間に「範囲内のキャラクターの受ける炎属性の物理・魔法ダメージを軽減し、雷属性のそれらを増加する」フィールドを展開する。範囲の大きさや増減する数値は異なるが、アルケミストの【~フィールド】系の賦術の効果に近い魔法で、対象が空間そのものであるため必中。 敵味方の得意とする攻撃属性により攻撃用、防御用に使い分けられる為、使い手のプレイヤースキルによって有用性ががらりと変わる。 壁役に押さえてもらって敵のみを巻き込む形で使用し、範囲外でサンダー・ウェポンをかけたPCを突撃させる、ドラゴンなどのブレス攻撃を軽減するなど利用法はいくらでもある。 |
10 | コール・ライトニング | 雷属性の範囲攻撃魔法。天候が豪雨の際にはなかなかの高威力になる。 ただし「天空から雷を降らせる」という行使方法のため(ただし、その割には野外以外でも使用可能)、魔法制御を用いても金属鎧を装備したキャラクターを対象から外せないという欠点があり、癖が強い。とはいえレベル10の範囲魔法としては破格の威力なので、消費がやや重いことを除けば十分強力な攻撃手段である。 まあ、そもそもプリーストが魔法制御を取りにいくかというと…… |
13 | コントロール・ウェザー | 半径1kmの範囲の天候と気温を操作する。周囲の天候・気候に左右されずに快晴から豪雨まで天候を自在に操れる(砂漠に雨を降らせる事も可能)。しかし、気温を氷点下に落としたり真夏日以上にする事もできず、また、雪や雹や霰を降らせたり風向・風速を変化させたりも出来ない。基本的にフレーバー的用途が多い。 効果時間が6時間もあるため、基本的には戦闘が予測される場所に行く前に豪雨にしてコール・ライトニングの威力を上昇させたり、特定の天候や環境化で弱体化する敵と戦う際に使う事になる。野外以外では効果の薄い点は注意。 「どしゃ降りの雨」は遮蔽となるため(ルルブⅡ38p)、実は豪雨を起こせば鷹の目を持っていない敵の射撃攻撃・魔法攻撃を封じる用途にも使用可能。案外知覚:五感で鷹の目を持っていないマジックユーザーは多いので、野外戦においては意外と有用。ただしPC側も鷹の目を持っていない限り同様の行為が出来なくなる点には注意。 |
余談:『制裁の双子女神』
『制裁の双子女神』とは、慈雨神フェトルに関連深い、フェイダンのとある地方で信仰されていた姉妹の小神である。
フェトルによって神の座にすくいあげられた小神で、“雷の娘”と“嵐の乙女”の異名を持つ双子の女神であり、とある物語に深くかかわる存在である。フェトルの使いでもあり、彼女の裁きの側面に深くかかわっており、悪人に制裁を下す役割を持っていたという。
詳しい情報は物語の核心のネタバレに触れる為伏せさせてもらうが、フェトルと合祀される事も多かったこの女神達は、現在は名前も一般に知られる事もなくなり、また、とある事情(ユリスカロアのように単に信者がいなくなって信仰の力が足りないのでは無い)により神としての力を現在は完全に失っており、プリースト技能を習得することはできない。
しかしその真相に触れた者達は、彼女達の選択とその歩んだ道に驚いたかもしれない。
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関連項目
ラクシアの神々(参考資料:ウィザーズトゥームp.138「神々の相関図・改訂版」+カルディアグレイスp.83-84) | ||
神格 | 第一の剣勢力(人族サイド) | 第二の剣勢力(蛮族サイド) |
古代神 | 始祖神ライフォス 太陽神ティダン 炎武帝グレンダール 賢神キルヒア 妖精神アステリア 戦勝神ユリスカロア |
戦神ダルクレム 死の神ザールギアス |
大神 | 騎士神ザイア 月神シーン 酒幸神サカロス 慈雨神フェトル 秘隠神クス |
腐敗の女神ブラグザバス 不死神メティシエ 眠りの神カオルルウプテ 霧闇神フラクシス |
風来神ル=ロウド 狂神ラーリス | ||
小神 | 水の神ルーフェリア 融合神リルズ 纏いの神ニールダ 器械神レパラール 剣神ヒューレ 韋駄天ラトクレス 刃神マキシム 鉄槌神エセルフィン 竜帝神シムルグ 学護神エッケザッカ |
毒薬の神テメリオ 宥和神アーメス |
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