概要
「Magic Ruler -魔法の支配者-」(2000年4月20日発売)でOCGに登場。
すぐに発動できる便利なカードであるが、相手にライフ回復を与えるため、ダメージで勝利を狙うデッキでは勝利が遠のいてしまう。そのため、このカードを利用する場合は、多少の回復など無視できるほどのオーバーキル級の大ダメージを与えて勝利する1ターンキル(1ショットキル)デッキか、ライフが関係ない特殊勝利デッキが主となる。
あるいは、回復をダメージに変換する「シモッチによる副作用」を利用する場合は、「ソウルテイカー」共々採用されることになる。その他、相手とのライフポイント差を要求する「活路への希望」とも相性が良い。
発動条件も特殊召喚やバトルフェイズの制限もない便利なドローカードということもあって、【エクゾディア】デッキなどで利用されたためか、2002年5月1日の制限改訂で制限カードに指定されたが、環境の変化もあって、2005年3月1日に準制限カード、2007年3月1日に無制限カードとなった。
「マジカル・エクスプロージョン」を利用した1ターンキルデッキ(【マジエク帝】)で、カードをドローしつつ相手ライフを回復させて「ライフチェンジャー」の発動条件を満たすために利用されたこともあった。「ライフチェンジャー」の発動に成功すればどれだけ相手ライフが多くとも3000にしてしまえる。このデッキを抑制するために、日本では「ライフチェンジャー」を禁止カードにしたが、海外ではこのカードを制限カードにして対応した(2016年4月11日。ちなみに同様の使われ方をされていた「チキンレース」は禁止指定)。2024年1月、海外でも成金ゴブリンが無制限となった。
デュエルでも便利なカードではあるが、このカードはほかのさまざまなカードのイラストに登場していることで有名。
名前の通りの成金としての登場に始まり、「バブル・クラッシュ」、株価の「大暴落」で貧乏になり下がったことで、物乞いをしたり[1]、盗みを働く[2]が見つかって罰則金を科せられたり[3]、店主の不興を買ったのか「強欲な瓶」を投げつけられたり[4]、なんだかんだでまじめに働いていたり[5]、でも働き先でも盗み見をしていたり[6]と、一つのストーリーができあがっている。
他のカードのイラストに初めて描かれることになったのは「Mythological Age -蘇りし魂-」で登場した2枚だが、それが「バブル・クラッシュ」と「セカンド・チャンス」であり、スタッフの間でも没落は既定路線だったことがうかがえる。
成金時代は人から恨みを買うことも多かったのか、黒蠍盗掘団に襲撃され金品を盗まれたり[7]、刺されそうになったり(未遂に終わったのかは不明だが、その後も様々なイラストに登場していることを考えると致命傷ではなかった様子)[8]している。
上記の盗みの対象など、「強欲な壺」をはじめとする壺カードとも縁が深く、特にものすごい形相で「強欲な壺」と「強欲な瓶」を手にしている「強欲ゴブリン」のイラストは見物。
また、「闇霊術-「欲」」のイラストは、マスターガイド2によると「強欲な壺」で儀式を行わせているらしく、「パニック・シャッフル」のイラストではその影響か「強欲な壺の精霊」に吸い込まれそうになっている。
「パニック・シャッフル」のイラストには「闇霊使いダルク」も描かれており、ほかの霊術を考えても、「闇霊術-「欲」」で儀式を行っているのはダルクと考えられる。ダルクには他のいわゆる四霊使いには見られない枷のようなものを腕にはめられていた跡が残っており(「光霊使いライナ」にも同様のものが見られる)、「闇霊術-「欲」」を行わせているのが「成金ゴブリン」だとするならば、枷をはめて拘束していたのもまた彼ではないかということになる。各イラストからの推測でしかないため、確証はないのだが。
近年では、いわゆるノーマルレア(ノーマル仕様でありながら封入率が異様に低いとされるカードの通称)のイラストでの登場頻度も高い。「罰則金」(PTDN-JP080)、「盗み見ゴブリン」(GENF-JP062)、「キャッシュバック」(ABYR-JP078)、「見世物ゴブリン」(CBLZ-JP067)、「一点買い」(JOTL-JP069)、「おねだりゴブリン」(NECH-JP044)、「臨時収入」(CORE-JP079)、「検問」(TDIL-JP080)が該当する。
初登場時から今まで、数多くのカードイラストに描かれ続けてきた存在であり、「ゴブリン突撃部隊」、「戦士ダイ・グレファー」などと並んで、イラストレーターやデュエリストに愛され続けている1枚。
その他の作品において
アニメ5D'sではガロメが使用。ジャックのライフを回復させつつ、ライフポイントが相手より少ないときに特殊召喚できる「ヘル・トレーダー」につなげた。
このカードによる回復を「ジャックに貸した金」、「地獄徴収官トイチ」のダメージを「借金の取り立て」と表現していることから、相手のライフが増えることよりも、早くトイチやローントークンを揃えてしまい、回復を上回るダメージを与えることを優先していたのだろうが、ライフ回復があだとなりライフを削りきれなかった(使用しなかった場合「ヘル・トレーダー」が特殊召喚できず、ダメージ効率が落ちるため、一概にプレイングミスとは言えないが)。
OCG化しているカード以外に、アニメZEXALⅡに登場した「パニック・シャッフル」、漫画ZEXALに登場した「報復の隠し歯」、アニメARC-Vに登場した「バーバリアンの呪術」のイラストに描かれている。
関連項目
脚注
- *「セカンド・チャンス」(MA-35)、「おねだりゴブリン」(NECH-JP044)
- *「壺盗み」(303-037)、「盗人ゴブリン」(308-045)
- *「罰則金」(PTDN-JP080)
- *「キャッシュバック」(ABYR-JP078)
- *「闇の量産工場」(SOD-JP037)、「ゴブリンのやりくり上手」(FET-JP054)
- *「盗み見ゴブリン」(GENF-JP062)
- *「必殺!黒蠍コンビネーション」(305-045)
- *「報復の隠し歯」(漫画ZEXAL第42話)
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