さあ。
君の最後の戦いを始めよう。
概要
戒厳聖都とは2006年2月に発売されたニトロ初のアミューズメントディスク「サバト鍋 -Nitro Amusement Disc-」に収録されているRPG風ミニゲームである。
ニトロプラスのADV向けのスクリプトを改良し、3Dダンジョン風の探索要素と、剣客らしい読み合いに重きを置いた戦闘システムを実現させ、ミニゲームといえど新境地を開拓するニトロの姿勢を見事に表してみせた。
――が、そもそもの題材が、ニトロファンの間でも賛否両論を巻き起こした「刃鳴散らす」……のミニゲームの続編。というコアな客層向けであることに加え、ADV向けという事はRPG向けではないという事を見事に露呈したスクリプト。戦闘システムも延々と繰返すジャンケンゲーム。
おまけに難易度は、適正レベル未満での突入は自殺行為(本気で)な成長システム、適正レベルでも2~4回読みを外すとゲームオーバーになる戦闘、心気値(MP)は回復するが体力値(HP)は回復してくれない宿屋、敵を倒さないと手に入れられない回復アイテム、休憩による体力回復は敵との遭遇率UP、と奈良原仕様となっており、大半の人間は序盤の段階でやめてしまうゲームというのが実情。サービス精神が丸々裏目に出ているのもまた、ニトロ。
しかし、それらに屈せずプレイした者達を待つのは、刀剣描写に定評のある奈良原一鉄の珠玉の燃えストーリーであり、エンディングまで到達したプレイヤーからの評価は軒並み高い。
ストーリー
君は、数多の不死が跋扈する東京不死帝国にいた。
記憶を失い、剣技どころか己の素性さえ忘れていた君だったが、刀に映った自身の顔を見た時に、誰とも知れぬ宿敵と巡り会い、剣を交えるという、唯一つの宿望を思い出した。
時を同じくして、禁裏総督石馬戒厳より厳令が下る。
それは、君の討伐命令だった。
少女的な風貌に朱い小袖、何より、その戒厳令にも臆せず宿敵を求める姿勢はまさしく――。
人物紹介
- 武田赤音
- 君。石馬戒厳帰還による東京動乱の際に行方不明となっていたが、何があったのか、記憶を失っている状態で再びこの地に舞い戻り、ただ一つの望みである宿敵と戦うために、四大鎮守や石馬戒厳らと戦うことになる。
- 記憶を失っているせいか、かつての悪辣さは身を潜めており、愉快な面のある武人としての性格が強い。
- しかし、そんな彼の事情はお構い無しに周囲の風当たりはきつい。
- ※昔の話は「刃鳴散らす」を参照
- 石馬戒厳
- 東京動乱の後に、東京府へ核を撃ち込み東京不死帝国を創り上げた人物。そして、現在の実質的指導者。
- 大義が果たされぬ限り死ぬことの無い、不死身の不死。また、剣においても比類なく、並の腕では相手にすらならない。
- 本来、大義以外のことは考えない性質だが、なぜか武田赤音に対する執着心を見せている。
- 倉田畢竟
- 戒厳に仕える武人。身長2メートルを超える甲冑武者で、その斬撃はアスファルトをケーキのように切り裂き、装甲は大抵の刃物は通す事は無い。
- 彼の一撃を凌いだ君を好敵手と見定める。
- 死霊騎士
- デュラハンと読む。北方鎮守で、不死達の中でも不死身と称される耐久力を持つ。
- 君とは浅からぬ因縁があるようだが、君に思い出すことはできない。
- 渡四郎兵
- 東方鎮守。腕より頭の切れに自信があるらしい。
- 一輪
- 刀鍛冶の女性。君の正体について思い当たるものが有るようだが、それを告げる事は己の身に余るとして、君が行くべき場所を示して見守っている。
- なお、刀を打つ人間なので、蕎麦も打てる。
- 蕎麦屋の娘
- 喧嘩を売らなければ、誰にでも蕎麦をご馳走してくれる変わり者の不死。
- しかし、君は過去に喧嘩を売ったらしく、ご馳走してもらえない。
- 不死
- ブシと読む。石馬戒厳に大義を誓うことで黄泉返った報国の士。尋常ならざる耐久力を持ち、完全に分断されるまで動き続ける。
- 伊烏義阿
- 武田赤音の宿敵。
戦闘システム
戦闘はターン制バトルで、君は以下の戦術理論を基に敵と戦い、雌雄を決する。
攻撃行動
君は、あらゆる攻撃を以下の三種に分類・把握し、自身もそれに習う。
先の先 | 不意打ちや奇策で敵の不意をつく方法 |
---|---|
先 | 敵が攻撃を仕掛ける瞬間に一歩先んじて制する方法 |
後の先 | 敵の攻撃を誘い出して、それを防いだ上で仕留める方法 |
これらには優劣関係があり、先の先<先<後の先<先の先となっている。
※ ただし、この法則は実力がある程度拮抗した者同士が対象となっており、実力差が大きい場合は何をやっても通用しないという、不死帝国の法則が優先される。
剣技
想定された状況下においてのみ、強力な威力を誇るように規定された動きをなぞる行動。想定から外れた場合は、ただの攻撃行動と変わらない。中には、全ての攻撃行動を超克、もしくは対応し尽くす剣技もあったらしいが、真偽は不明である。
なお、剣技は全て心気値を消費する。
ステータス・道具
自身の状態確認、道具の使用による体力・心気値の回復が行える。道具を使用したターンは、攻撃できない。
撤退
戦略的見地による逃走。成功すれば無傷で戦闘を切り抜けられるが、失敗すれば一方的に攻撃される。
東京不死帝国で生き延びるための心得
- 一、常に鍛錬あるべし
- 敵も自分も死にやすいこのゲーム、限界まで鍛錬するのにも大して時間はかからない。もらえる経験値が一桁になるまで鍛えてから、次のステージに挑もう。
- 二、柳の下にいつも泥鰌はいる
- 回復アイテム入手場所の敵は、何回倒しても必ずアイテムを持っている。少しでも足りないと感じたら、鍛錬もかねて欲しいだけ入手しておこう。
- 三、記録を怠るべからず
- いくら死にやすくとも、戦闘中以外はいつでもセーブできる仕様。セーブ&トライでどうにでもなる。
- 四、得手を見切れ
- 不死には、基本的に得手とする攻撃行動がある。それらを把握すれば、少々腕が劣っていてもそこそこ勝てる。
- 五、無理な戦いは避けるべし
- 不死達は逃げる相手を追う事が少なく、追撃には手心を加える等、わりと情け深い。太刀打ちできない相手、得手が絞りにくい相手は撤退するのも有効。
- 特に、矛止会士は攻撃行動に偏りがない事に定評がある。
- 六、主武器には特に注意を払うべし
- 様々な不死達が跋扈する帝国では、技量で勝ろうとも歯が立たない事も有りうる。そういった場合は、歯が立つ武器を探そう。意外と近くに落ちているものだ。
- 七、賢人の言葉に耳を傾けるべし
- 難易度の高いゲームに対する救済措置か、公式ページには詳細な攻略情報が記載されている。また、経験者からは含蓄のある情報が聞ける。
- 正直、これが一番手っ取り早い。
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関連項目
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