扇レクイエムとはゼロレクイエムをもじって呼ばれている言葉である。
テレビアニメ「コードギアス 反逆のルルーシュ」「コードギアス 反逆のルルーシュR2」を指す、視聴者のヘイトを扇要に集めた結果この言葉が生まれた。 映画の3部作と復活のルルーシュはあくまでパラレルワールドであって、制作側の意図で長年集まっていた扇への憎しみを和らげる様に改善されている。
概要
無能と自覚している扇要が敵国であり軍人でもあるブリタニア人に惚れ没頭し、記憶を取り戻した彼女に再会した後、作戦中にも関わらずその彼女...ヴィレッタ・ヌゥを妊娠させ、更には敵国ナンバー2のシュナイゼルの言葉に誘導され、愛する彼女からゼロの正体やギアスの事、そして何より駒扱いしていたことを聞かされて鵜呑みにした扇は、今まで自分たちを導いてきてくれた存在『ルルーシュ(ゼロ)』をシュナイゼルに売る条件として「日本の返還」を申請し、裏切ることを決めた。
当然ロロに邪魔されて「日本の返還」は叶わず(扇がルルーシュを裏切らなければロロが死ぬことが無かった可能性もありヘイトは更に上昇)、黒の騎士団は頭を失い、代わりを務められる存在も、精神的支柱すらもいなくなってしまった。
と言いながらフジサンではルルーシュの身近にいながら戦略を見抜けない無能さ、富士山の噴火で乗っていた斑鳩まで撃沈させてしまい黒の騎士団は壊滅状態となった。
ゼロレクイエム後はルルーシュが自分の名誉や命を引き換えに築いた平和の世界でのうのうと幸せな人生を送り、後に日本の首相となった扇が自らが裏切ったルルーシュの妹であるナナリーと笑顔で握手を交わしていた事から、様々な理由によって扇は視聴者達からヘイトを稼いでいる。
評価
アニメの展開に関しては担当声優の真殿光昭から「フォローしきれない」と言われ、ヴィレッタ担当の渡辺明乃からも難色を示された挙句、他の女性声優陣からも「女を思い通りに出来ると思っている男の傲慢さを感じる」とコメントされている。
黒の騎士団女性陣からは「いい人だけどそれだけ...」と、ヴィレッタからは「案の定ヘタレ」だと男として情けない評価である。
小説版ではブリタニア皇帝となったルルーシュとの会談にて、いきなり彼を拘束(ギアスへの警戒もあった)して法外な(殖民エリアの開放だけでなく国土の分割の要求まで)条件を突きつけ、脅迫まがいな手段に出ており、ルルーシュに軍を進軍させる大義名分を与えてしまった。 最終的に独裁の道を選んだルルーシュが日本を戦場とした為、世間からの批判は買わずに済んだ様だが、「恐ろしく外交マナーから外れた行為」と酷評された。
暴力
黒の騎士団の幹部であるディートハルトは、扇とヴィレッタの関係を知って彼女を拘束し、扇が女にかまけて裏切らないよう、職務を果たすよう脅迫(不当という程ではない)していた。 ゼロ追放後、後ろ盾を失ったディートハルトを扇はヴィレッタと共にリンチした。
結果的に、後先考えずトップであるゼロを放逐して黒の騎士団のトップとなった扇は、自ら積極的にメンバーを引っ張るようなことをせず、黒の騎士団を事実上シュナイゼルの使い捨ての駒と化した。
そして、ディートハルトは黒の騎士団を見限り、シュナイゼル側についた。
まとめ
敵国No.2(シュナイゼル)の言葉に踊らされ、(結果的に見て)扇の独断で「超合集国最高評議会」の決議無しに自分達、「黒の騎士団」を導いてきてくれたCEOを「日本の返還」を条件(その約束が叶うか分からないのにも関わらず、叶えられても『再侵略』してくるかも、日本が復興する為の十全な予算が無い事も考えず)に売り渡す事に決めた。これはギアス、ゼロの正体(敵国の王子)に関わらず上の者(評議会では無くとも神楽耶や総司令の黎星刻等)に意見を仰ぐべき事案である。
どこの世界に敵国の言う事を真に受けて軍のトップを引き渡す馬鹿がいるだろうか?
「騎士団の裏切り」の原因はゼロ(ルルーシュ)にも非はある。しかし、組織という視点から見るに扇の非はそれを上回っており、自分が敵国の女性と恋仲(内通)している事を棚に上げ、ディートハルトがその内通を暴き、組織の為に抑制しているにも関わらず後ろ盾が無くなった途端逆切れして暴行を加え、ゼロ排斥に関しても自分にとって都合のいい綺麗事を並べ、不都合な事実は誤魔化し隠蔽するなど、ゼロがいなくなり自分が(事実上)トップになってもその責務を負わず、今まで通り状況に流されるままと。責任を他人に押し付け、決戦においては騎士団はシュナイゼルの駒と化し、近しい者ながらゼロの戦略を全く読めず罠に嵌り、斑鳩を沈められ、黒の騎士団を事実上壊滅状態にさせている。
扇の行動は、自分とヴィレッタの為の行動ばかりが目立つ為『彼の本質は守る事にある』
ゼロを売った苦悩や後悔、ゼロレクイエム後の首相になるまでの過程や心情等が劇中では殆ど省略され、行動から言動まで。あまりにも短期的に見える事や、ルルーシュと違ってあらゆる責任から逃げている事が、彼が袋叩きに遭う原因であると思われる。
そんな事があってか、劇場3部作『興道』『叛道』『皇道』及び『復活のルルーシュ』では扇に対して大幅に改変(フォロー)がなされている。
小さな被害者
- ナナリー・ヴィ・ブリタニア(首相となった扇と握手させられた)
- 悪魔の子(扇とヴィレッタの間に将来生まれる子)
関連項目
- 4
- 0pt