推力増強装置とは、ジェットエンジンの推力を一時的に増強するための装置で、オーグメンター(augmentor)やリヒート(reheat)とも呼ばれるが、一般的には「アフターバーナー」として知られている。
概要
ジェットエンジン(ターボジェット、ターボファン)の排気管中に燃料を噴射し、タービンから出てきた排気ガスを再度燃焼させて推力を増強する。
燃料消費が非常に大きくなるので、一般的なジェット機で使われることは無い。
戦闘機のジェットエンジンでは、空気と燃料をだいたい60:1の割合で燃焼させており(燃焼比を上げるとタービンブレードが融解する)、排気には酸素が相当残っているので、これを燃焼させて推力を増加させる。推力が5割増となり、音速を突破する際には必須となる現代の戦闘機では欠かせないものであるが、その反面燃料を余計に使う為使い続けると燃料がすぐに空になるのと、戦闘中に使うと放出される熱を追って誘導する赤外線ミサイルの格好の餌食になる事が多い。
近年では、推力増強装置無しで超音速巡航(スーパークルーズ)できるF-22等の機体も登場している。又、民間機ではコンコルドやTu-144等の超音速旅客機も推力増強装置付きジェットエンジンを搭載している。
アフターバーナー(A/B, afterburner)はゼネラル・エレクトリック(GE)の登録商標で、リヒート(reheat, reheat jetpipe)はロールス・ロイス製ジェットエンジンにおける推力増強装置の呼称である。
関連項目
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