散とは、以下のことを表す。
漢字として
- 意味
- 一つだったものを別々に分ける、ばらまく、離れる、乱れる、混在した、暇、閑職、ほしいまま、粉薬、という意味がある。
- また日本では撒の代わりに用いられる。
- 〔説文解字〕での本字は𢿱で〔説文・巻四〕に「雜肉なり」とある。㪔という似た意味の漢字があり、別の字だが古くから㪔の意味でも散が使われる。〔説文解字注〕では㪔を散の初文としている。
- 字形
- 諸説ある。〔説文解字〕は㪔を声符とする形声としている。ほかに散の左側+攴の会意とする説がある。散(𢿱)の左側は筋肉や腱を表し、叩いてこれを解すという意味。
- 音訓
- 音読みはサン(漢音、呉音)、訓読みは、ちる、ちらす、ばら、はなれる。
- 規格・区分
- 常用漢字であり、小学校4年で習う教育漢字である。JIS X 0213第一水準。1946年に当用漢字に採用され、1981年に常用漢字になった。
- 声符
- 散を声符とする漢字には、撒、繖、𩟴、䨷などがある。
- 参考
- 散の左上部が片仮名のサのもとになったという説がある。
- 語彙
- 散逸・散会・散開・散楽・散官・散居・散華・散見・散光・散財・散策・散散・散失・散村・散弾・散発・散髪・散文・散漫・散乱
異体字
- 𢿱は、〔説文〕の本字。
- 㪚は、〔漢語大辞典・異体字表〕やUnicodeにある異体字。
- 𢻦は、〔篇海類編〕にある異体字。
- 𧧷は、〔龍龕〕に𢻦と同じとある異体字。
- 𢿷は、〔五音篇海〕に散と同じとある異体字。
- 𢿺は、〔漢語大辞典・異体字表〕にある異体字。
- 𣀙は、〔漢語大辞典・異体字表〕にある異体字。
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