斎村政広単語

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斎村政広（さいむら・まさひろ　1562 ～ 1600）とは、戦国時代の播磨の武将である。

概要

赤松氏の一族で、結婚式襲撃で有名な赤松政秀の息子。羽柴秀吉に降り、以降その配下として活躍する。関ヶ原の戦いでは西軍から東軍に寝返るのだが、失態により切腹させられてしまう。濡れ衣疑惑もある。

「天空の城」としてその名を知られる竹田城の城主で、現在遺構として残る安土桃山時代の城址はこの斎村政広によって建造されたものである。でも城の方ばかりが有名になってしまって、当の本人の知名度はサッパリというかわいそうな人。

生涯

竹田城主

龍野赤松氏・赤松政秀の次男だが、兄が早死にしたため家督を継ぐ。初名は赤松広秀（あかまつ・ひろひで）。1577年に羽柴秀吉が播磨に攻めてくると、赤松宗家の赤松則房と同じく降伏の道を選んだ。以降は一貫して秀吉の下で行動する。中国大返しの際には殿をつとめた。秀吉の主だった戦にはすべて参加している。

1586年に播磨・龍野城から但馬・竹田城へ異動となった。竹田城は播磨と但馬の国境防衛の砦であると同時に、日本屈指の銀山のひとつ・生野銀山を領内に持つ重要地点である。竹田城を近世城郭として改修する一方、儒学者・藤原惺窩から漢学を学ぶなど教養の高さも見せている。かくして2万2千石を有するいっぱしの豊臣大名としての人生を送っていた斎村政広であったが、世は関ヶ原の戦いへと向かっていた。

関ヶ原にて

関ヶ原の戦いにおいては近隣諸大名と共に西軍について、細川幽斎の籠る田辺城攻めに参加していた。しかしその後の関ヶ原本戦には間に合わず、西軍の敗北を聞いて（これはまずい…）と思っているところに一つの知らせが届く。播磨で秀吉に降った頃からの同期である琉球大好き・世界の亀井茲矩からであった。

「今からでも遅くないぞ、東軍について手柄の一つでも挙げれば徳川様も許してくれるんじゃないか？」

と茲矩からの誘いを受けた（家康の命令とも言われる）政秀は遅まきながら東軍に寝返り、茲矩が指揮をとっていた鳥取城攻めに援軍として参加する事になった。この鳥取城主は東軍から西軍に寝返ったあの宮部長房である（既に捕えられていて城には不在）。そもそもこの鳥取城といえば、秀吉が兵糧攻めを用いて落とした事で有名な堅城と名高く、茲矩もかなり手こずっていたのであった。

政広が加わったものの苦戦が続いたため、指揮官の茲矩は焼き討ちの実施を決定。ヒャッハー！ 裏切り者は消毒だー！！とばかりに火攻めをするのだが、どうやらこれがやりすぎだったらしい。焼き討ちが功を奏して鳥取城を落とす事には成功したが、徳川家康が城下町の被害を問題視して、責任者の茲矩が詰問を受ける事態となってしまう。

「いえ、焼き討ちを提案したのは斎村政広くんです。僕は反対したんですが、彼が勝手にやりました」

……というやり取りがあったのかは不明だが、政広は茲矩に責任を押し付けられてしまったらしい。その結果、西軍から東軍に寝返って功績を挙げたにもかかわらず、切腹を命じられてしまう。東軍に寝返った武将の中で切腹となったのは彼一人。田辺城攻撃に参加した武将の中で切腹になったのも彼と小野木重勝だけである。

落ち度があったとはいえ精々改易か減封で済みそうなものだが、切腹させられたという事は、相当凄まじい火災被害が出てしまったようだ（やり方が酷かったのかも）。また、先に述べたように竹田城は生野銀山を管轄する地であったため、それを狙われたのではないかという見方もある。

その後の赤松氏

赤松宗家の赤松則英も西軍に与した末に自害しており、大名家としての赤松氏は滅亡してしまった。一応、庶流の石野氏満が生き残っており、その子孫が100年ほど後に交代寄合・赤松氏として家名を復興させている。

斎村政広の弟・赤松祐高は浪人となった後に大坂城に入城して、大坂夏の陣を経て切腹した。

補足

「信長の野望」（PC）シリーズにおける斎村政広（赤松広秀）の能力一覧。

そのあんまりな最期もあって知略が毎回低い。蒼～道ではギリヨン。一方、藤原惺窩に学んだ件などが評価されてか、教養や政治はそこそこといえる。

関連項目

• 豊臣秀吉
• 赤松政秀
• 亀井茲矩
• 戦国時代の人物の一覧

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