新潮文庫nexとは、新潮社が刊行する文庫レーベル新潮文庫のサブレーベルである。2014年8月28日創刊。
概要
新潮文庫100周年を記念して刊行された。新潮文庫と完全な別レーベルではなく、新潮文庫の内部レーベルらしい。そのため書店でも新潮文庫の棚に作家名ごとに紛れていたり、nexだけ分離して置かれていたり扱いが一定しない。また、新潮文庫の最大の特徴であるスピン(栞になる紐)がついていない。そのため、新潮文庫は小口の天(本を立てたときの上面)がデコボコしているのに対し、nexは綺麗に断裁されている。
コンセプトは「キャラクターと物語の融合を目指し面白い作品を刊行する」。
新潮社も、ライトノベルレーベル刊行かと騒がれたが、公式Twitterによれば新潮文庫nexはライトノベルではないらしい。→出典リンク/リンク2 ただし、表紙などにイラストは付く。
要するにメディアワークス文庫とターゲット層を同じくし、同時期に創刊された富士見L文庫や集英社オレンジ文庫などと同じ、いわゆる「ライト文芸」レーベルである。
竹宮ゆゆこ・雪乃紗衣といったライトノベル作家や、神永学・知念実希人・相沢沙呼など若年層に人気の高いライトミステリー作家など、コンセプトどおりにキャラクター・物語に重きを置いた作家が参加している。
創刊ラインナップは、河野裕『いなくなれ、群青』、神永学『革命のリベリオン 第Ⅰ部 いつわりの世界』、竹宮ゆゆこ『知らない映画のサントラを聴く』、雪乃紗衣『レアリア Ⅰ』、朝井リョウ他『この部屋で君と』(アンソロジー)、神西亜樹『坂東蛍子、日常に飽き飽き』の6作品。創刊から3ヶ月は6冊ずつ刊行され、それ以降は月に2~3冊のペースで刊行されている。
他のライト文芸レーベルと比較すると、単行本で出た作品の文庫化や、ライトノベルからの復刊、他社の一般文芸レーベルの作品の新装版など、再刊タイトルが多いのが特徴。そのため、書き下ろし中心のライト文芸レーベルとはやや雰囲気が異なる。
新人賞として「新潮nex大賞」がある。編集部がインターネット上に発表されている非商業作品を選び選考対象にしている。
ニコニコ大百科に記事のある作品
新潮文庫nexに参加しており、かつニコニコ大百科に記事がある作家
原則として単著を出した作家のみ。特記のない作家は書き下ろしまたは文庫オリジナルの新作での参加。
- 相沢沙呼
- 秋田禎信 ※デビュー作『ひとつ火の粉の雪の中』の改稿再刊など
- 伊坂幸太郎 ※阿部和重との合作『キャプテンサンダーボルト』の新装版
- 乾くるみ ※『物件探偵』の文庫化
- 江戸川乱歩 ※少年探偵団シリーズの再刊
- 小川一水 ※ソノラマ文庫・ソノラマノベルスで刊行されていた『こちら郵政省特配課』の再刊
- 梶尾真治
- 小林泰三
- 桜庭一樹 ※『青年のための読書クラブ』の再刊
- 島田荘司 ※『ロシア幽霊軍艦事件』の再刊、『進々堂世界一周 追憶のカシュガル』の文庫化など
- 竹宮ゆゆこ
- 谷川流 ※電撃文庫で刊行されていた『絶望系 閉じられた世界』の再刊
- 遠田潤子 ※デビュー作『月桃夜』の文庫化
- 早坂吝
- 古野まほろ
- 円居挽
- 宮部みゆき ※『小暮写眞館』の4分冊での再文庫化
- 詠坂雄二 ※『人ノ町』の文庫化
関連項目
外部リンク
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