新燃岳(しんもえだけ)とは、鹿児島県霧島市と宮崎県小林市の県境に所在する活火山である。
概要
標高は1421m。九州南部に位置する霧島連山の一つで、霧島連山最高峰の韓国岳(1700m)と天孫降臨神話で知られる高千穂峰(1574m)の中間に位置する。比較的新しい活火山で、霧間連山の中では御鉢とともに活発な活動で知られており、火山活動の状況や防災対応を示す噴火活動レベルが導入されている26の火山のうちの一つである。火口の底には火口湖である新燃池があり、エメラルドグリーンの美しい色で知られていた。
新燃岳はその性質上、砕屑丘(火砕丘・ホマーテ)に分類される。砕屑丘とは噴火活動により噴出した火山砕屑物だけからなる火山で、山の直径は小さいが火口は大きいのが特徴である。実際、新燃岳も火口の直径は約750mと大きい。
史料が残っている最も古い噴火は1716年の享保噴火で、活動は1年半にも及んだ。その後も1771年、1822年、1959年と噴火を繰り返してきた。小規模な噴火も含めると、1991年、2008年、2010年にも活動をしている。
2011年1月からの噴火活動
- 2011年1月26日7時31分に噴火をし、その後も噴火を繰り返している。噴火の規模が大きくなっており、活動を活発化させる可能性もあることから、同日18時ちょうどに気象庁の噴火警戒レベルがレベル3(入場規制)に引き上げられた。
- 2月2日の爆発的噴火では噴煙の高さは3000mにも及び、火口から1kmの地点まで大きな噴石が飛散した。今回の噴火により、九州南部で火山灰が降り、空振により窓ガラスが割れるなど、市民生活や農作物への影響が出ている。
- 3月13日17時45分・爆発的噴火が発生。噴煙が4000mにも達した。これは本格的に噴火を開始した1月26日以降で最大であった・・・のだが、2日前に起きた「東北地方太平洋沖地震」の影響が強かったためか、あまり報道されなかった。
- 4月3日8時41分頃、爆発的噴火が発生。噴煙の高さは3000mに達し、約1時間に及び噴火が続いた。噴煙の量はやや多量で、風向きが西よりであったため、風下側の宮崎市や都城市にかなり降灰した。
- 4月18日19時22分頃、再び噴火。噴煙の高さは2000mに達し、山頂付近では「火山雷」も観測された。宮崎県高原町によると、火口から約10kmの花堂地区周辺で1.5cm前後の火山れきが降り、住宅3戸の太陽光パネル計8枚と車のガラスが割れる被害が出た。
- 6月16日午後6時ごろ、小規模の噴火が発生。17日になって小林市でごく僅かな降灰が確認された。新燃岳の噴火は4月18日以来で、6月14日より火山性地震の多い状態が続いている。
- 6月29日午前10時27分頃、噴火が発生。噴煙は火口上1000mまで上がり北へ流れた。また、風に流されて直径4cm程度の小さな噴石(火山れき)が新燃岳火口から10kmを超えて飛散した。
火口には直径600mの溶岩が蓄積されており、爆発的噴火の際には火砕流の発生も懸念されている。
なお、小規模な噴火ならば半年前にも起こっているが、今回のような規模の噴火となると、1959年の昭和噴火までさかのぼり52年ぶりになる。
なお、小規模の噴火まで含めるとこれ以外に何度も起こっている。1月26日~4月18日までのものは特に規模が大きかった噴火である。
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