日本テレビ版ドラえもんとは、現在のドラえもんの歴史の中では無かった事にされている幻の存在である。
概要
現在、アニメ版のドラえもんはテレビ朝日が放映を始めた1979年を起点に語られることが多い。
だがそれに遡ること6年、1973年に日本テレビ系で既にアニメが放映されていた。かなりの黒歴史で公式で取り上げられることはまず無いが、日本テレビ公式HPの70年代社史にこっそり「「ドラえもん」がスタート。」と載っていたりする
しばしば「旧ドラ」とも呼ばれる。しかし、存在を知らない人にとっては、大山のぶ代陣のドラえもんと誤解を招くため「日テレ版ドラ」と呼ぶ方が適切であろう。
日本テレビ版は現在の一般的なドラえもん像とは、おおよそかけ離れたドタバタ系の作風であったが、これは原作初期の作風を反映したためで、むしろ現在のドラえもん像は後年のテレビ朝日版の放送で作り上げられたものであるといえる。
わずか半年しか放送されなかったため、ドラえもんマニアの自慢話の1つとされている。
カラオケ(DAMだったと思う)に、「ドラえもん(旧)」と言う題名の曲が入っていたなら、おそらく本作のオープニング曲である。
終了までの経緯
※以下は当時のドラえもん制作スタッフだった方の発言から判明した番組終了までの経緯
このアニメは「日本テレビ動画」(日本テレビとは無関係で資本関係も無い。旧称「東京テレビ動画」)が制作。
日曜19時に放送され、当初は裏番組であった「アップダウンクイズ」や「マジンガーZ」に押されて苦戦していたものの、テコ入れが行われたおかげで人気が徐々に上がっていった。このドラえもんのおかげで同社の経営も黒字になり、さらに1年放送期間が延長する話も出ていた。よって、かつて噂された「視聴率低迷による番組打ち切り説」は全くの誤り。
だが、日本テレビ動画の社長が突如辞任。その後を継いだ人物によって、今までの赤字を補填出来るまでになったのを機に会社を畳むことを決断。そのため、わずか半年で終了となった。
残されたスタッフは会社の清算に伴う残務処理に追われた。
その過程でグロス請け(アニメ業界における下請け)先に支払金を当てるために会社の備品を売り、社屋を引き払うために、本作の資料やセル画は廃棄処分されてしまった。
当時のスタッフが個人的に所有しているものやフィルム現像を担当したIMAGICAに奇跡的に残っていたシリーズ後半の16話分のネガフィルム以外はほぼ現存しないとみられている。
権利関係
現在ニコニコ動画など動画共有サイトにアップされているオープニングやエンディングの動画は、当時のスタッフだった人物が近年公開したサイトからの流出したものである。
現在このアニメの著作権の引継ぎ手が不明で、宙に浮いたような感じになり、YouTubeやニコニコ動画などに権利者削除がされないまま漂っている存在となっている(近年の作品では、アニメ会社が倒産し放映中止となったサイボーグクロちゃんが似た状態の模様)。
また、このドラえもんは原作者の藤子・F・不二雄や単行本を発行する小学館からあまり好かれていないということも、無かった事にされる理由の一つである。アニメ製作にあたって藤子Fや小学館が内容に関われなかったことが大きく響いているとされる。
(※ただし、藤子・F・不二雄が生前に直接証言したとされるメディアは存在しなく、いずれも関係者や第三者による証言による物である。)
過去に「特命リサーチ200X」でこのアニメを流す話も出たが、小学館や藤子プロ側の同意が得られずにポシャった模様。
放送局
地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 放送系列(当時) | 遅れ |
---|---|---|---|---|---|
関東広域圏 | 日本テレビ | 1973年4月1日~9月30日 | 毎週日曜日19:00~19:30 | 日本テレビ系列 | 制作局 |
北海道 | 札幌テレビ | 日本テレビ系列 | 同時ネット | ||
青森県 | 青森放送 | 日本テレビ系列 | |||
岩手県 | テレビ岩手 | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
|||
秋田県 | 秋田放送 | 日本テレビ系列 | |||
宮城県 | ミヤギテレビ | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
|||
山形県 | 山形放送 | 日本テレビ系列 | |||
福島県 | 福島中央テレビ | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
|||
新潟県 | 新潟放送 | 1974年9月4日~10月11日 | 平日(帯放送)17:00~17:30 | TBS系列 | 本放送終了後に再放送 |
山梨県 | 山梨放送 | 1973年4月1日~9月30日 | 毎週日曜日19:00~19:30 | 日本テレビ系列 | 同時ネット |
静岡県 | テレビ静岡 | 放送時期不明 | フジテレビ系列 | 遅れネット? | |
中京広域圏 | 中京テレビ | 1973年4月1日~9月30日 | 毎週日曜日19:00~19:30 | 日本テレビ系列 | 同時ネット |
富山県 | 北日本放送 | ||||
福井県 | 福井放送 | ||||
関西広域圏 | 読売テレビ | ||||
広島県 | 広島テレビ | 日本テレビ系列 フジテレビ系列 |
|||
鳥取県・島根県 | 日本海テレビ | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
|||
愛媛県 | 南海放送 | 日本テレビ系列 | |||
香川県 | 西日本放送 | ||||
徳島県 | 四国放送 | ||||
福岡県 | 福岡放送 | ||||
長崎県 | テレビ長崎 | 日本テレビ系列 フジテレビ系列 |
|||
大分県 | テレビ大分 | 日本テレビ系列 フジテレビ系列 テレビ朝日系列 |
|||
熊本県 | テレビ熊本 | ||||
宮崎県 | テレビ宮崎 | ||||
鹿児島県 | 鹿児島テレビ | ||||
沖縄県 | 琉球放送 | 放送時期不明 | TBS系列 | 遅れネット? |
主なキャスト
- ドラえもん - 富田耕生(~14回目の27話まで) →野沢雅子(終了まで)
- のび太 - 太田淑子
- しずか - 恵比寿まさ子
- ジャイアン - 肝付兼太
- スネ夫 - 八代駿
- のび太のママ - 小原乃梨子
- のび太のパパ - 村越伊知郎
- スネ夫のママ - 高橋和枝
- ガチャ子 - 堀絢子
- セワシ - 山本圭子
- 我成(がなり)先生 - 加藤修→雨森雅司
- ボタコ - 野沢雅子
- デブ子 - つかせのりこ
- ジャマ子 - 吉田理保子
楽曲など
- ドラえもん(OP)・・・該当記事に詳細あり
- ドラえもんルンバ(ED)・・・該当記事に詳細あり
- あいしゅうのドラえもん(挿入歌)・・・歌は富田耕生。レコードのみに収録・未CD化。
- ドラえもん いん できしいらんど(挿入歌)・・・ドラえもん(日テレ版OP)と同じく原作者作詞。レコードのみに収録・未CD化。
声優が変更された理由など
1クール終了前に制作会議で視聴率が上がれば放送継続するということで、対象年齢の引き上げるために、ドラえもんの年齢を下げる必要があったため2クール目から変更したそうな。ちなみに交通事故を起こしたからという説は誤りである。
テレ朝版において、太田淑子はセワシ役、小原乃梨子はのび太役、肝付兼太はスネ夫役となっていることで知られる。加藤治は先生役を担当していた時期がある。
富田耕生は、ドラえもん映画「海底鬼岩城」にてポセイドンと言う悪役を演じている。
関連動画
関連商品
関連項目
- 封印作品
- ドラえもん
- 日本テレビ
- ドラえもん(日テレ版OP)・・・OP曲
- ドラえもんルンバ・・・ED曲
- アニメ作品一覧
- 1973年のアニメ作品一覧
関連リンク
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