概要
1922年に非合法政党として結成された。その後解党や分裂を繰り返すこともあったが、政党としての連続性は今日まで保たれている。また、合法政党としても1945年に再結成されたため、現在国会に議席を持つ政党としてはもっとも長い歴史を有している(自民党の結成は1955年)。1946年の国会進出以来、一貫して野党の地位にあり、連立・閣外協力も含め、与党の地位に就いたことは一度もない。
科学的社会主義(昔は「マルクス・レーニン主義」と呼ばれることもあった)を標榜し、最終的には社会主義・共産主義の実現を目標としているが、当面は対米追従主義と日本独占資本(大企業)による支配の打破を目標としている。
また、日本の政党では唯一、企業団体献金を一切受け取っておらず、政党交付金(政党助成金)に関しても憲法違反の制度であるから受け取らないと徹底した態度を見せている。そのため、機関紙(しんぶん赤旗など)収入や党費、党員・支持者からの個人献金(カンパ)で党の運営費を賄っている。
なお党の(実質的な)代表は他党と違い「委員長」と呼ばれている。これは共産・社会主義系団体に共通の通例である。
思想・政策
共産主義政党としての実情
初期(特に戦前)は武装闘争路線を主張し、中国やソ連の共産党に追従するようにテロに近い活動を国内で行ったり、意見の対立からしばしば内部分裂し、互いに罵り合うなど、極めて荒々しい活動を行っていた。
しかしこれらの活動が国民の理解を得られないと判断すると、穏健派が過激派を追放する形で次第に合法活動路線に転換。中国やソ連といった共産主義国家とも距離を置き、諸外国のような独裁的な共産党と日本共産党とは違うということをアピールするようになった。現在は自主独立路線と呼ばれる穏健な路線を採択、長い間分裂することなく統一した組織を保っている。
ただし、かつての過激派の活動や、これに感化された青年らによるあさま山荘事件やよど号ハイジャック事件、更には党が批判している共産主義国の一党独裁と圧政の様子から、中高年を中心に「暴力と粛清の共産党」というイメージを今も持たれていることが多く、支持が広がりにくい一因となっている。
また破壊活動防止法にいう暴力主義的破壊活動を行うおそれがあるとして、現在も同法の調査対象団体とされている。これは、暴力路線を放棄した際に例外として「右派が共産党を暴力で弾圧した際には再び武器をとる」としたことから、政府側がこれを暴力主義的破壊活動の徴候とみなし調査の根拠としたためである。共産党が同法による処分を受けたことは一度もないが、公安警察は同法の調査権限を活用し、積極的に共産党の動向を探っている。
内政政策
社会保障制度の拡充を強く主張しており、軍縮や無駄な公共事業の削減などにより、その財源を確保するとしている。また近年は格差問題、特に派遣労働問題を大きく取り上げ、大企業による派遣労働者の搾取を猛烈に批判し、待遇の改善を訴え続けている。この問題に関しての大企業への痛烈な批判は、対象となる企業から献金を一切受けていない日本共産党だからこそなせる業と言えるだろう。
労働組合運動については民主党支持の「連合」を御用組合とみなして決別、より左派色の強い「全労連」と連携するも、反共思想の強い民間企業では組合員が不利益取り扱いを受けやすいこともあって、勢力は伸び悩んでいる。
教育問題に対しては、30人規模学級(少人数学級)実現、高等教育予算の抜本拡充などを訴えると同時に、日の丸や君が代の強制に対しても強く反発し、2006年に改正された教育基本法を軍国主義の復活への一歩と全否定している。なお、民主党が日本教職員組合(日教組)と深い関係にあるのに対し、日本共産党は日教組の競合組合である全日本教職員組合(全教)と懇意な仲にある。
人権問題は党でも特に重要視している項目であるが、部落解放同盟とは過去に起きたいくつかの衝突が原因で完全に決別しており、部落差別問題については後に発足した部落解放同盟正常化全国連絡会議と協調している。
また他党からタブー視されている天皇制については、国会開会式への天皇の出席や皇室外交を憲法違反とみなして、開会式に欠席するなどはっきりとした態度を示している。最終的には国民の同意の下に天皇制を廃止することを目標にしているが、現行憲法については象徴天皇制も含めて維持するという護憲の立場である。
なおニコニコ動画においてよく話題にあがる人権擁護法案と外国人参政権の両法案については、前者には絶対反対、後者には永住者限定であれば賛成という立場を採っている。
外交政策
対米追従の自民党を批判する立場上、日米安保条約の即時撤廃を主張し、国連中心型に移行すべきと主張している。
自衛隊に関しては、当初「自衛隊は対米追従なので解体し、新たに中立防衛のための組織を結成する」としていたが、現在では「主権侵害など国民が必要とする事案があれば活用し、将来国民が不要と判断したら解消する」という段階的解消論の立場に立つようになった。この点において、自衛隊の解散と非武装中立を目指す社民党と一線を画している。ただし、この自衛隊活用論に対しては、党内からも強い反発があったのは事実である。
領土問題に関しては、他の党とはやや異なる姿勢で臨んでいる。まず北方領土問題に関しては、北方四島のみならず千島列島(旧日本領)を含んだ島々を、戦前の日本が平和裏に獲得した地域だとしてロシアに返還を強く求めている。千島列島まで踏み込んだ返還要求を明確にしているのは日本共産党のみである。一方で竹島問題や尖閣諸島問題については、「日本の領土であることはほぼ明確」と主張しながらも、韓国や中国との関係を悪化させないように、両国で更なる調査を行い、きちんとした話し合いをした上で問題を解決すべきだ、と穏便な姿勢をとっている。
また北朝鮮による拉致問題については、1983年をもって朝鮮労働党との関係を断ったこともあり、88年には拉致問題が北朝鮮によるものである可能性が高いとの政府答弁を引き出すなど、一定の貢献を果たしてきた。他方で、それ以降は拉致問題追求の姿勢が弱まった、拉致問題に積極的な党員を除名した(共産党側は拉致問題に関与したことが処分の理由ではないと主張)、かつて北朝鮮への帰国事業に賛同し協力していた、と言った批判を受けることもある。現在は「昔から拉致問題に取り組んできた政党」と自負しつつ、あくまで話し合いによる解決が必要だと主張している。
また、国内同様に国外の人権問題についても熱心に取り組んでいるのだが、チベット問題に関してはチベットは中国の一部という中国政府の主張に同調しており、批判する声が少なくない。
党の戦略
他党との関係
自民党はもちろん、民主党に対しても猛烈な批判をしており、政権交代した後も野党にとどまっている。ただし、個々の政策において賛同できる場合は、民主党と共闘の可能性を模索するという姿勢である。社民党の前身である旧社会党とは当初共闘関係を結び、革新自治体における与党として共に活動した時期もあったが、後に社会党が社公民路線を選択して共産党と距離を置いたため、同じ護憲・革新政党でありながら社民党との繋がりは薄いものとなっている。
共産党と同様に、都市部の庶民層を支持層としている公明党・創価学会とは激しく対立しており、一度は相互不可侵と共存を約した協定(創共協定)を結んだものの、後に創価学会員が共産党議員宅の盗聴をしている事実が判明すると再び関係は悪化、対立は決定的なものとなった。
選挙と共産党
かつては全選挙区に公認候補を擁立していたが、特に小選挙区制が導入されてからは「野党票の分散を招き、与党に有利に働いている」「政権交代を遠ざけている利敵行為だ」と政権交代を望む勢力から批判されていた。しかし、これは共闘可能な野党が他に見当たらないが故の擁立であり、一方的に批判されるべきものではない。またそのような批判をしている側から日本共産党に共闘を呼び掛けることもほとんどない。これは「共産党と手を組むことは悪」という、未だに根強い世論の流れに巻き込まれたくないためである。
しかし供託金没収による党財政の悪化もあり2005年総選挙では全選挙区擁立を断念、09年総選挙ではさらに候補者を削減した。共産党候補が出馬しない場合、共産党支持者の投票先は自民党に比べれば左派色の強い民主党系候補になる可能性が高いと考えられるため、この戦略が民主党の政権交代を助けたという指摘がなされている。
支持者が都市部を中心に薄く広く分布しているため、小選挙区制の下での議席獲得は極めて困難な情勢にある。現に小選挙区比例代表並立制の下で行われた5回の選挙・のべ1500の小選挙区において、共産党が議席を獲得したのはわずか2選挙区(1996年総選挙の京都3区と高知1区)に過ぎない。現在超党派で主張されている比例区定数削減案が実現した場合、共産党はさらに衰退し、国政から消滅する可能性すらあると指摘されている。
党勢
衆議院議員9名・参議院議員6名の計15名が所属しており、社民党を上回り、公明党・みんなの党に次いで国政第5党の地位にある。公称約40万人の党員と約3000人の地方議員を抱えており、資本主義先進国における共産主義政党では世界最大規模を誇る。
しかし、1970年代の全盛期を境に党勢は徐々に衰退しているのが実情である。1990年代後半には一時勢力を回復し、比例区で15%近い得票率を記録したこともあったが、その後は低落に歯止めがかからず、2010年参院選では6.1%まで得票率を下げてしまっている。
都市部では一定の勢力を保っており、特に蜷川虎三知事の下で与党として勢力を伸ばした京都府、殊に京都市内ではいまだに自民党・民主党に対抗できるだけの力を残している。東京都狛江市や大阪府東大阪市など、共産党が市政に影響を及ぼし得る自治体も存在する。反面、地方ではほとんど影響力を行使できない状態が続いている。
所属国会議員一覧
| 衆議院議員 | 赤嶺政賢/笠井亮/穀田恵二/佐々木憲昭/志位和夫/塩川鉄也 高橋千鶴子/宮本岳志/吉井英勝 |
| 参議院議員 | 市田忠義/井上哲士/紙智子/田村智子/大門実紀史/山下芳生 |
ニコニコ動画での扱い
民主党に次いで2番目に早く公式チャンネル(志位和夫チャンネル)を開設しており、ニコニコ生放送にも出演するなど、積極的に支持拡大を図っている。
ニコニコ動画に限らずネット上では、強い嫌韓・嫌中感情などから自由主義史観やタカ派外交を主張する右派が支持を集めやすく、日本の戦争責任を肯定したり外国人参政権を推進したりする中道・中道左派の民主党・公明党・社民党は強烈な批判や嫌悪に晒されやすい、という傾向がある。ところが、これらの点では民主党などと同様の姿勢を見せ、より左派的な日本共産党はそこまで強い批判を受けておらず、むしろ民主党などより好意的な評価を受けることさえある。
これは共産党の政治姿勢に対する好感も去ることながら、現在の勢力や孤立主義的な傾向から右派にとって現実的な脅威とならないこと、むしろ民主党などを左から叩いてくれること、公明党・創価学会と敵対していること、民主党などを批判する際の比較対象に使えることなど、打算的な理由から共産党に好意的な評価を寄せるケースが存在するためと思われる。俗に言う「敵(民主党・公明党・社民党)の敵(共産党)は味方」という立場である。また批判勢力としては一目置いているが、思想や政策には賛同しないという意見も多く見受けられる。
むろん、共産党の思想や政策に賛同して支持を表明するケースも決してないわけではない。
ネット世論調査における支持率推移
| 09年9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 10年1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | |
| 総合結果 | 4.3 | 4.1 | 3.8 | 3.7 | 3.8 | 3.5 | 3.5 | 3.4 | 2.9 | - | 3.2 | 3.1 |
| 50代以上 | 4.8 | 4.1 | 3.0 | 5.0 | 4.1 | 4.5 | 4.3 | 1.9 | 4.1 | - | 3.9 | 3.2 |
| 40代 | 4.4 | 4.3 | 3.8 | 3.2 | 3.5 | 3.1 | 3.1 | 3.7 | 2.6 | - | 3.6 | 3.3 |
| 30代 | 4.5 | 4.5 | 4.2 | 4.3 | 4.6 | 4.1 | 4.1 | 3.6 | 3.5 | - | 3.2 | 3.2 |
| 20代 | 3.8 | 3.6 | 4.2 | 3.3 | 3.3 | 3.0 | 3.1 | 2.8 | 2.6 | - | 2.9 | 2.7 |
| 10代以下 | 2.8 | 2.5 | 2.4 | 2.5 | 2.3 | 2.3 | 2.2 | 1.9 | 2.1 | - | 2.2 | 1.9 |
| 男性 | 4.3 | 4.1 | 4.0 | 3.9 | 3.7 | 3.7 | 3.4 | 3.2 | 3.1 | - | 3.3 | 3.2 |
| 女性 | 4.2 | 4.2 | 3.6 | 3.4 | 4.0 | 3.2 | 3.5 | 3.6 | 2.7 | - | 3.2 | 3.0 |
(数字はパーセンテージ。詳細は単語記事「ネット世論調査」内の「内閣支持率・政党支持率調査の結果」を参照。)
マスコミが行う世論調査より若干支持率が高くなる傾向にあり、09年末までは公明党などを抑え、支持率第3位をキープしていた。しかし今年1月になってみんなの党に、4月にはたちあがれ日本にも抜かれ、一時は第5位まで後退。その後、8月にたちあがれ日本を抜き返して第4位に戻ったものの、支持率自体は次第に低落しつつある。
世代別で見ると若い世代ほど支持率が低い傾向にあり、特に10代以下(総合結果には反映されない世代)では公明党・社民党の後塵を拝することも珍しくない。
ネット出口調査における支持率・獲得議席数
| ネット出口調査の結果 | 実際の選挙との差分 | |||||||||
| 選挙区 | 比例区 | 合計 | 選挙区 | 比例区 | 合計 | |||||
| 支持率 | 議席数 | 支持率 | 議席数 | 議席数 | 支持率 | 議席数 | 支持率 | 議席数 | 議席数 | |
| 09年総選挙 | 6.2 | 0 | 8.4 | 11 | 11 | +1.9 | ±0 | +1.3 | +2 | +2 |
| 10年参院選 | 7.2 | 1 | 5.8 | 3 | 4 | -0.1 | +1 | -0.3 | ±0 | +1 |
(詳細は「第45回衆議院総選挙 ネット出口調査」総合結果・「第22回参議院議員選挙 ネット出口調査」総合結果動画をそれぞれ参照のこと。)
2009年総選挙では現実よりやや高めの支持率を記録したものの、2010年参院選ではわずかに実際の得票率を下回る支持率となった。ただし東京都選挙区で下位に滑り込んだため、議席数自体は現実より増える計算になっている。
ちなみにネット出口調査において現実より議席数を増やしている中道~左派政党は、この日本共産党のみである。
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関連項目
関連リンク
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読み:ニホンキョウサントウ
初版作成日: 08/10/03 01:53 ◆ 最終更新日: 12/02/25 17:48
編集内容についての説明/コメント: 「関連動画」の節の関連動画を入れ替えました
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