日本航空機駿河湾上空ニアミス事故とは、2001年1月31日に発生した航空事故である。
事故原因と得られた教訓
航空機には小型機を除き、空中衝突を回避するためにTCAS(ティーキャス)という装置が積まれている。
もし衝突の危険があるとTCASが判断した場合、ある機体には降下を指示し、別の機体には上昇を指示する。このあたりの仕組みはメーデー民にはお馴染みであろう。
この本事件の際には航空管制官の誤りによって、TCASの指示と航空管制官の指示が真逆に食い違っていた。そして片方の航空機はTCASの指示に従い、もう片方の航空機は航空管制官の指示に従ったことで「互いに回避しようとしているにも関わらず、かえって互いに近づいてしまう」という事態を引き起こしたのである。あわや677人もの命が危険にさらされた(もし衝突していたら世界最悪の航空事故となっていた)ため、日本は国際民間航空機関(ICAO)にこのような場合どうするべきかのルールの明文化を求めた……にも関わらず、ICAOはこれを積極的に調査しようとしなかったため、本件発生から1年半後にドイツとスイスの国境付近で本件と同様の原因による空中衝突事故(ユーバーリンゲン空中衝突事故)が発生し、71人もの死者が出てしまった。
これでようやくICAOが動き出し「指示が食い違ったら管制官よりTCASに従うべし」というルールが制定された。
関連項目
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