日清ラ王(にっしんラおう)は、日清食品から1992年に発売されたカップラーメン。
概要
生タイプめん(1992~2010年)
普通のカップラーメンにある乾燥めんではなく、レトルトパウチされた生タイプめんであることが特徴。日本で作られた保存が効く生タイプめんのカップラーメンは、本製品が初めてと言われる。(同時期に東洋水産からも生タイプめんの製品が発売されていた)
調理方法は、カップに麺のみを入れてお湯を注ぎ、麺をほぐしてから湯きりし、かやくとスープを入れて改めてお湯を注いで作る。
発売当初は、めん独特の臭気が鼻につくこと、調理に手間がかかる(大量のお湯が必要)こと、量が少なく数口で食べ終えてしまうわりには高価であることから、評判になりつつも爆発的なヒットは持続しなかった。現在では、加工方法を工夫、豪華な具材を追加するなどの改良が加えられている。
袋麺として「袋のラ王」(同社の「桃金ラーメン」の後継商品)も売り出されたが、ヒットには至らず、程なく消えた。
うどん版の「ごんぶと」やスパゲティ版の「日清Spa王」もある。
発売から20年近く愛され続けた日清ラ王だったが、2010年8月をもって生産を終了することが発表された。
これに伴いラ王生産終了の特設ウェブサイトにて『追湯(ツイートウ)イベント』("追悼"やTwitterの"ツイート"などをかけている)が開催されるなどの大規模な広告展開がされた。
そして2010年8月2日に生産終了。同年8月20日まで行われた日清のイベント『追湯式典』に、愛好家からの大量のツイートがされる中、日清ラ王はその幕を閉じた。
……の、だが、
ノンフライめん(2010年~)
9月から「日清史上、最高傑作」の全く新しい次世代ラーメンとしてラ王が「乾麺タイプ」として復活することが、同年8月24日に発表された。
麺も即席だが復活も即席だった。
麺はノンフライに変わり、熱湯を注いで5分待つタイプとなった。それでも生めんに近い食感を実現できるよう工夫がされている。ただし、麺がほぐしにくいのが難点である。
また、どんぶりの形状も丸形から八角形に変化、ロゴも新しくなった。
2012年では、一部地域限定で袋麺が復活。カップ麺同様にノンフライめんを採用している。
マジで恋する8分間
日清が2016年12月19日まで「aug」にて配信している「マジで恋する8分間」。
スマートフォン、タブレットなどでカップ麺に「aug」アプリでカメラを近づけると起動する。
出演声優が麺を実際にすすっているらしく、臨場感を楽しめるらしい。ちなみに、バイノーラル録音のため、ヘッドフォン推奨のこと。ラーメンの味によってキャラクターが変わる。
テレビCM出演者
エピソード
1995年頃からテレビCMに出演していた当時サッカー日本代表の前園真聖は日清食品からラ王を大量に支給されたことから、1996年にUAEで開催されるAFCアジアカップにこれを持ち込んだ。「サッカー選手がカップラーメンなんて」と思うだろうが、UAEはアラビア圏のため豚肉をはじめとした肉食が制限されており、さらに当時は専属の調理師もいなかったことから現地のレストランで食事をとらざるを得なかった。
この不慣れな食環境にストレスを感じた他の選手は夕食後に前園の部屋へ行き、ラ王を奪い合ってお湯を入れる列を作っていた。実際名波浩が「食事はつらかった。ゾノ(前園)のラ王でなんとか凌げた。本当にそのくらいつらかった」というほどラ王に助けられたと語っており、さらにこの大会でサッカー日本代表はベスト8で敗れたことから以降の海外遠征は専属の日本人調理師を雇って食材も持ち込むなどサポートを充実させていった。
関連動画
関連項目
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