日産・GT-Rとは、日産自動車が製造・販売する乗用車である。
概要
日産自動車でかつて生産されていたスカイラインGT-Rはあくまでもスカイラインをベースにしたモデルであったが、このR35型はスカイラインの名を冠しない独立した車種である。機械的な関連性は前世代のGT-Rより薄く、プラットフォーム、ミッションも専用のものとなっている。
エンジンは完全新規設計の3.8リッターV型6気筒、VR38DETT型を搭載し、ミッションは所謂デュアルクラッチミッションを採用。ミッションは車体後方に配置するトランクアクスル形式を採用しておりこの形式は非常に珍しい。
整備・点検は全国160箇所に設置された日産ハイパフォーマンスセンターで行われ、対象外となるパーツの装着、改造などが行われていた場合メーカー保障が外されて整備ができなくなる(GT-Rの部品は一般向けに市販されてないため、保障が外れると普通の人には維持が難しくなる)。が、軽微なものであれば元に戻し、再保障認定を受ければ保障が復活する。なぜこのようなシステムになってしまったのかは諸説あるが、先代のスカイラインGT-R(R32/R33/R34)および搭載されていたRB26エンジンをカスタムする人があまりにも多かった(つまり、どノーマルで乗っている人が少なかった)ためとも言われている。
他の車種と大きく異なるのは、1年ごとに仕様変更やマイナーチェンジを繰り返していくことも挙げられる。2012年まで毎年仕様変更やマイナーチェンジを繰り返し、2017年まで行うことを明言している。
2008年にはスポーツカーのテストコースとして有名なニュルブルクリンク(北コース)にて当時の市販車最速ラップタイム7分29秒3を記録し、世界レベルでの性能の高さを実証した。
さらにマイナーチェンジを施した2011年モデルでは、一部ウェット路面のために正式タイムではないものの、7分24秒22まで短縮、特別仕様車ではない市販車としては、シボレー・コルベットZR1を抜いた(ダッジ・バイパーSRT ACRが7分12秒13を出しているが、特別仕様車である)。
さらに2012年には、2013年モデルで7分18秒6に更新したことを明らかにした。
2014年にはEGOIST(エゴイスト)のグレードに代わってNISMO(ニスモ)グレードが登場。
「日産とニスモが生み出すパフォーマンスモデルの頂点」に位置づけられたNISMOは7分8秒67と大幅にラップタイムを更新し、同時に量産市販車の最速ラップタイムを記録した。
モータースポーツ
SUPER GTでは2008年からZ33型フェアレディZに変わって参戦。年間7勝という圧倒的な強さでNISMOがドライバーズタイトルを獲得した。
2009年からはGT500クラスに3.4L V8エンジン(フォーミュラ・ニッポンと基本構成は同じ) の搭載が義務づけられたため、新規開発を余儀なくされたGT-Rは当初低迷するも、2011年、2012年にはMOLAがシリーズチャンピオンを獲得した。
2014年からはドイツツーリングカー選手権と共通の規格になり、2.0L 直4 直噴ターボエンジンを搭載。ここでも圧倒的な戦闘力を発揮し、2014年オートポリスで表彰台独占、14、15年とNISMOがタイトルを獲得した。2016年もNISMOが2連勝を挙げて史上初の三連覇待ったなしに思われたが、中終盤で苦戦して最後はレクサスに逆転されタイトルを逃した。
一方FIA GT1選手権には2009年から賞典対象外車輌(2010年度からの新基準で製作されたため)として参戦、2年目の2011年にはミハエル・クルム/ルーカス・ルーア組がドライバーズチャンピオンを獲得した。
2011年にはニスモとJR Motorsportとの共同開発でFIA GT3車両が開発され、海外レースでデビューした。国産スポーツカーの参戦がないSUPER GT GT300クラスにも2012年より参戦し、2016年までで5年連続で優勝を飾っている。また2015年には性能調整の有利が働いて、鈴鹿1000kmで100kgのウェイトを積みながら優勝するなどして4勝をマーク、ゲイナーのGT-Rが最終戦を前にタイトルを獲得した。
またGT-R GT3は海外でも活躍しており、2015年にはバサースト12時間優勝とブランパン耐久シリーズのタイトルを達成している。なおどちらも千代勝正がドライブしていた。
2015年に開発されたLMP1マシンについてはこちら→日産・GT-R LM NISMO
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関連項目
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