概要
毎年開催されている日本SF大会において、参加者の投票によって決定される賞。世界SF大会で同様の方式で選出されるヒューゴー賞の日本版とも言える賞であり、SF作品への賞では現存する中で最も歴史が古い。
ちなみにヒューゴー賞と並ぶ権威を持つ、アメリカのネビュラ賞(『ネビュラ』は「星雲」の意)とは全く関係がない。
現在は「日本長編部門」「日本短編部門」「海外長編部門」「海外短編部門」「メディア部門」「コミック部門」「アート部門」「ノンフィクション部門」「自由部門」の9部門が存在する。日本の一般的な文学賞のように「受賞は一作家一回限り」という縛りは無く、参加者の層もある程度固定されるためか複数回受賞している作家が多い。が一方、受賞対象は投票前の1年間に完結した作品、という縛りのため受賞のチャンスが基本的に1作品1回しかなく、「あれと同じ年だったので受賞を逃した」作品もある。そういった巡り合わせは文学賞にはつきものではあるが。
日本長編・短編部門は以前は筒井康隆、小松左京、神林長平らが占めてきたが、近年はライトノベル系レーベル出身の作家が多く受賞している。尻Pこと野尻抱介(歴代3位タイの6度受賞)、小川一水(『第六大陸』『漂った男』)、秋山瑞人(『おれはミサイル』)、新城カズマ(『サマー/タイム/トラベラー』)、有川浩(『図書館戦争』シリーズ)など。大槻ケンヂも短編部門で二度の受賞歴がある(『くるぐる使い』『のの子の復讐ジグジグ』)。
日本長編部門の受賞作が、同年の日本SF大賞の受賞作と被ることは意外と少ない(ダブル受賞を達成したのは井上ひさし『吉里吉里人』、夢枕獏『上弦の月を喰べる獅子』、柾悟郎『ヴィーナス・シティ』、伊藤計劃『ハーモニー』の4作のみ)。人気投票と選考委員による合議制という違いもあるが、星雲賞は夏、日本SF大賞は冬に決まるので、それとなくバランスを取っているのかもしれない(小説以外の場合は星雲賞と被ることも多いが)。
基本的に小説部門はあくまで「SF小説の賞」と言えるラインナップだが、SFコミュニティのなかでもごく一部の人(基本的にはSF大会参加者)による人気投票という面があるためか、メディア部門やコミック部門、自由部門などではあまりSFっぽくない作品、普通は「SF」というカテゴリでは語られないような作品が受賞することもままある。例としては、
- 第6回映画演劇部門(1975):宇宙戦艦ヤマト(TV版)
- 第18回コミック部門(1987):うる星やつら(高橋留美子)
- 第20回メディア部門(1989):となりのトトロ
- 第20回コミック部門(1989):人魚の森(高橋留美子)
- 第24回メディア部門(1993):ママは小学4年生
- 第28回コミック部門(1997):うしおととら(藤田和日郎)
- 第32回メディア部門(2001):高機動幻想ガンパレード・マーチ
- 第32回コミック部門(2001):カードキャプターさくら(CLAMP)
- 第37回コミック部門(2006):陰陽師(夢枕獏・岡野玲子)
などなど。特撮では「ガメラ」シリーズが二度受賞したほか、仮面ライダー・ウルトラマン・スーパー戦隊シリーズもそれぞれ「クウガ」「ティガ」「デカレンジャー」で一度ずつ受賞している。なお、ゲームの受賞は今のところ「ガンパレード・マーチ」のみ。映画・TVと同じメディア部門なのが災いしているのかもしれない。
他、ニコニコに関連するものとしては、第36回(2006)自由部門で「はやぶさ」のイトカワ着陸ミッション、第39回(2008)自由部門では初音ミクが受賞。第40回(2009)日本短編部門ではニコニコ動画をモデルにした野尻抱介の短編「南極点のピアピア動画」が受賞している。
各部門における受賞作の一覧はWikipediaを参照のこと。→外部リンク:Wikipedia
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読み:セイウンショウ
初版作成日: 08/10/17 04:35 ◆ 最終更新日: 11/05/05 04:50
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