時間移動とは、時間を移動すること。
普段から我々は「過去から未来へと時間軸内で移動しながら生きている」とも言えるが、このことを「時間移動」と呼ぶことはまずない。普通「時間移動」と言うと、通常の時間の流れと逆らって「過去」に行く、あるいは通常の時間の流れよりも格段に急速に(瞬時に)「未来」に行くことを指す。
現代の人類の科学では一般的な意味の「時間移動」は実現困難である。専ら神話やおとぎ話、あるいはSFやファンタジーなどの要素を含んだ創作作品に登場するのみである。
「遠い未来に移動する」というアイディアは割と自然に思いつくものらしく、各国の伝説などに登場する。日本の童話『浦島太郎』もその一例である。それに比べると、「過去に逆行する」という筋書きの伝説は乏しい。
現実世界におけるタイムトラベルの実現性については『タイムマシン』『タイムトラベル11の理論』の記事で詳述されているので、そちらも参照されたい。
さまざまな時間移動
時間移動にも様々な形式/用語があり、それぞれで含意が異なる。
- タイムスリップ(time slip)
- 「スリップ」という言葉でイメージされるように、「思いがけなく」「意図に反して」時間移動することを指して使われることが多い。
- タイムトラベル(time travel)
- 「トラベル」という言葉でイメージされるように、「意図して」時間移動することを指して使われることが多い。
- タイムマシン(time machine)
- 「マシン」、すなわち時間を航行するための機械を用いて時間を移動すること。
- SF小説の大家「H・G・ウェルズ」の小説『タイム・マシン』がこういった「時間航行機械」の概念、さらには「時間移動」という概念そのものを大きく広めた。ただし同作がこのような時間移動機械を扱った最初の作品というわけではない。
- 日本で非常に有名な漫画/アニメ作品『ドラえもん』にも登場するので、知名度は非常に高い。
- 詳細は単語記事「タイムマシン」を参照。
- タイムリープ(time leap)
- 「リープ」とは「跳躍」のこと。言葉の意味だけをとれば「時間を跳躍する」というそれだけの意味でしかない。
- しかし日本では、「別の時点の自分の体に意識だけを飛ばす」といった形式の特殊な時間移動のことを指すことが多い。これは、この言葉を使用した有名な小説作品『時をかける少女』の影響だとみられる。
- 詳細は単語記事「タイムリープ」を参照。
- タイムワープ(time warp)
- 離れた地点に瞬間移動する「ワープ」を、空間的距離ではなく時間的距離に対して行うもの。
- ウラシマ効果(Urashima effect)
- 厳密には時間を「移動」はしていないが、「通常とは異なる時間軸で行動する」という意味では同義である。『トップをねらえ!』等が有名か。
- 詳細は単語記事「ウラシマ効果」を参照。
もちろん、これらの言葉の含意はあくまで「傾向」である。意図して「タイムスリップ」するタイムスリッパーや、意図せず「タイムトラベル」させられてしまうタイムトラベラー、体ごと移動する「タイムリープ」などもありうる。
関連項目
時間移動する作品の例
※ネタバレ注意!※
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