最後の喫煙者とは、筒井康隆の小説作品である。若しくは、同作品を題材とした作品全般を指して言われる。
概要
筒井康隆の著した短編小説の1つ。
1987年に発表され、2002年には同タイトルの短編小説集が新潮文庫から出版された。
ストーリーの内容としては、地球上でただ1人の最後の喫煙者となった主人公が国会議事堂の頂で煙草を吸いながら、今日までに起こった事を振り返っていくという構成となっている。
普通のヘビースモーカーな小説家として日々を過ごしている中、世間で巻き起こった嫌煙運動が次第に激化していき、ついには国家権力やメディア、人権団体などが揃ってキチガイの沙汰と化した結果、嫌煙運動は魔女狩りと遜色ないレベルにまで達していく。愛煙家が次々に襲撃されリンチに遭ったり脅迫・放火を受けるといった事が堂々まかり通る異常事態の中での、主人公及び喫煙者仲間たちの壮絶な闘いが描かれている。
執筆者である筒井自身も結構な愛煙家であり、この作品は80年代~90年代辺りから外国より渡来したとされる所謂「嫌煙ファシズム」に対する皮肉・風刺とするために発表したと言われている。事実、「警察や自衛隊、マスメディアや赤十字、国民達が揃ってタバコを排斥する側へと回っていったら」という強烈なストーリー仕立ては現在でも行き過ぎた禁煙運動や弾圧運動の例えに用いられる事がある。
このブラックユーモアについてタバコ(喫煙者)でピンとこない人は、児童ポルノ(ロリコン)やゲーム(エロゲ)及び
性的表現を含む漫画(非実在青少年)あるいは原発などといったものをタバコの代わりに当て嵌めて読んでみよう。
ちなみにこの作品が「世にも奇妙な物語」にて実写ドラマ化された際に、筒井自身も作家の役で出演した事がある。
ファシズムだという論調に対しマジレスした意見もあった。この作品の発表と同年の1987年、ジュリスト(法学の勉強や実務向けの雑誌)にて、政治学者佐竹寛が「嫌煙権運動は受動喫煙によって健康を損ないたくない、弱い立場の人の切なる願いの運動のため、そのような主義者がいくら多数集まっても、異質の民族主義的・国家主義的ファシズムになりえようがない事は、倫理的にも現実的にも明らかである」と書いている。
関連動画
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関連項目
関連リンク
- Go smoking (愛煙家団体のHP。筒井も参加している)
- (新)モララーのビデオ棚より 「最後の2ちゃんねらー」 (最後の喫煙者を題材としたAAストーリー)
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