月は無慈悲な夜の女王とは、ロバート・A・ハインラインによる長編SF小説。
概要
2070年代、地球の植民地となった月で起こった独立を目指す革命と、その果てに起こる地球との武力衝突を描く。1965~66年にかけて雑誌で連載され、67年のヒューゴー賞を受賞。ネビュラ賞は惜しくも逃した(ちなみにその際の受賞作は、サミュエル・R・ディレイニー『バベル-17』と、ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』)。
原題は『The Moon Is a Harsh Mistress』で、直訳すると『月は厳格な女教師』となる。邦訳版は矢野徹訳で1969年に早川書房のハヤカワ・SF・シリーズとして刊行、1976年にハヤカワ文庫SF入り。現在も2010年に出た新装版が書店で入手可能な古典的名作のひとつ。日本ではハインラインといえば『夏への扉』や『宇宙の戦士』がおそらく最もメジャーだが、より「ハインラインらしい」作品はこちら。
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』『世界の中心で愛を叫んだけもの』『たったひとつの冴えたやりかた』など古典名作SFの多くがそうであるように、本作のタイトルもしばしばパロディの元ネタとなる。インターネット掲示板サイト「2ちゃんねる」の「SF・FT・ホラー板」のデフォルト名無し(名前欄に名前を入れなかったときに表示される仮の名前)である「名無しは無慈悲な夜の女王」の元ネタでもある。
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