月下の棋士とは、能條純一原作の漫画である。監修は河口俊彦七段(当時、六段)。全32巻。
概要
将棋を題材とした漫画の中では最も有名な作品であり、異端の作品である。「棋士には月下の光がよく似合う」「駒が光っている」といった名台詞を生んだ。また、対局の描写も非常に特徴的であり、棋士が対局場で出血・吐血・射精・失禁・失神・発狂・死亡するといった、実際では絶対にありえない描写も多く描かれている。
巻末には河口氏による有名棋士の評が書かれているのも特徴。
連載を開始した1993年の翌年に主人公のモデルとしていた羽生が名人位を取る等連載のタイミングが良く、後の将棋ブームも重なり2001年まで続く長期連載となった。
あらすじ
高知の港町で祖父・御神三吉に育てられた氷室将介は祖父の遺言を胸にプロ棋士を目指して上京し、奨励会に入会する。順調に昇級を重ねる中、氷室は将棋会館特別対局室にて後の宿命のライバルとなる滝川幸次名人と出会った・・・。
登場人物
- 氷室将介
高知出身(だが、土佐弁を喋らない)。作者曰くモデルは羽生善治。祖父は元プロ棋士の御神三吉。
対局でも常にキャップを被り、ラガーシャツ、ジーパンというスタイル。正座もせず、胡坐を組んで対局する。性格も豪快で、口を開けば暴言を吐き、上下関係も知らない。そういったことで、刈田升三に気に入られている。初手に端歩を突く意表をついた戦法をとる。対局中は「猖獗」とまで言われるほどの絶対的集中力を持つ。ドラマではV6の森田剛が演じた。 - 滝川幸次
神戸出身。モデルは谷川浩司。
史上最年少で名人になった(作中では「名人戦」と「王竜戦」しかタイトルがない)。「名人」というタイトルに神を見出し、奇行を取るようになり「変人」とまで言われる。師匠・村木武雄の妻に想いを寄せている。モデルとなった谷川も神戸出身で、史上最年少21歳で名人をとっている。ドラマでは田辺誠一画伯が演じていた。
- 刈田升三
東京出身。実力制第四代名人。風貌・言動、何から何まで升田幸三実力制第四代名人ほぼそのまま(ただ升田幸三は広島出身。また、坂田三吉をモデルとする御神三吉がGHQに殴り込みに行ったのは本来升田のエピソード)。
「辞める辞める詐欺」のプロで、禁煙すると言っているのにタバコを吸い、引退すると言っているのに引退しない。ドラマではムスカ大佐で有名な寺田農が演じていた。
- 大原巌
モデルは大山康晴十五世名人と中原誠十六世名人、実像は木村義雄十四世名人に近いとされる。
十五世名人。村木武雄から名人を奪って以来20年近く名人位を持ち続けていたが、村木の弟子の滝川に名人位を奪われる。受け将棋の達人。長らく病気を患っていて、氷室将介との対局中に心臓停止、そのまま死亡した。ドラマでは中尾彬が演じた。 - 佐伯宗光
横浜出身。モデルは佐藤康光九段。
15歳で五段に昇段した天才少年。これまで滝川が持っていた最年少記録を次々と破っている。氷室に対して、恋に近い感情を抱いていると思われる。作品の中で一番のイケメンであるが精神が幼く奇行が目立つ。
バイオリンも習っているが、演奏は下手。 - 村森聖
大阪出身。モデルは村山聖。
氷室の奨励会時代に死闘を繰り広げる。病気が無ければA級と評される実力者。
その後プロになるも病気が悪化し死去。死の寸前まで氷室に負けた棋譜を検討し、逆転の手を見つけ兄弟子の山内和馬に託す。
モデルの村山も幼少より病を患っており、初出の際は存命していたが連載中に癌により逝去する。 -
他出演棋士とそのモデルと言われている人
御神三吉=坂田三吉
村木武雄=木村義雄
幸田真澄=郷田真隆
関崎勉=先崎学
鈴本 永吉=鈴木英春
森 圭太=森鶏二
小池十兵衛=小池重明
大和天空=灘蓮照?
大和岬=高橋和+林葉直子?
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関連項目
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