「末弥純」(すえみ じゅん)とは、小説「グイン・サーガ」シリーズの挿絵や、「ウィザードリィ」シリーズのモンスターデザイン、「ジルオール」シリーズのキャラクターデザインで知られるイラストレーターである。
概要
1959(昭和34)年生まれ。大分県大分市出身。「末弥純」と言う名前はペンネームであり、本名はもっと長いらしい。
武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業後、1983年に田中光二の小説「銀河十字軍」のカバーイラストでプロのイラストレーターとしてデビューした。
油絵学科卒業の経歴もあって、油絵主体で小説・ゲームのイラストを手掛けている。求められるものの都合等でシリアスなイラストが多いが、「ウィズボール」では西洋鎧を来て野球をする姿を、コミカルな表現を交えてイラスト化している。
「カペルドーニャの鉄騎士」など漫画を描いていた時期もあり、米田仁士がハイパーゾーン誌に連載していた「われはロボットくん」では、登場人物のDr.スエミの元ネタになっている。
1987年には、英語版を必死に翻訳しながらプレイした「ウィザードリィ」シリーズのファミコン版第1作目にてモンスターデザインを担当し、高い評価を得た。「ウィザードリィ」と言えば末弥純という図式を確立し、その後も多くのシリーズタイトルに参加し、細かい指定が書き込まれたメタルフィギュアの造型用資料も作成している。
1997年には、栗本薫の「グインサーガ」シリーズの57巻から87巻までイラストを担当した他、ウィリアム・ギブスンの短編「記憶屋ジョニィ」の挿絵で海外でも活躍している。
ゲーム作品では、ウィザードリィシリーズの他に、ゲームアーツの「シルフィード」「VEIGUES」「ファイヤーホーク」でパッケージイラストを、コーエーの「ジルオール」シリーズや、セガの「ハイブリッド・フロント」等では、メインキャラクターデザインを手掛けた他、「カルドセプトサーガ」「アクエリアンエイジ」「モンスターコレクション」「バトルスピリッツ」「三国志大戦」「LORD of VERMILION」「フューチャーカードバディファイト」等のカードゲームのカードイラストを手掛け、毎年個展も開いている。
ウィザードリィ
Wizardryに対する感謝の気持ちを込めて、夢中になったその世界を描くことができたのは最高の幸せだと思っている。
あの感動は今も行き続けて、けして消えることはない。
末弥純の代表作とも言われるのが「ウィザードリィ」シリーズのモンスターデザインやコンセプトビジュアルである。
元々、大学を卒業してプロのイラストレーターになった際に、出入りしていたアスキーの編集部でアップルII版を見せられた事がきっかけで、当時の収入の一ヶ月分以上の金額をはたいてアップルIIのコンパチマシンを購入し、英語版の「Wizardry #1 - Proving Grounds of the Mad Overlord」を購入して、昼夜問わず迷宮に入り続ける日々を送ったという筋金入りのマニアであり、語りだすと止まらないと本人も述べている。
PC時代の「ウィザードリィ」はハードの性能上原色しか使えずデザインも簡素なものであったが、ファミコン版は末弥純がデザインした個性的なモンスターを見事なグラフィックで表現した。このファミコン版「ウィザードリィ」は、原作者であるロバート・ウッドヘッドも、当時までにリリースされたシリーズタイトルの中で一番出来が良いと絶賛している。
現在では、「ウィザードリィ」のモンスターのイメージはほぼ末弥純の描いたものがデフォルト化しており、末弥純が直接関わっていないシリーズでもデザインが残っている。アップル版ではスライムの画像が使われていたフラックは緑色の服を着たピエロのような怪人に、なぜかドクロだったグレーターデーモンは太くて巨大な腕を持つ悪魔に、骸骨・もやもやの姿だったバンパイアロードは貴族風の衣装を着た金髪の男性に、マイルフィックはパズスの姿と設定に、悪魔→中東風のヒゲ男と変遷していたデルフはデルフト焼きに引っ掛けたらしい陶器の悪魔になった。
(ただし、これらの日本版解釈の全部が末弥案というわけでもないようだ。それより先に出た書籍類を参考にしているらしいものもある)
作品リスト
モンスターデザイン
キャラクターデザイン
特撮関連(いちごはうす名義)※実際は不参加という説あり漫画
|
イラスト(小説)
イラスト(ゲーム)カードイラスト
|
※その他の関連作品についてはWikipediaの該当項目参照
また『超獣戦隊ライブマン』に関しては後年に出た書籍でいちごはうすの元メンバーであった秋恭摩が「(末弥が)特に参加していた覚えがない」とインタビュー内で答えているが真意は不明である。
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
関連人物 |
関連作品 |
- 7
- 0pt