札幌市交通局3000形電車とは、かつて札幌市交通局が保有し、南北線で運行していた地下鉄用車両である。
概要
南北線北24条~麻生間の延伸開業と同じ1978年に8両1編成が登場。その後1990年までに5編成40両が導入された。うち3編成は2000形の置き換えが目的である。市営地下鉄では最も編成数の少ない系列で、乗車機会の限られるレアな車両であった。
すでに南北線は終日8両編成での運行となっており、8両貫通編成で運行することと、2000形・6000形の製造・運行で得られた知見を反映することで、新車両の導入となった。
外見・内装
デザインは東西線用6000形をベースにした直線的な意匠であるが、よりシンプルになっている。先頭車は非常用扉を向かって左側にオフセット配置した左右非対称形で、その後の地下鉄デザインにも取り入れられた。2000形にあった前面の大きな札幌市章は窓下に移って小さくなり、前照灯もやはり窓下に、逆に行先表示器は窓上に移っている。ごく初期のみ前頭部のグリーンが濃い色調だったが、すぐに改められた。
内装も6000形に似た明るい色調だが「名所プリント」はおこなわれなかった。オールロングシートで網棚は無い。連接部・非連接部問わず貫通路が広幅の六角形になっており、これも6000形ゆずりである。
走行機器等
2000形とサイズや扉位置は揃えられたが、機構はぐっとオーソドックスな2車体3台車の連接車となった。これを4ユニット繋いで8両編成としている。駆動台車もボギー台車化され、110kw/hの電動機を平行カルダンとして収めている。連接台車は駆動しないが、名目上全電動車方式といえる。制御装置は電機子チョッパ制御、制動装置は回生制動付電気指令式である。
経過~引退
3000形の導入は、麻生駅への延伸開業に備えるためであり、2000形の補完という位置づけであったため少数にとどまった。2000形を実際に置き換える時期になったら、「2車体連接で1両当たり13.5mで扉2ヶ所」という前提そのものを見直すことになり、結果として18m4扉車の5000形の導入に至った。
2000形全車引退の4年後、第1編成が運用離脱し引退。その後も運用機会は徐々に減らされていき、また東西線で設置済みのホームドアが南北線でも2012年度中に設置されることから、ホームドアに対応できない3000形は2012年3月25日をもって引退となった。
関連動画
関連項目
南北線 | 東西線 | 東豊線 | |
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現行車両 | 5000形 | 8000形 | 9000形 |
引退車両 | 2000形 - 3000形 | 6000形 | 7000形 |
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