株式会社東海バスとは、伊豆半島を主なエリアとする小田急電鉄グループのバス会社である。
概要
伊豆半島において、一般路線バス、高速乗合バス、貸切バス、自治体コミュニティバスの運行を行う。親会社の「東海自動車株式会社」は当初直接バス事業を行っていたが、1999年にエリアごとに5社6事業所体制に分社化し、子会社に運営を委ねた。
しかし、人口減少や少子高齢化により継続的な事業運営が困難になった事から、2020年にバス事業会社5社を合併により再統合した。
バスエリア近辺には、東急電鉄グループの伊豆急行、西武鉄道グループの伊豆箱根鉄道・伊豆箱根バスと言った競合交通機関があるものの、関係は良好である(伊豆箱根バスとは共同運行便も存在する)。
この会社のルーツは1916年に設立された下田自動車と1917年に設立された伊東自動車(翌年に東海自動車に改称)である(1932年に合併)。ちなみに「東海自動車」と言う商号で事業を行った年数は81年(1918年~1999年)で、これは日本では最長記録である。
小田急グループ入りしたのは1971年で、それ以前は東急と協力関係にあった(東急グループではなかったのは東海自動車側の抵抗であった)。
2016年には、伊豆半島を舞台とするアニメ作品に登場。(しかも2作品)ラブライブ!サンシャイン!!とあまんちゅ!のラッピングバスが登場し代理戦争が勃発。ラブライブに至っては、かつて西武と小田急によって引き起こされた、箱根の輸送シェアを巡る対立(箱根山戦争)の再燃とも言われている。
なお、名古屋市に本社を置くジェイアール東海バス(JR東海グループ)とは一切関係がない。
バスの車体は2通りある。
一般路線バスは、クリーム系をベースにオレンジのラインを入れている。神奈中からの移籍車は赤からオレンジに塗り替えただけのものも存在する。
観光バスと高速路線バスは、清潔と忠実を表す白をベースに赤い翼を描いた、小田急グループ統一塗装を纏い、前面に小田急のロゴが入る。
旧事業会社・営業所
旧・伊豆東海バス
伊東、熱海地区の一般路線バスを運行。あまんちゅ!に登場しているバスは伊東営業所の所属である。
2020年の経営再統合の際には、旧・伊豆東海バスが存続会社となった。
旧・南伊豆東海バス
稲取、下田地区の一般路線バスと特急バス「西伊豆ライナー」(伊豆急下田駅~堂ヶ島)を運行。このほか、東伊豆町自主運行バスの受託運行を行っている。分社化当初は稲取営業所が存在していたが、2014年に廃止された。
かつてバスエリア内には競合交通機関として、伊豆下田バス(伊豆箱根鉄道系列)が運行していたが、2006年に撤退し、バス路線は南伊豆東海バスに移管されている。
旧・西伊豆東海バス
西伊豆地区の一般路線バスと特急バス「西伊豆特急バス」(沼津駅・三島駅~堂ヶ島・松崎)、「西伊豆ライナー」(伊豆急下田駅~堂ヶ島)を運行。このほか、松崎町自主運行バスと西伊豆町自主運行バスの受託運行を行っている。
旧・新東海バス
中伊豆地区の一般路線バスと高速バス「伊豆長岡・修善寺温泉ライナー」(新宿駅~伊豆長岡温泉・修善寺温泉)および貸切バスを運行。
1999年の分社化時点では一般路線バスを運行する中伊豆東海バスと貸切バスを運行する新東海バスに分かれていたのだが、2013年に合併したため、一般路線バスと貸切バスの双方を運行することになった。
旧・東海バスオレンジシャトル
沼津・三島地区の一般路線バスと高速バス「三島エクスプレス」(新宿駅~三島地区)、特急バス「西伊豆特急バス」(沼津駅・三島駅~堂ヶ島・松崎)を運行。このほか、三島市内100円バス、長泉・清水循環バス、清水町循環バスの受託運行を行っている。
1999年の分社化時点では沼津東海バスと言う社名であったが、2002年に沼津箱根登山自動車(箱根登山鉄道(箱根登山バス)からの分社化)の全路線が譲渡され、沼津登山東海バスとなった(2016年に現社名に改称)。
「ラブライブ!サンシャイン!!」に出てくるバスはこの会社が運行し、そのまま沼津営業所が継承しているバスであり、CDに収録されているPVには旧社名が登場している。
余談
東海自動車時代の1976(昭和51)年、教習車となっていたボンネットバスを活用し「伊豆の踊子号」を運行開始した。ツーマン仕様車であることを逆手に取り、踊子コスチュームの車掌を添乗させており、地震のため低迷していた観光客呼び込みに一役買った。また1989(平成元)年からはレトロ調バス「リンガーベル号」を運行し、いずれも全国的なブーム(ボンネットバスブーム、レトロバスブーム)を引き起こすこととなった。リンガーベル号は引退済みだが、伊豆の踊子号は貸切車両としてなお健在である。
関連動画
関連項目
外部リンク
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