東郷健(とうごう けん、1932年ー2012年)とは、日本の政治活動家・AV監督である。本名は東郷健(とうごう たけし)。
概要
兵庫県の政治家一家に生を受ける。後妻の子だった東郷は、家長である異母兄による継母いじめを目の当たりにするなど複雑な家庭環境の中で育った。
大学卒業後、ガソリンスタンド経営、養鶏場経営、ゲイバー経営、ゲイ雑誌編集など様々な事業を経験する傍ら、政治活動にも傾倒。「おかまの東郷健」を売り文句に参議院・衆議院選挙、都知事選挙に機会あるごとに立候補し、いずれも落選した。しかし、性的マイノリティ擁護や反資本主義、ユダヤ陰謀論を前面に押し出し、「ちんちん」「おかま」などの言葉を多用した過激な政見放送は注目を集めた。
1982年に政党「雑民党」を立ち上げる。東郷をはじめとした同性愛者に加えて、死刑廃止論者、天皇制廃止論者などの左派色の強い候補や障がい者団体出身者などを擁立したが、議席獲得はならなかった。雑民党の活動停止後もマイノリティ解放運動を精力的に行う。また、わいせつ物の表現規制をめぐって官憲と対立を重ねた。
AV監督としては、メーカー「ExGays」から「青い性芯」「薔薇図鑑」「男魂」シリーズなどを世に送り出した。
評価
本邦におけるLGBT活動家の草分け的存在であり、当時としては同性愛者をはじめとした社会的少数者の社会的進出のきっかけを作ったという評価がある。
1983年の参議院選挙で、手話による会話しかできない聴覚障害者の渡辺完一氏を雑民党から擁立した際は、「そのまま放送しなければならない」というルールにのっとってNHKが手話通訳を拒否してしまう事件が起こった。その結果、TVでは手話のみの放送が流され、ラジオでは発話が困難なために理解困難な放送となってしまった。この出来事をきっかけに発生障害のある候補者のために手話通訳が認められるに至った。
同性愛差別と戦う一方で、女装男娼の侮蔑語である「おかま」を世に広めてしまい、逆に同性愛差別を広めてしまったという指摘もあるなど、評価の難しい面もある。
様々な批判があるものの、東郷健は人生を闘争に捧げた偉大な活動家だったと言えるだろう。
関連動画
政見放送
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関連項目
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