概要
1948年にそれまでの神奈川県警察部から横浜市に移管される形で発足。
2018年4月時点で職員3468人、消防車両243台、救急車96台、その他車両145台などを備えた全国有数の大規模消防本部である。
横浜市安全管理局?そんな時期あったかな?
特別高度救助部隊(スーパーレンジャー)
消防局本部直轄の救助隊で本隊は中区の本牧和田出張所、支援部隊は西区の横浜市民防災センターに配置。
沿革
終戦後の復興に伴う都市開発と工業化の結果、工場での事故や交通事故、防災設備が不充分な建物での火災など多くの災害が日本各地で発生し横浜市も例外ではなかった。
これに対応するべく横浜市消防局は、1947年に『特別救助隊』を編成したがこの部隊は火災対応が主だったため新たな災害に対応仕切れなかったことから在日米軍消防隊を参考に救助用資機材の導入を行うと共に、消防官の意識改革と能力向上の方法を求めた結果、陸上自衛隊富士教導団普通科教導連隊のレンジャー訓練に選抜した消防官を6年にわたって派遣しレンジャー精神とロープワークを中心とした技術を修得させた。
その1期生が修了して間もない1963年11月、国鉄戦後五大事故の一つ『鶴見事故』が発生した際に各部署に帰還していた1期生が際立った対処をしたことに加え、前述の救助用資器材の内、油圧式救助器具が破壊された列車の解体に威力を発揮したことから、『レンジャー経験者と救助用資機材を組み合わせることで有効な救助活動が実施できる』との結論に至った消防局は翌1964年、消防局本部直轄『消防特別救助隊』を編成した。
その後、『特別消防隊』への改称を経て後述する救助隊との2本柱体制で運用が続いていたが阪神・淡路大震災を受けて1997年に震災対応救助部隊『機動救助隊』が編成された後、2009年に『特別消防隊』と『機動救助隊』を統合して『特別高度救助部隊』が編成された。
発足した2009年にはTBSが制作した連続ドラマ『RESCUE~特別高度救助隊~』の題材となり後述する救助工作車群も含めて撮影協力を行った際に略称の『SR』が車両にマーキングがされそのまま公式採用された。
部隊編成
部隊の総定数は44人。このうち日勤は統括隊長と2名で構成される総合指揮隊のみで以下は2交代制で当直時は13人+8人。因みに特殊災害対応隊は特殊災害の知識・技術を持つ隊員で構成されているため、救助用のオレンジ活動服を着用していない。
部隊名 | 主な任務 | 主な運用車両 | 隊員数 |
総合指揮隊 | 現場での指揮を担当 | 総合指揮車 | 3名 |
機動第1救助隊 機動第1救助工作車(2代目) |
大規模火災対応 緊急消防援助隊先発 |
機動第1救助工作車 特別高度工作車 |
10名 |
機動第2救助隊 機動第2救助工作車(5代目) |
大規模事故 水難災害 NBC災害 |
機動第2救助工作車 けん引工作車 |
12名 |
機動特殊災害対応隊 | NBC災害 遠距離送水 地下街火災 兵站支援 |
特殊災害対応車 機動支援車 高発泡車 遠距離送水車 ホース延長車 |
16名 |
他部隊
部隊名 | 説明 | 備考 |
特別救助隊 (横浜レンジャー、YR) |
消防署に配置されている一般救助隊。 本署ではなく出張所に配置されている。 これは救助活動だけでなく消火にも 単隊で対応するためポンプ付救助工作車 で運用しているためである。 |
横浜市は18区 =18の消防署が あるため18隊 配置 |
水上消防救助隊 (WR) |
2019年に編成された水上災害対応部隊。 従来からあった「水難救助隊」と 「水上消防隊(消防艇部隊)」を統合した 部隊。 |
1隊配置 |
特殊災害対応隊 | NBC災害の初期対応を行う部隊。 | 3隊配置 |
航空消防隊 | ヘリコプター2機で運用。 それぞれ『はまちどり』1号、2号と 愛称がつけられている。 |
発足当初はフランス製 ヘリコプターで運用 していたが 2010年代にイタリア製 へ移行。 |
化学消防車セット | 日本を代表する港湾地帯を管轄して いるため、危険物火災対策用に配置。 鶴見区に3点セット(大型化学消防車、 高所放水車、泡原液搬送車)、中区に 2点セット(大型化学高所放水車、泡 原液搬送車)を配置。 |
有事の際には単隊運用 の泡原液搬送車2台、 沿岸部管轄のはしご車、 重化学消防車や後述の 遠距離送水車ペアも 加わる。 |
消防音楽隊 | 広報活動の主力を担う。 演奏部隊とマーチングドリルを行う 『ポートエンジェルズ119』の混成。 |
複数の民間企業と スポンサー協定を締結。 |
消防車両
車両名 | 説明 | 備考 |
機動第2救助工作車 (バス型救助工作車) 4代目 |
SR伝統の救助工作車。 乗車室から荷台部、後端まで 通路が貫通して配置されて いるため、出動中に救助資器材、防護服設定・着装が可能。 |
初代から2代目までは 日産製、3代目は三菱製に して3軸車、4代目からは日野製を使用。 |
けん引工作車 (クレーン車) |
機動第2救助工作車と ペアを組み重量障害物の排除、 転落した車両の吊り上げ を行う。 |
初代から2代目はトラック クレーンを使用。 また初代はクレーンの 先端にバスケットが備えられ、 高所での救助活動を 想定されていた。 |
水難救助車 | 水難救助用の消防車。 | 初代は水陸両用車、 2代目はポンプを装備した 火災対応兼任型、 3代目は水難救助に特化。 |
ミニ消防車 | 震災対策と道路が入り組んだ 地域対策用に軽自動車ベースに艤装。 |
1990年代までは軽トラックベースだったが 2000年代に軽ワゴン車ベースへ移行。 救急資器材を積載して救急事案に対応する隊もある。 |
機動二輪車 (赤バイ) |
昭和時代は消火器を装備していたが1度廃止後震災対策と して復活。 |
現行版は非緊急車両。 |
特殊災害対策車 | 特殊災害対応隊が運用しNBC対応資機材を積載。 1990年代はポンプを装備したバス構造式の車両だったが 2010年代にマイクロバスベースの専任車両に更新。 |
原型は旧特別消防隊に配置されていた『高圧ガス対策車』。 現在のSRでは総務省消防庁の貸与車両を運用。 |
重機 | SRと緑消防署が運用。 双方とも装輪式を採用している。 |
緑消防署の配備車両は 2000年代まではレッカー 機能付ウニモグベースだった。 |
スーパーファイター327 (耐熱救助車) |
SRに配備されていた軍用装甲車ベースの車両。 有珠山噴火災害の際に避難地域から住民を救出する手柄を 立てたが更新配備はされなかった。 |
同型が北九州市消防局に配備 されていた(退役済)。 |
ロボファイター330 (消防ロボット) |
放水銃による消火能力、 アームによる障害排除+被災者救出能力を有していた。 退役済。 |
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遠距離送水車・ホース延長車 | 阪神・淡路大震災後の震災時 大規模火災対策に配備。 初期は送水任務は消防艇が担当したためホース延長車のみ だったが更新後はSRの支援部隊及び総務省消防庁貸与の ドラゴンハイパー・コマンド ユニット部隊の2セットが 運用されている。 |
狭隘路が多い住宅地向けに 『ホース搬送車』も数台 配備されているが実態は 軽トラックベースの 『資機材搬送車』である。 |
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関連項目
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