機動戦士ガンダムTwilight AXISとは、ガンダムシリーズの小説、およびそれを原作とするアニメ/漫画作品である。
概要
2016年にサンライズのWebサイト「矢立文庫」にて公開中のガンダムシリーズの小説作品。
著者は中村浩二郎(主な脚本にSDガンダムフォース、蒼き鋼のアルペジオ アルス・ノヴァ)。
「機動戦士ガンダムMSV-R ジョニー・ライデンの帰還」で知られる漫画家集団Ark Performanceがストーリー構成とデザインを手がけている。
「ジョニー・ライデンの帰還」とは世界観・設定を共有しており、本作の主要キャラクターの過去が「帰還」でも描かれている。
「機動戦士ガンダムUC」の数ヶ月後を舞台に、「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」作中で地球から離脱した小惑星「アクシズ」のその後が語られる。また、「機動戦士ガンダムF91」の世界情勢に繋がる描写もあり、「UC」と「F91」を繋ぐ橋渡し的な意味合いも含んでいる。
2017年にはアニメ化が決定し、同年6月よりガンダムファンクラブを皮切りに配信が開始される。
「機動戦士ガンダムAGE」「ガンダムビルドファイターズ」で作画監督を務めた金世俊が監督を務め、ガンダムアニメ作品では初の外国人アニメーターの起用となった。
2017~19年3月まで月刊ヤングマガジンで漫画連載。コミカライズは蒔島梓。基本的ストーリーは共通だが、劇中での展開及びメカニックが異なる。
あらすじ
宇宙世紀0096年、ラプラスの箱=宇宙世紀憲章をめぐる事件後から数か月が過ぎたころ、地球連邦軍は地球圏外に漂う、分断されたアクシズに調査団を派遣させる。
調査団のメンバーには、アルレット・アルマージュとダントン・ハイレッグという二人の民間人も参加していた。
彼らはかつて技術者とテストパイロットとして、ジオン公国軍、エゥーゴ、そしてネオ・ジオンに仕官していたという過去があったのだ。
アクシズに潜入した調査団は、誰もいないはずの基地内で強襲を受ける。
そしてアルレットとダントンは、想像もしていなかった出来事に遭遇するのだった…。
登場人物
- アルレット・アルマージュ(声優:清水理沙)
一年戦争から第二次ネオ・ジオン抗争までジオンの兵器開発に携わって来た才女。第二次ネオ・ジオン戦争後はダントンと共にサイド6でクリーニング店を営んでいたが、地球連邦軍特殊部隊「マスティマ」の招聘を受け、シャア・アズナブルのその後の行方の手がかりを得る為にアクシズへ赴く。
ニュータイプ研究の被験体としてフラナガン機関で実験を受けていた過去を持ち、肉体の老化が遅く劇中でも外見はハイティーンの少女。その容姿のためサイド6ではダントンとは親子と称していた。
ニュータイプ(NT)ではあるが、サイコミュ兵器が稼働出来ない事から「失敗作」とされていたがNTとしての「機械に対する直感的に構造を理解できる能力」がシャア・アズナブルに見いだされ、彼の専用機の整備・開発を手掛けるエンジニア兼アクシズでの技術顧問として彼の政治基盤を構築する。
シャア専用ゲルググから始まり、リック・ディアス、百式、そしてシャアに渡らなかったザクⅢ改と最期の機体になったサザビーも手掛けている(基幹技術であるサイコフレームはナナイ・ミゲルの設計開発だが、サザビーの機体パッケージングはアルレットが行っている)更に『ジョニー・ライデンの帰還』ではサイコフレーム試験用ディジェも手掛けており、シャアに悪態をついている。 - ダントン・ハイレッグ(声優:阪口周平)
ジオン公国、エゥーゴ、ネオ・ジオンでモビルスーツのテストパイロットを務めていた青年。ダントン・クリーニング商会の店主。
シャア・アズナブルとは一年戦争からの付き合いであり、第二次ネオ・ジオン抗争時まで彼付きのシューフィッター(機体テスト)を務めた。同抗争時にシャアからアルレットを託され、
アクシズ・ショック後はアルレットと共にサイド6に隠遁していたが、過去の罪状・経歴の抹消を条件にマスティマの案内役としてアクシズへと赴く。劇中でザクⅢ改、R・ジャジャに搭乗。
アニメ版ではMSの操縦は好きだが命の遣り取りに抵抗があるという戦場の兵士としてトラウマがあったが、漫画版ではそういった描写がなく士官学校を卒業した一年戦争こそ参加しなかったもののエゥーゴ→ネオ・ジオンでMSパイロットとして渡り歩いてきた歴戦の猛者。 - メーメット・メルカ(声優:小野大輔)
連邦軍特殊部隊「マスティマ」の隊長。地球連邦政府内閣第六室所属の中尉。
アクシズ内部の研究機関の調査と、サイコ・フレームの研究資料の有無の確認を行う為、道案内としてアルレットとダントンに接触。作戦中は彼らの護衛の任も帯びる。MS操縦は出来ないが、単独で「バーナムの森」のジェガンを撃退・擱座させるなど凄腕。
連邦の諜報機関に籍を置いてはいるものの性格は至って穏やかかつ常識人であり、任務とはいえアルレットとダントンを戦闘に巻き込んでしまった事を悔やんでおりアルレットからも人柄を信用されている。なお軍務の特殊性故かバツイチである。会計監査局に友人がおり、事件後ある程度この事件における背景を知る事になる - クァンタン・フェルモ(声優:増田俊樹)
マスティマを襲撃した「バーナムの森」に所属する兵士。
オーガスタ研究所出身の強化人間であり、ガンダムAN-01”トリスタン”を乗機とする。連邦軍高官の息子だったが、一年戦争以降の連邦軍の大損害により孤児になりヴァルターを二人三脚で生きていたが紆余曲折の中、シャルンホルスト、マイッツァー・ロナ親子に見いだされる。 - ヴァルター・フェルモ:
「バーナムの森」の兵士。バイアラン・イゾルデを駆るクァンタンの弟。 - シャルンホルスト・ロナ
ブッホ・コンツェルン創始者。元の名を「シャルンホルスト・ブッホ」ジャンク屋から身を立て、一代にしてブッホ・コンツェルンを築いた。企業経営を通じて地球連邦の衆愚政治・民主主義の限界を痛感し、優れた能力を持つ貴族による社会変革を計画。その一環としてアクシズに存在するであろうサイコ・フレームのデータ回収を目論む。 - エンゲイスト・ロナ
シャルンホルストの長子。連邦議会の議員を務め、シャルンホルストに非公開議事の内容(マスティマによるサイコフレーム回収作戦)をリークする。 - マイッツァー・ロナ
シャルンホルストの次子。後に「機動戦士ガンダムF91」にてクロスボーン・バンガード総帥として登場。同作では「バーナムの森」を指揮しており、クァンタン、ヴァルター兄弟をシャルンホルストに引き合わせている。
- シャア・アズナブル
ジオン公国大佐にしてネオ・ジオン総帥。アニメでは登場していないが、小説・漫画版ではアルレットとダントンの回想で要所に登場。アルレットにとっては実験体扱いされていた境遇から救い「アルレット・アルマージュ」の名を与えてくれた恩人であり、ダントンにとっては自身のMSパイロットとしての人生を振り回されたいけ好かない上司。彼の遺志が結果的に二人を救う事になる・・・
登場メカニック
- AMX-011S ザクⅢ改
ネオ・ジオンが開発したMS-06ザクⅡの後継機。第一次ネオ・ジオン抗争(機動戦士ガンダムZZ)ではエースパイロットによって運用された高性能機。ダントンが搭乗。本来はハマーン・カーンがシャア・アズナブル専用機としてアルレットに開発を指示した機体であり、結局ハマーンと袂を別ったシャアの手に渡る事はなくアクシズの研究棟で放置されていた。『ZZ』劇中で登場したマシュマー・セロ機との差異としてバック・パック・膝アーマーが通常のザクⅢの物になっており、ギラ・ドーガのビームマシンガンを携行(漫画版では装備せず) - AMX-104 R・ジャジャ
ダントンがアニメ版ではトリスタンを、漫画版では更にバイアラン・イゾルデ迎撃のため搭乗。ネオ・ジオン時代にもテストしている。劇中ではバリアブル・シールド・スラスターが片方無く、そのため高機動のバイアランに苦戦している。同作品ジオンサイドの機体としてはアルレットが唯一携わっていなかった機体。
上記のザクⅢ改が装備しなかったビーム・マシンガンとギラ・ドーガのシュツルムファウスト搭載シールドを装備して交戦している - RX-78AN-01 ガンダムトリスタン
「バーナムの森」が運用するガンダムタイプの機体。RX-78NT-1「AREX」がベースの機体で、本来は連邦海軍戦術研究所(サナリィ)に籍がある機体のはずだが・・・
漫画版では経緯が明らかになっており『ポケットの中の戦争』後、中破した状態のままルナツーで放置されていたのがオーガスタ基地に開設されたオーガスタ研究所に所属が移管。ティターンズの主導により強化人間研究のためのテストベッドとしてトリスタンに改修され、クァンタンが被検体(パイロット)になる。その後ティターンズ解体に伴うオーガスタ研究所の閉鎖により所属が二転三転するが、脱走の機会をうかがっていたフェルモ兄弟により強奪、その後マイッツァー・ロナと接触し「バーナムの森」に渡った。サナリィとはこの時点で交渉の末、新型装備のテストとして貸与され、書類でのみサナリィの所属になっている。増加装備として映像版ではアームドベース「クレヴェナール」、漫画版では後のクロスボーン・バンガートのMSに連なるフルアーマー「フェイルノート」を装備している。
元の機体であるNT-1は一年戦争時のロートルではあるが、全天周囲モニターを装備しアムロ・レイの搭乗が前提だった運動・機動性によるピーキーな機体設定からマンマシンインターフェイスが発展した宇宙世紀0096年においても反応速度・運動性能ではトップクラスであり、狭いアクシズ構内において小型故に小回りが利く特性に高推力の空間戦主体であるザクⅢ改で対峙したダントンも毒ついている。 - RX-160G バイアラン・イゾルデ
ガンダムトリスタン同様「バーナムの森」が運用する機体。バイアランの改修機。ガンダムタイプに酷似したデュアルアイタイプの頭部に加え、背面にバイアラン・カスタムが装備していたプロペラント兼増加スラスターと似たユニットを装備しており、MSとして異形だった原型機と比較して腕部・脚部がより人型(頭部の形状も相まって)ガンダムタイプに近い構成になっている。武装はバイアラン同様、腕部メガ粒子砲、ビームサーベル。 - AMA-X4 アハヴァ・アジール
アニメ版に登場。サイコフレームの前身と云うべきニュータイプ技術試験機検証として建造されるが途中で放棄、アクシズに放置されていた。終盤アルレットが起動を試みるが… - ファドラーン
漫画版に登場。『機動戦士ガンダムZZ』で登場したサダラーン級の試験艦であり、ネオ・ジオンのニュータイプ研究所を直轄していたグレミー・トトが建造を推進、アルレットも技術スタッフとして携わっていた。上記のアハヴァ・アジールの代替を担当。アハヴァ・アジール同様途中で放棄され艦首のMS格納庫や装備が無く、艦橋と周辺の装備・推進部のみと云ってもよく、主船体のフレームが剥き出しになっている。リフレクター・ビットを始めとする様々なサイコミュ兵器を装備した「サイコ・シップ」と云うべき特殊艦船 - MSN-04 サザビー
『逆襲のシャア』にも登場したシャア・アズナブル専用機にしてネオ・ジオンのフラグシップ機。アニメではビジュアルイメージとして擱座した姿とアルレット、ダントンの姿の対比として登場。劇中でアルレットが開発を担当した最後の機体であり、彼女がマスティマの依頼を受ける最大の要因でもある。
アニメ版スタッフ
- 原作:矢立 肇・富野 由悠季(「機動戦士ガンダム」より)
- ストーリー・コンセプトデザイン:Ark Performance
- キャラクターデザイン:金世俊
- オリジナルメカニカルデザイン:大河原邦男
- メカニカルデザイン:金世俊・阿部慎吾
- 作画監督:金世俊・阿部慎吾
- 美術監督:中村豪希
- 色彩設計:安部なぎさ
- 撮影監督:岩崎敦
- 編集:新居和弘
- 音響監督:藤野貞義
- 音楽:大間々昂
- 監督・脚本:金世俊
- 企画・製作:サンライズ
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