概要
一般的に、時計のムーブメントは機械式とクォーツ式に分類することができる。
クォーツ式は、文字通り水晶(クオーツ)による調速を行う電池式の物であり、機械式はゼンマイを動力にしテンプで調速を行う物である。
機械式に該当するのは、「手巻き」と、「自動巻き」である。
なお、ごく少数だが、音叉式を用いたムーブメントも存在する。
機構
巻かれたゼンマイが元に戻る力を利用し、ゼンマイが収納されている香箱車が回転、それにより二番車(分針がついている)、三番車、四番車(秒針がついている)と動力が伝わる。
四番車と噛み合っているのがガンギ車で、カンギ車の回転がアンクルに伝わり、アンクルがテンプ(振り子)を左右に動かす。テンプの運動は一定の周期であるため、アンクルはそれに従い動くこととなる。テンプは1秒に6〜8回程度振動しており、ここが時計の正確さを握る心臓となる。
アンクルには爪が二つあり、それらがゼンマイが勢いよく戻ろうとする力を止め、ガンギ車の動きを制御している。また、アンクルとガンギ車は脱進器(エスケープメント)と呼ばれている。機械式時計の心地の良い音はアンクルの振れ幅を調節するピンとの衝突音であり、ここから出ている。
手巻き
手巻きとは、竜頭(リューズ)を手で回転させることにより、ゼンマイを巻き、それにより時計の動力源とする機構である。
自動巻き
自動巻きとは、腕の振動により錘(すい)が回転することによりゼンマイが巻かれ、それにより時計の動力源となる機構である。
機能
機械式時計では、以下の機能がついている場合がある。
当然ながら、複雑な機能を有している時計は非常に高額となっている。
長所と短所
機械式時計は電池が不要で、また電気回路を使用していないので、大事に使えば百年単位で後世に残し伝えることができる。
しかし、精度に関してはクォーツ時計と比較して劣る他、オーバーホールに多額の費用を要することがある。
特に複雑な時計などでは、熟練された職人でないとオーバーホールができないということも考えられるので、その点についても考えた方がよいだろう。
これらの点を理解し機械式時計を愛用しているキャラとしてはゴルゴ13が居る。専属の時計職人に多額の契約料を払い特殊な機構をいくつも搭載した超特殊モデルの機械式腕時計である。最も彼とて特殊な状況に応じては、機械式時計を使用しない事も多々あるようで、やはり拭えない短所は存在すると言う事か。
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余談
最近では、ゼンマイを動力にクオーツで調速を行う「スプリングドライブ」なるトチ狂った代物もある。筆者としてはクォーツ式か機械式かハッキリさせて欲しい所である。
関連項目
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