残塁とは、野球やソフトボールにおいて、スリーアウトになって攻撃を終了した際に走者が塁に残っていること、またその数を示す記録である。
概要
イニング終了時、アウトにならなかった走者それぞれに1が記録される。個人の走塁記録のひとつであるが、報道などで日常的に目にする残塁数は試合でのチーム総数であることが多く、個人の数はそれほど意識されていない。英語ではLeft on Base=LOB。正岡子規は「立尽」なる訳語を当てた。
野球の構造における残塁
打者が打席を完了すると、最終的にはかならず「アウト」「得点」「残塁」のいずれかが記録される。このことは、「攻撃チームの打席数」と「攻撃チームが喫したアウトの数+得点+残塁」がつねに過不足なく一致することを意味し、ボックススコアの検算にも利用されている(公認野球規則10.03(c))。
たとえば、あるチームが9回の試合で4得点をあげ、7残塁を記録したならば、そのチームの当該試合における総打席数は38(3×9+4+7)でなければならない。
敷衍すれば、同一リーグ内で試合を消化する限り、「リーグ総刺殺(アウト)数=リーグ総打席数+総得点+総残塁」がかならず成り立つ。
残塁の価値
一度塁に出た走者は、本塁打、同時二者以上の得点、本盗や暴投での生還など打者と無関係な得点、犠飛やスクイズなど打者のアウトと引き換えの得点、盗塁死など走者自身の失敗、および併殺以外で人数が減ることはないため、イニング終了時に塁に残っているのはある意味当然のことである。本塁打は塁上の走者を一掃するので一発攻勢型チームの残塁はやや少なくなるが、それでも一般に安打が増加すると残塁も増加する傾向にある。すなわち、残塁とは出塁によって必然的に生じる事象であり、残塁の多さは出塁の多さ=チャンスの多さとも言える。
一例を挙げると、NPBで飛ばない統一球が導入されて全体の打撃成績が大きく落ち込んだ2011年のセ・パ両リーグ合わせた残塁数は11889で、本塁打も激減したにもかかわらず前年の12622から733(1試合あたり0.85)減少した。
一方で点を取れずに走者を残したまま攻撃を終えることは拙攻の典型と受け止められており、残塁は勝負弱さの象徴のようにも解釈される。
残塁が記録されるおもな例
→一塁走者に残塁を記録。
■2死一塁で遊撃にゴロが飛び、二塁で封殺
→打者に残塁を記録。
→二塁走者と一塁走者に残塁を記録。
■1死二塁で打者が安打を放ったものの、外野手からの返球によって二塁走者が本塁憤死
→打者に残塁を記録。
→得点は1点のみで試合終了、二塁走者と一塁走者、および打者に残塁を記録。
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