単語記事: 汚名挽回

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概要

  • 日本語の誤用として有名な言葉。
  • 「汚名返上」と「名誉挽回」が混ざってしまった誤用として、一部書籍・辞書による記載が広まってしまったもの
  • 時として、普段は「汚名」通り使えない者が、急に活躍して汚名返上するものの、
    その後また使えなくなることで「汚名」を「挽回」することをす。
  • 汚名を持つキャラだった者が、一時期汚名返上していた時期があり、再び汚名を取り戻す事 。

誤用ではない?

概要で示されているように一般的に誤用として広まっているが、間違いではないという説もある。
実際、一部の辞書には明確に「汚名挽回」は誤用ではないとわざわざ記されている。
一度デマが広がると否定するのにコストがかかるのと同様の例だといえる。

「挽回」の意味

「挽回」という言葉には「巻き返しを図って本来の良い状態に戻る」という意味がある。
そのため「汚名挽回」は「汚名を被っている状態から元に戻る」という解釈が可なため、「汚名返上」と同じ意味であるととらえることもできる。
似たような用法の言葉として「疲労回復」を思い浮かべれば理解しやすいだろう。

また、同じ「挽回」を用いた言葉でも「遅れを挽回する」「劣勢を挽回する」という言葉が一般的に使われているが、これも遅れや劣勢をもう1度得る、と言う意味では使われない。

なお、この説を正とする場合、「汚名挽回」は「汚名の有る状態から、良い状態へと回復する」と言う意味である。
「汚名返上」は、汚名を返上した後の状態を問わないため、根本的に意味の違う新である、とする説もある。

また、「(悪い意味で)汚名をもう1度得る事」と言う意味で汚名挽回を使ってしまった場合、「挽回」を誤った意味で用いていることになるため、明らか日本語の誤用となる。
恥ずかしいので使わないようにしよう。

この説への再反論

そもそも「汚名返上」「名誉挽回」と言う言葉が正しい熟として存在するのだから、
それらを使わずわざわざ別の熟を使おうとするのはおかしい、と言う物がある。
例えば「変幻自在」を「変幻自由」と言う事はない。「一両断」を「一太刀両断」とは言わない。というである。

しかし、これは最初から4文字として成立しているものに対して言えるものであり、2文字の組み合わせである本項に対しては妥当なものではない。

昔は使われていた可能性

1985年に出版された『揮者の戦訓』(図書出版社)(筆者:俊夫、1920年・京都府生まれ17ページに、以下の一文がある。

天皇は殊のほかご機嫌がよく、山下は恐悦して退出、先年の汚名挽回のため、一層の働きを心に誓った 

また、2006年6月27日に出版された戦場名言』(思社)226227ページにも、「汚名挽回」の文字がある。
こちらは、1950年前後生まれの方4名の編著。以下がその一文。 

これで敗北に打ちのめされていた太平洋艦隊の衆心は、がっちりと一つに固まった。新しい令長官は、汚名挽回チャンスを与えてくれたのだ。これで士気が上がらないわけはない。 

また、文化庁の調査によると、40代~60歳以上で「汚名挽回を使う」と答えた人が44.0~50.0
文化庁は、これを含めた3つのアンケートの結果から「本来とは異なる言い方が,高年層で高い割合」と結論付けたが、上記2つの例文を見ると、昔は正しいとされていた可性も見えてくる。 
2004年に行われたアンケートなので、40代以上は1964年以前に生まれた人になる。) 

当然、文化庁の結論が正しい可性もあるが……。

三省堂国語辞典に掲載

2014年5月1日国語辞典編纂者の飯間浩明氏のツイートが話題となった。
概ね、上記の「挽回」に関する件を『三国語辞典』第7版に記述した、とのこと。

同氏は、1976年の『死にかけた日本語』(英潮社)の摘が原因なのでは、と推測している。
書籍によって誤った知識を植え付けられる事例は、「ゲーム脳」などの疑似科学を扱う本が記憶に新しいか。

小ネタ

そもそも「汚名」は「ぐ」ものであって「返上」するものではない、という説もある。
その拠になるかは不明だが、青空文庫内で「汚名(を)返上」という文が見つからなかったという報告がある。

「名誉挽回」というにも異議を唱えるがある。
「名誉」は自でどうにかできない面もあるため、「名誉恢復(名誉回復)」のほうが正しいのではないか、という説が挙がっているらしい。  

アニメ・ネットでの使われ方

アニメでの使われ方

汚名挽回」という言い回しは、書籍などでも当たり前に使われていた時代に学んだ人たちが制作した古いアニメを見ているとよく散見される。

たとえば1983年7月に放映開始された「キャッツアイ」(第1シリーズ)がニコニコアニメチャンネルで放映されたときにも何度も汚名挽回というセリフが出てきては視聴者ツッコミが入っていた。

しかし、決定的にサブカルチャー業界に広まったのは、ガンダムシリーズ富野由悠季監督の「トミノ」がきっかけとされる。

1985年昭和60年3月23日に初放映されたアニメ機動戦士Ζガンダム』の第4話「エマの脱走」において、脚本のミスジェリド・メサ(及び受け答えをしたバスク)が以下のセリフを発するシーンがある。

バスク 正攻法で、アーガマの新モビルスーツを略奪してもらいたいのだ。
中尉ならできるはずだ。
私に意見をするほどの、器量をお持ちだからな。
エマ しかし。
バスク なにも一人でとは言わない。
ライラ隊との共同戦線をることを許可しよう。
3機のガンダムMk-Ⅱを使っても良い。
ジェリド 大佐ガンダムMk-Ⅱを使わせていただけるのならば、自分が汚名挽回をしたく…。
バスク 汚名挽回?
その言葉は実績を見せた者がいうことだ。
どうかね、エマ・シーン中尉?

-------------------------------------------------------> 《 参考動画

セリフとして「汚名挽回」を発していたのは検証した結果この4話だけであったが(なお、劇場版漫画機動戦士Ζガンダム Define』では「汚名返上」に変更されている)、ジェリドセリフではなく実際に行動でも汚名挽回を繰り返すため、いつしか「汚名挽回」を代表するアニメキャラとなったのである。(詳しくはジェリド・メサの項を参照)

なお、当記事更新前に、ジェリド・メサが何度も汚名挽回と言っていたような誤った記述をしていたことをお詫びします。掲示板摘を受け調べましたが編集者うろ覚えでした。ジェリドの汚名返上のため謹んで訂正いたします。

また、『Zガンダム』より1年前の1984年(昭和59年)3月3日から放送したアニメルパン三世part』の第2話でもやはり次元大介が「とっつぁんに汚名挽回チャンスを~」と言っている場面がある。こちらはDVD版でも修正されずそのままである。製作者としては当たり前に使ってきた言葉を使っただけなので当たり前ではある。

このように「汚名挽回」というセリフアニメ業界において今でもり継がれるような名作アニメ上でも多用されたため、「誤用じゃない!(誤用じゃない!)ホントのコトバ~♪」(これはZZか)としていつしか妙な市民権を得ていったのである。そしてまた、それらのアニメを見て育った日本人にも、汚名挽回という言葉は焼き付いた。

しかし、21世紀以降のアニメでは、前述のデマを信じた人々からすぐツッコミが入るようになったためか、汚名挽回というセリフを見かけることは少なくなった。そのため現在ではボケとして使われることが一般的。
似たようなものにCLANNAD春原の汚名万来という誤用もある。

関連動画

関連項目


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読み:オメイバンカイ
初版作成日: 08/07/21 10:59 ◆ 最終更新日: 18/05/13 09:55
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汚名挽回について語るスレ

512 : ななしのよっしん :2018/04/15(日) 21:05:14 ID: RrN82N/lSy
気持ち悪い」とか「しっくりこない」という主観的な要因を排除して
過去の用法を見れば「汚名挽回」も「名誉挽回」もありえるんだよ
そもそもの初出が中国の「挽回霜鬓(白髪が元に戻る=若返る)」で
日本では漢文の訓読「則チ事挽回(ヒキモドシ)難シ(事態を元に戻すのは難しい)」だからね
かつて中国で回復論争(良い状態+回復と悪い状態+回復どっちが正しい?)が起きたときも
学者がどちらも昔から使われてて「どちらも使える」と結論づけた
513 : ななしのよっしん :2018/04/15(日) 21:51:34 ID: RrN82N/lSy
汚名挽回だの名誉挽回だのと言うのは本当に馬鹿らしくて
例えば「疲れを癒す」って言葉を「癒えるのは体だから誤用」とか「体を癒すが正しい」と言ってるのに等しいんだよ
「破損を修復する」を「破損を元に戻してどうする」とか「傷に直さないといけない」とかね
514 : ななしのよっしん :2018/04/27(金) 10:21:59 ID: UUAPg9bsXW
むしろ名誉挽回といった言い回しの方に違和感あるな
遅れを挽回すると言った言い回しで分かる通りマイナスの状況を表す言葉に組み合わされるのが自然だよね
515 : ななしのよっしん :2018/04/27(金) 12:33:06 ID: UUAPg9bsXW
汚名返上という言い回しも最近のもので
古くは汚名はぐものでありらすものです
つまり汚名というのは名が汚れた状態を表しているもので
実は返上の方がおかしい事が分かります
(汚れた自分の名を一体に返すと言うのでしょうね)
516 : ななしのよっしん :2018/04/30(月) 19:44:51 ID: BIAw4gSFv6
ここのhttps://thesaurus.weblio.jp/content/%E6%8C%BD%E5%9B%9Eサイトの挽回の意義素が「一度は不利な状況に陥ったものの、再び攻勢をしかけること」「一度状態が悪くなっていたものが再び立ち直ること」となってるのになんで汚名挽回が誤用になってるんだろうね。この意義素を元にした場合の意味は「汚名(悪い)状態を立ち直ること」って意味になるのに
517 : ななしのよっしん :2018/05/01(火) 12:41:02 ID: epPJW8Zdk+
「返上」はに「いただいた(あり難い)ものをお返しする」的なニュアンスだから
タイトルを返上する」とか「休日を返上する」みたいな表現になるよね普通
518 : ななしのよっしん :2018/05/13(日) 22:58:38 ID: 4pEBaQh7R7
挽回って言葉がそもそも強調とかそうした用法はされてないのに
なぜここまで誤用として広まったのか本当に不思議でならん
519 : ななしのよっしん :2018/05/16(水) 12:56:19 ID: RrN82N/lSy
近代日本で「挽回」が一般的な言葉として広まったきっかけは
おそらく明治時代「日中は協和してアジアの衰運を挽回すべし」という三和義と思われます
これも「衰運=衰えゆく運命」で悪い言葉を挽回してるんですよね
520 : ななしのよっしん :2018/05/17(木) 23:53:38 ID: T4Xf4wMKCs
和気清麻呂が汚名「別部穢麻呂」を称徳天皇に返上した話くらいは出てこないと・・・
汚名挽回誤用の論調からは知性を感じられないんだよなあ
521 : ななしのよっしん :2018/05/18(金) 14:33:11 ID: +G9+0xYL/9
汚名挽回」を誤用だと思ってる人が「頽勢挽回」の意味をどう捉えているのか知りたい
「一旦良くなった形勢が再び衰えること」みたいに解釈してるのかな
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