「俺たち軍人でもなんでもないんですよ!学生ばーっかりでどうしろってんです!?」
『流星機ガクセイバー』とは、1992年から1994年にかけて展開されたメディアミックス作品である。
小説、ラジオドラマ、漫画、OVAが存在する。本項目では主に小説版とOVA版を中心に取り扱う。
概要
基本的なストーリーを共有したメディアミックス作品。小説を始めとしてラジオドラマ、漫画、OVAが展開された。
小説
1992年に発売。著者は千葉克彦。設定的にはロボットアニメのそれだが、メインは非日常の中で日常を送る高校生達の物語である。
ラジオドラマ
TBSラジオ「林原めぐみのTokyo Boogie Night」の「熱血電波倶楽部」にて放送された。後にドラマCDとして「覚醒編」「修学旅行編」に分けて発売された。放送は小説版の発売日より前に始まっている。
漫画
著者は厦門潤。コミックガンマにて連載されていたが、同誌休刊に伴い未完となった。全2巻。
OVA
1993年から1994年にかけてレーザーディスクとビデオで発売された。全6話で、各巻2話収録で全3巻が発売された。キャストはラジオドラマから変更されていない。製作はI.Gタツノコ(第3話から「Production I.G」名義に変更)。
あらすじ
ある日、富士の裾野に巨大な隕石が落下したが、それは未知の科学技術を満載したカプセルだった。
隕石の落下から十年が経ち、隕石(通称:ブラックボックス(B・B))の周囲には様々な研究所が立てられ、それに伴い富士五湖研究都市が形成されていったが、隕石の謎は一行に解明されなかった。
そんな中、国際アカデミア学園の教師である羽柴は己の仮説を証明するため、単位を餌に8名の学生を使ってある実験を開始した。それは、地球の命運をかけた戦いの始まりであった―
登場人物
- 吉村学 (声:松本保典)
- メイン主人公。国際アカデミア学園3年生の生徒会長で、高明以外からは「生徒会長(会長)」と呼ばれる。ガクセイバーのメインパイロットを務めるのも、その役職に因るところが大きい。宇宙飛行士を志望しているが、和菓子屋を営む父親の手前言い出せないでいる。
- 昭島里美 (声:林原めぐみ)
- アカデミア学園1年生。新体操部に所属しており、将来はかなり有望視されている。明朗闊達な性格で周囲からの人気も高い。
- 杉山高明 (声:塩屋浩三)
- アカデミア学園3年生で、所属は相撲部。学の幼馴染みで、彼を本名で呼ぶ数少ない人物。「ガクセイバー」の由来になった記事冒頭の台詞は彼のもの(小説・ラジオドラマ)。
- スーザン・ウォーカー (声:玉川紗己子)
- アカデミア学園2年生で、所属はテニス部。カリフォルニア生まれのアメリカ人で勝ち気な性格。
- 佐々木健吾 (声:佐々木望)
- アカデミア学園1年生。野球部でピッチャーをしている。由美とは幼馴染みで「由美ねえ」と呼んでいる。
- 藤井由美 (声:折笠愛)
- アカデミア学園3年生。弓道部に所属する傍ら、生徒会で会計兼書記を務める。幼馴染みの健吾は弟のような存在で「ケンちゃん」と呼んでいる。
- ジョージ・細井 (声:子安武人)
- アカデミア学園2年生。所属はサッカー部。イギリス人と日本人のハーフでかなりの美形だが、その実ポジションは三枚目。スーザンとは幼馴染みでよく付きまとうが、当の本人からは煙たがられている。
- 安藤新菜 (声:水谷優子)
- アカデミア学園1年生。現役アイドルで、芸名は「安藤ニーナ」。その言動にはしたたかさが見え隠れし、男性ファンは多いが女性ファンは皆無。
アイドルキャラであるためか、キャラソンとしてシングルCDが発売された。 - 羽柴当吉 (声:堀内賢雄)
- アカデミア学園の教師。プロジェクトB・B(B・Bを解明する研究事業)の言語及び原子工学研究分野の科学者でもあり、単位を餌に学達8名を実験に使い、ガクセイバーを誕生させた。
佐藤(声:高木渉)と鈴木(声:岩永哲哉)という後輩がおり、研究の助手をさせている。 - 桐生琴音 (声:伊倉一恵)
- OVA版に登場。プロジェクトB・Bのリーダーで、つかみ所のない羽柴に強く反発する。
- ワーキュリー (声:小杉十郎太)
- 戦闘ロボット・ガルレオンを駆るプロキシマの戦士。銀河決闘を行うために地球を訪れた。
- ディオーラ (声:松井菜桜子)
- ワーキュリーの部下。
- 少年A (声:藤田淑子)
- OVA版に登場する謎の少年。
登場メカ
ガクセイバー
隕石内の「ユニット」と呼ばれるブロックが学達の脳波に感応して融合・変形して誕生した巨大ロボット。操縦方法は脳波コントロール方式で、パイロットの思考にダイレクトで反応して動かせるが、その反面パイロットの思考がバラバラだとまともに動くことができない。8つあるユニットの内、最初に新菜が乗り込んだもののみ合体しておらず、OVA版ではそれがニーナロボとなった。
その正体は惑星間で行われる銀河決闘用のロボットで、技術水準の低い惑星に供与されるもの。
名前の由来は「流星として落ちてきた機械(ユニット)に学生ばーっかりが乗っている」から。
小説・ラジオドラマ・漫画版
メインカラーは青で、ラジオドラマ版の主題歌では「青い流星機」と歌われている。スーパーロボットらしい力強さを感じるフォルムをしているが、これと言った特徴は無い。漫画版ではバリア機能がある。
OVA版
「宇宙戦において目立つため」という理由でメインカラーが赤色に変更され、主題歌のタイトルも「紅の流星機」になっている。デザインも頭部を始めとして、細部が異なっている。
後述のニーナロボと合体(胸部に収容)することで真の実力を発揮し、各種武装や飛行能力が使用可能になる。特に武装に関してはパイロットの考えた通りの物が出現し、劇中では剣(セイバーサーベル)を始めとして弓矢やリボン、果てはレーザーや重力波兵器など様々な武器を使用した。
ニーナロボ
OVA版にのみ登場。ガクセイバーに一足遅れて変形したため、マイクを持って歌って踊れる新菜専用のロボとなってしまった。単独で飛行が可能。ニーナ手裏剣なる武器を用いたが、敵に届く前に地面に落ちてしまった。
主題歌
ラジオドラマ
オープニング「流星機ガクセイバー」
作詞:Toshi/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:林原めぐみ
エンディング「Try and Try!」
作詞:Toshi/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:玉川紗己子、折笠愛
OVA
オープニング「紅の流星機」
作詞:Toshi/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:影山ヒロノブ
エンディング「夜空の星がみている」
作詞:白峰美津子/作曲・編曲:渡辺宙明/歌:林原めぐみ、水谷優子、玉川紗己子、折笠愛
関連動画
関連静画
関連項目
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