温州みかんとは、日本でよく食べられている種無しのみかんのことである。
果物としての詳細はみかんの記事が詳しいのでそちらを参照。
この記事では温州みかんのエピソードなどについて記述する。
概要
冬場にスーパーの売場で群をなして売られているみかん、あれの正式名称が温州みかん(学名Citrus unshiu)である。
温州とは中国の州を指すが、実は鹿児島で生えた突然変異種のミツカン(蜜柑)が起源であり、中国とは関係ない。
記述そのものは魏志倭人伝や日本書紀にもあり、その種無しという性質から戦国時代には忌み嫌われたものの、強い甘味と種無しの利便性が明治以降に人気を呼び、特に高度経済成長時代には黄色いダイヤと称して大増産された。
欧米でも人気を博しており、「Mikan」や原産地に因む「Satsuma」の名で親しまれているという。「Satsuma」はアメリカでは温州みかんの産地の町の名前にまでなっている。
産地としては和歌山県・愛媛県・静岡県が有名であり、果樹王国を称する和歌山県産のものは、有田みかんの名でよく知られている。愛媛県は「蛇口をひねるとみかん果汁が出る」といわれるほどの一大生産地である。2019年の生産量では和歌山県が全国の約21パーセント、愛媛県が全国の約17パーセントを占めている。(参考:温州みかんの収穫量の推移 - 愛媛県)
温州みかんも柑橘類の常としてビタミンCやクエン酸、ビタミンAの前駆物質であるβ-クリプトキサンチンなどを含んでおり、風邪の予防によく効く。また果肉についてくる白いスジにはポリフェノールであり抗酸化物質でもあるヘスペリジンを含むが、みかんは柑橘類の中で最もスジごと果肉を食べやすい。
横山光輝三国志のエピソード
横山光輝三国志の中に、温州みかんが曹操に献上されるというエピソードが存在している。原典では「温州柑子」(温州産の柑橘系果物)と表現されているものが、漫画化に際して日本の読者にもわかりやすいように意訳したものと思われる。
呉と講和した曹操は呉から貢物として温州みかんを献上させる。しかし、曹操が温州みかんを食べようと皮をむくとその中身はなく、曹操は不可思議な現象に頭を悩ませる。
するとそこに道士の左慈が現れ、温州みかんを手に取りおいしそうに食べ始めた。左慈は事前に仙術で温州みかんに細工をしていたのである。左慈はさらに数人前の肉と酒を求め、そのすべてを平らげてしまう。左慈の仙術に曹操も感心するのであった。
すると左慈は曹操に現世を捨て仙人になってはどうかと勧め、「まだ天下が定まっていない」と曹操が断ると「劉備に任せればよい」と言い放つ。その言葉が曹操の怒りに触れ、左慈を捕らえるよう命令する。しかし、左慈は仙術で散々に曹操をからかって去っていくのであった。
ネット上の温州みかん
上掲横山光輝三国志の画像がコラ画像の素材としてよく使われている。関連動画もその一部である。
またニコニコ歴史戦略ゲーのひとつ「101匹阿斗ちゃん」シリーズはTV UNSYUが放送しているという体裁をとっている。
関連動画
関連項目
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