漂流幹線000とは、雑誌『週刊少年キング』で1983年から1984年まで連載されていた松本零士原作の漫画である。
概要
漫画家・松本零士が同誌で連載していた『銀河鉄道999』を終えた次の週に連載した作品で、謎の美女の案内で不思議な列車に乗り込んだ主人公が、主人公の担任と共に色々な体験をするという物語。
タイトルに3文字の数字があること、主人公(星野鉄郎似)が謎の美女の案内で謎の列車に乗って色んな経験をするとという点は『999』と似ているが、本作と『999』に繋がりはない。
ただし、のちに発売された『999』のゲームやWEBドラマ『ユマの物語』では本作の登場人物がゲスト出演している。
コミックスは少年画報社の「ヒットコミックス」は全4巻、大都社の「St Comics」と扶桑社のコミックスは全2巻が発売されているが、「ヒットコミックス」と「St Comics」は絶版となっており、中古以外では手に入らない。
登場人物
- 大山大(おおやま だい)
本作の主人公で、見た目が前作の星野鉄郎に似ている中学生。
叔父の家に住んでおり、両親の教育方針により複数のアルバイトで自活している。
毎週土曜日の13時13分に学園駅(大たちが登下校で利用している駅)の漂流線ホーム(大と平田静子+αにしか見えない)で「000」に乗り込み、メイビスの案内で色々な体験をする。
なお、正義感は強いが腕っ節は弱い。 - 平田静子(ひらた しずこ) CV:冬馬由美(『999』)、那須めぐみ(WEBドラマ)
本作のもう一人の主人公かつヒロインで、脱ぎっぷりの良さが評判の大の担任。
学校内では校長を悩殺して病院送りにするなどの問題教師であるが、問題行動を起こしてクビにされそうになっても、彼女のファンやファンクラブが抗議行動を起こしてそれを撤回させるぐらい学校内外で人気が高い。
漂流線ホームを見ることができる数少ない一人で当初は「000」に乗り込む大を見送るだけだったが、のちに彼女も乗り込み、大と共に色々な体験をすることとなる。
酒癖が悪く、初めて「000」に乗ったときに酒に酔って暴れてからは、車掌達に怪人呼ばわりされることとなる。
最終回である事実が判明する。
- メイビス
本作のもう一人のヒロインで、前作のメーテルにあたる人物。大の専用ガイド。
見た目が静子に瓜二つで、本人は「平田先生と私は親戚」と言うが、当の静子には心当たりがない。
なお、性格は静子と真逆で非常に落ち着いた人物。最初こそ自分の身は自分で守るよう大に言っていたが、いざ大と静子が危機に陥ると体を張って守ったりする。
最終回である事実が判明する。 - メイビク
第1巻第2話より登場した車内販売の女の子で、大人しめなメイビスの妹。
この話で大を見た彼女は泣き出してしまい、そして大のことを「兄ちゃん」と言うが、その理由は最終回で判明する。 - メイヒス
第2巻第2話より登場した車掌で、メイビスの妹・メイビクの姉。メイビス、メイビクと違って勝ち気な性格で、初登場の頃より大を小馬鹿にしていた。大は口げんかで彼女にかなわず、とある一件以降、完全に頭が上がらない。
彼女に関しても最終回である事実が判明する。
ちなみに最終巻第5話では、メイビス、メイビク、メイヒスはこの世に生まれることが出来なかった大の姉妹で、それぞれの本名が真理子(メイビス)、美奈子(メイビク)、亜紀子(メイヒス)である事が判明。それと同時に平田先生の父親が婿養子となって平田姓となる前の苗字は「大山」であり、大と平田先生は実は親戚であったことも発覚する。
- 腰山すみれ(こしやま すみれ)
「コロセ」が口癖の、パーマ・眼鏡・小太りの中年(?)女性教師で、生活指導担当。
凶暴な性格で生徒達に恐れられており、当初は静子に対しても敵対心を持っていたが、静子の顔を間近で見て以来、彼女を可愛く思うようになる(ハートマークを出しまくる)。
ある回で偶然「000」に乗り込んで以来、回数は少ないものの何度か乗っているが、「悪酔(車内販売されているお酒)」で酔いつぶれており、気がついたら終着駅(古湖野駅)で降りていたというのが殆どである。
なお、彼女も暴れて乗務員に暴行したことがあるため、「000」内では危険人物扱いされている。 - 前野後(まえの うしろ)
大の叔父で大学教授。大が起こす行動に頭を痛めている。
彼もまた静子に心酔しており、静子が大の部屋にいると分かると様子を見に行ったりする。
中盤以降に登場するある人物に似ているのだが…。 - 母胎宮のお母さん
「母胎宮」と呼ばれる世界でメイビスたちから「お母さん」と呼ばれる人物だが、彼女たちの実の母親ではない。
- 北枕教授
大やメイビスたちの敵で、本名は北枕眠(きたまくら ねむる)。
大(のちに静子も)やメイビスを付け狙い、メイビスたちがいる世界(母胎宮)の秘密をつかもうとしているが、母胎宮側の抵抗および第二・第三・第四勢力の出現に頭を痛めている。
その他
- 000号
毎週土曜日の13時13分に学園駅を出発、0時0分0秒に古湖野駅(大が登校時に利用している駅)に到着する、見た目が新幹線0型に似ている漂流幹線(漂流線)の超特急で、色んな世界(場合によっては未来や宇宙)に行き来する。
選ばれた人間しか乗ることが許されないが、たまに無資格者が不正乗車したり、他の列車から無断で乗り込んできたりして事件を起こすこともある。特に酔って暴れたことがある先生2人は恐れられており、危険人物扱いされている。
ちなみに『999』のゲームでは、セリフだけだが登場している。 - 悪酔
漂流幹線で発売されているワンカップ型のお酒だが、「ベアリングデザート」という駅の近くのオアシスでわき出ている天然物らしい。ただし、現実世界に出てしまうと単なる水になり、さらに下手に蓋を開けると爆発する。
なお、カップは一見するとガラスだが、相当頑丈で結構な圧力のプレスをかけても割れない。 - フィナーレ13号
三連砲を積んだ装甲車両がある、「復讐線」の列車。見た目は000号よりも新しめな感じ。
000号とすれ違った際に無差別攻撃したため、000号は12号車が小破した(乗員は大の活躍で無事)。 - デッドコピー型6号
同じく「復讐線」の列車。
000号に偽装し、古湖野駅(漂流幹線)に侵入して大を拉致したが、結果的にその任務は失敗。
車掌は列車の爆破(自爆?)により処刑されてしまった。 - 「裏球」圏
「裏球」は地球が裏返しになったようなもので、「裏球」圏の宇宙は普通の宇宙と違って空気があるため、デッドコピー型6号から宇宙に放り出された大は無事に生還することができた。 - 装甲車のような列車(名称不明)
000号が一編成分行方不明になった際に登場した装甲車みたいな列車。見た目はフィナーレ13号と比べると古臭い。
先頭車両上部には三連砲が取り付けられており、乗客は乗ることが出来ず、武装した兵士が乗り込んでいる。
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関連項目
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