犯体とは、東方より伝わりし、生糸を使いた面妖なる下着である。
概要
今は昔、漢の首都長安に班(パン)という遊女がいた。
班は「長安の紅梅」と謳われるほど美しく、その美貌を駆使して多くの武官や商人を惑わせ、誑かした。
しかし、その罪を告発され、班は官吏に捕えられた。
班の罪状と、その余りの美貌を見た時の漢帝である体帝は、部下にこう命じた。
「班の尻のみを覆う生糸の衣を作り、それだけを着させた上で市中引き回しの刑にせよ」
当時は、現代でいう下着を着る習慣は無かったが、尻のみを覆うだけの姿となった班が引き回される姿を、長安の人々は好奇の眼差しで見た。
そして、班が着けていたその衣を、罪人となった班の名と体帝の名から「犯体」と名付けたという。
時は流れ現代、班が着させられた「犯体」と全く同じ形をした衣が下着として世界各国に普及し、「パンティー」と呼ばれるようになったが、犯体が語源であるかは定かではない。
西方世界への伝播
流通史においては、一般的に新~東晋時代までに中国国内に流通が始まったとされる。しかし何故罪人がつける下着が一般化し流通したのかは不明である。また各歴代王朝は犯体を禁輸品としていた。
しかし唐代にタラス河畔の戦いでアッバース朝が唐に勝利した際、捕虜となった兵の中に犯体職人がいたため、バグダットにて犯体製作工場が作られイスラム世界へと広まった。またヨーロッパには第3回十字軍遠征で犯体製作の技術が伝わったとされている。この様に、国々が争った結果犯体が各地へと伝播していった事から「一枚の犯体で国々が争う」と言う諺が生まれた。
ところが、当時のヨーロッパでは下着を着ける習慣が未だ無く、犯体は民衆に受け入れられる事は無かった。欧州史に犯体が再び登場するのは18世紀末まで下る事になる。
かのマリー・アントワネットは、まだ物珍しい存在だった犯体を愛用したとされ、マリー専属の犯体デザイナーもいたという。彼女が犯体を好んだ理由は諸説あるが、その機能性・有用性を早くから察知していたのではないかと言われている。彼女の犯体好きは他の貴族にも広まり、貴族の間で下着の普及が進んだ。しかしフランス市民革命軍に捕まり、1793年に処刑宣告が下された。
マリーが斬頭台に送られる際、下手人が服を全て脱がそうとしたが、マリーは「犯体を脱がして女性を辱める男は紳士ではない」と言い放った。この言葉は世の女性たちに大きな影響を与え、ヨーロッパで下着が爆発的に普及するきっかけとなった。
太公望書林刊『東西交流史・犯体・』、吟遊詩人書院刊『マリー・アントワネットと犯体』より引用
日本における犯体の歴史
一方、日本では遣隋使の小野妹子が初めて犯体の存在を伝えたとされるが、当時は前述どおり禁輸品であった為、見聞きした内容から作る他は無かった。この結果、日本では形を変え「褌」として一般に流通するようになる。
しかし後に「正式な形が解らないのに勝手に犯体というのは良くないと」訴え、犯体を着けない集団が出現した。これを「虚無の犯体」派と言う。また「名前を変えれば問題ない」と提唱した「褌」派もいたが、これが現在、褌と言われる所以である。
和製犯体を「犯体」という呼称から「褌」という呼称に変えた事件として大化の改新が有名である。
当時、「犯体」呼称を強硬に主張した蘇入鹿が「褌」派の中臣鎌足によって殺害された事件である。これにより「犯体」の呼称は使われなくなり「褌」と名称が変わることになる。但しこれは朝廷の公式文章のみで一般的には犯体という呼称は使われていたらしい。(これは当時の和歌、或は物語の会話文等で確認ができる。)
平安時代になると「虚無の犯体」派である菅原道真が一時的に権力を握り、犯体禁着政策を推し進めたが、最終的には「褌」派の藤原氏等の反発を受け、都から大宰府に左遷される事となる。これにより「虚無の犯体」派は弱体化し、「褌」派に権力が集中すると除々に「犯体」の名称が忘れられ代わりに「褌」の名称が共通語として使われるようになっていった。
余談ではあるが菅原道真がモデルとなっている「雷神」像をみると羽衣の様なものを持っているが、あれは「和製犯体」で自分は神になっても決して履かないと言うことを知らしめている状態を表している。
尚、「パンティー」として犯体が日本に伝わったのは江戸中期~幕末にかけてとされるが、定かな時期はわかっていない。しかし「東方より伝わった」とされるので、ペリー提督らアメリカの外交使節団がもたらしたのではないかという説が有力である。ちなみに日本の女性に下着が一般化するのは、それより更に後、大正時代の事である。
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読み:パンテイ
初版作成日: 09/02/06 23:26 ◆ 最終更新日: 09/02/14 13:33
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