生き残り錬金術師は街で静かに暮らしたい単語

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生き残り錬金術師は街で静かに暮らしたいとは、のの原兎太による小説である。小説家になろうにおいて連載していた。完結後も不定期に番外編が連載されている。

　書籍版はKADOKAWA（ホビー編集部・エンターブレインブランド）より刊行されており、イラストはOXが担当している。全6巻。

　コミカライズも溝口ぐるによりCOMIC B's-LOG（KADOKAWA）において連載しており遅れてニコニコ漫画やComicWalkerなど電子連載媒体でも掲載されていた。、書籍版第1巻にあたる部分を漫画化した時点で体調不良を理由として連載終了した。全2巻。

　後に2020年 8月5日より同漫画版の実質続編として「生き残り錬金術師は街で静かに暮らしたい ~輪環の魔法薬 ~」の連載が同誌「COMIC B`s-LOG」において開始した。（作者は小原彩）第1話は原作者描き下ろしのシナリオでそれまでのあらすじを簡潔に紹介し、書籍版第2巻の部分から連載を開始している。2021年 9月1日に第1巻が刊行、2023年 3月には第2巻が刊行された。

あらすじ

　エンダルジア王国の外れの森に住んでいた錬金術師のマリエラは、ポーションをエンダルジア王国の都市『防衛都市』に販売することで生計を建てていたが、ある時『魔の森』から溢れ出た魔物の群れ『スタンピード』によってエンダルジア王国は崩壊の瀬戸際となっていた。マリエラは、師匠から与えられた知識で作った『仮死の魔法陣』を住んでいた家の地下で使う事によってやり過ごそうと決める。

　そして、気がついて外に出た時には家は半壊状態、薬草畑はぼうぼうで時が経っていることを実感する。手持ちのポーションを調合し、薬草を持ち街道に出るが、魔物に襲われている馬車を発見し魔物避けポーションを撒いたところ感謝され、馬車の主である「黒鉄輸送隊」から同乗を申し出される。ポーションの売却を持ちかけられつつ、情報収集に務めるマリエラ。マリエラはそこで、自分が眠ってから200年経っている事、『防衛都市』が『迷宮都市』に変わっている事を知る…。

登場人物

主な登場人物

マリエラ: 　迷宮都市で契約した錬金術師。元は孤児だったが、名前を衣類に縫い付けられたまま孤児院に預けられたため真名を持っていた。そのため錬金術師の『師匠』に引き取られ育てられた。その後師匠がたびに出て、エンダルジア王国の『防衛都市』ほど近い魔の森の小屋で一人暮らしていたが、魔の森から溢れ出る魔物の群れであるスタンピードがエンダルジア王国の『防衛都市』広範に渡って襲われたことにより、『仮死の魔法陣』を使いやり過ごそうと試みる。
　起床した後は、街道に偶然通りかかった黒鉄輸送隊にポーションを売り、その縁で黒鉄輸送隊との取引の範疇として保護・秘匿の意味を込めて世話になることになる。200年後の世界だったことを知ったことで心細くなり絶対的な信頼する相手を欲し奴隷であったジークムントを買う。200年後の元エンダルジア王国は錬金術師がいない地域となっておりポーションは貴重品となっていた。マリエラはポーションの原料となる薬草やポーションを保存する瓶などを作り、ポーションを売ることによって生活していく。
ジークムント: 　犯罪奴隷の元弓術士。マリエラの前に初めて現れた時は、犯罪奴隷に落とされた際の折檻などもあり全身まともに動けなかったが、マリエラに出会ったことで運命が変わり始める。ポーションを与えられたことによって片目以外は動くようになった。そのことでマリエラを神格化しようとしてしまうが、リンクスにカマを掛けられたことによって考えを改めマリエラを守ることを決意する。
　元は精霊眼という能力持ちで百発百中で当てる事ができる弓術士でBランクの冒険者であり調子に載っていたが、ある時に精霊眼を傷つけられたことにより能力を失ってしまう。その後はますます転落していき、借金奴隷に落ちてしまう。その後冤罪により犯罪奴隷に落とされ迷宮都市に奴隷として送られた経緯がある。

黒鉄輸送隊

ディック: 隊長。元迷宮都市の迷宮討伐隊として活躍していたが事情により輸送隊を立ち上げている。Aランクの実力者。
マルロー: 副隊長。交渉事など渉外を担当している。
ディック: 隊長。元迷宮都市の迷宮討伐隊として活躍していたが事情により輸送隊を立ち上げている。Aランクの実力者。
リンクス: 黒鉄輸送隊の斥候を担当。マリエラに興味を持っており、マリエラに謎があることに気づきジークにカマを掛ける。
ユーリケ: 黒鉄輸送隊の隊員で輸送を担う動物『ラプドル』の調教師。人間よりラプドルの方が好きで語尾に「～し。」と付ける事が多い。
グランドル: 黒鉄輸送隊の盾戦士。紳士のような格好をしており胃腸の弱さから細身だが傘を用いての防御はお手の物。
エドガン: 黒鉄輸送隊の双剣使い。迷宫討伐隊の隊員だったが女性を見たら口説き始めるのでいられなくなり黒鉄輸送隊に移籍。今でもその悪癖は健在。エロガンとも揶揄されることも。
ドニーノ: 黒鉄輸送隊の装甲馬車のメンテナンス担当。
フランツ: 黒鉄輸送隊の治療担当で治癒魔法使い。仮面とフードで顔を隠している。

迷宮都市の人々

レイモンド: 迷宮都市に居を構える奴隷商。ジークムント他奴隷を黒金輸送隊から受け取る。
ガーク: 迷宮都市の薬草店「ガーク薬草店」の老店主。店頭には状態が悪いものをおいているが、客が目利きがきく者だとわかると裏に置いてある適切な処理をしたものを出してくれる。口は悪いが面倒見のよい人物。
アンバー: 迷宮都市の飲食店兼宿屋『ヤグーの跳ね橋亭』の店員。迷宮都市に来たマリエラの定宿になったため交流が増える。ディックとは恋仲。
エミリー: 迷宮都市の飲食店兼宿屋『ヤグーの跳ね橋亭』のマスターの娘。