生活保護とは、経済的に困窮した人の最低限度の生活を保障するセーフティネットである。
概要
傷病・障害者・母子世帯など、様々な理由で生活に困窮した人に対し、政府・自治体が、様々な形で支援・保護を行う制度。
『最低限度の生活を行えるまでに自立すること』を支援することが基本的な意義。
主な内容は、金銭的援助。
食費・光熱費などの生活扶助と思われがちだが、教育を受けるための教育扶助、医療を受けるための医療扶助など、その種類は多様で、被保護者の困窮の程度によって細かく決められる。
そのため、「生活保護を受けている人間の年収は○○円」と一概に決めることは出来ない。
被保護者が増加の一途にあり、生活保護に掛かる費用は増加の一途を辿っている。
現在、生活保護費用の総額は約3兆円弱。被保護世帯は約130万世帯、総被保護者数は180万人以上に上る。
また、不況による、自立して労働しているにも関わらず生活保護受給者よりも収入が低いという労働者の増加、不正受給のニュースなどが注目され、生活保護を受ける人々への社会的な反感も強くなっており、生活保護に掛かる費用の削減が叫ばれ始めている。
働いたら負け?
一例として、東京特別区部において、標準3人世帯(33歳・29歳・4歳)に支給される生活扶助=最低生活費の水準は、167,000円である。
年間にして約200万円。これが、東京においてこの3人家族が最低限食べていくために必要な金額と定められている。
現実として、世帯収入がこれを下回る同形態の世帯は少なからず存在する。
働いているのに、働かずに保護を受けている人の方が多く金を貰っている、と捉えれば、労働意欲が著しく減衰するのも仕方の無いことである。
となる。不況の現代にあっては、これより条件の悪い労働環境におかれている人などいくらでもいる。
現在では、支給費の削減なども叫ばれているが、後述の理由で進んでいない。
こうやって見てみると、まさに『働いたら負け』の権化のような制度にも見える。
『第2の年金』化
被生活保護世帯の類型は、傷病世帯・母子(父子)世帯・障害者世帯・高齢者世帯・その他と分けられる。
この内、高齢の被保護世帯の増加が著しく、生活保護を圧迫する最大の原因となっている。
となる。なお、高齢の傷病者・障害者は、高齢者世帯には含まれていない。
この数値を見る限り、生活保護の半分近くを高齢者世帯が受け取っている状態に陥っている。
すなわち、もはや生活保護は半ば年金として機能していることになる。
さらにこれからは、団塊世代の高齢化により、ますます高齢の受給世帯が増加することになる。
そもそも、傷病・障害者・母子世帯などは、最終的には自立に成功し、生活保護受給が停止することが殆どである。
しかし、何らかの原因で生活が困窮した高齢者は、年齢的に、基本的に自力で生活できるようになるのはもう不可能である。とすれば、高齢者への生活保護の殆どは、被保護者が死ぬまで一生続けられることになる。
生活保護の半数を占める高齢者世帯が自立しないままでは、生活保護の費用が爆発的に増大するのは当然である。
昨今では不正受給が取りざたされているが、生活保護費増大の最大の原因は、高齢者世帯なのである。
支給費の削減よりも、何より年金代わりに受給する形になっている高齢者を除くことの方がよほど先決なのである。
本来の意義の消失
生活保護は、その人の生活を一生サポートするものではなく、あくまで「自立を支援する」もの、「自立までの繋ぎ」である。
被保護者は保護費と共に、保護を勝手に止められたり、保護金を差し押さえられたりすることがなくなるという権利をも手に入れる。
そのの代わり、保護開始には厳しい監査基準を通らなくてはならないし、家計の収支や、生活の様子・変化を逐一届け出て、生活の是正・改善に努め、なるべく早く自立を果たさなくてはならないという義務も負う。
しかし、上述の通り、高齢者への支給は最早自立支援の体を成してはいない。
年金以外に蓄えの無い人々が頼るための、第2の年金でしかない。
生活保護の審査が年々厳しくなってきているという現状は、膨れ上がる高齢被保護者に耐え切れない財政が、本来支援を受けるべき傷病・障害者・母子世帯にしわ寄せをよこしているということである。
何らかの理由で社会からリタイアしそうになっても、とりあえずは国が助けてくれる、という安心感を与える本来の力は最早生活保護には無くなっているのだ。
現在、これらの高齢被保護者の受給を整理・解消することも、年金制度改編の大きな課題となっている。
永住外国人への支給
生活保護法には、生活保護の対象は日本国民、と明記されている。
さらに、「永住権を持った外国人であっても、その生活を保護すべきなのはまずその人の母国である」という裁判所の判例が基準とされているため、現在では永住外国人への支給は規定されていない。
ただ、禁止されているわけではないので、自治体などの独自の判断により、外国人に支給されている例もある。
その世帯数は約32,000世帯。全被保護世帯の2.5%に当たる。
この支給については賛否あり、たびたび議論が起きる。特に2010年にニュースになった、大阪市で中国人48人が来日直後に一斉に生活保護申請をしたという事実は、言い方は悪いが、生活保護に寄生しようとする外国人が存在する証拠となった(もちろん拒否されているが)。
しかし、生活保護費削減を考える上では、先述の高齢者問題に比べて微々たる額であるため、あまり重要視されない。
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関連項目
- 年金
http://dic.nicomoba.jp/k/a/%E7%94%9F%E6%B4%BB%E4%BF%9D%E8%AD%B7


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読み:セイカツホゴ
初版作成日: 11/01/26 00:57 ◆ 最終更新日: 12/05/25 06:46
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