男もいけるしな(ヌッ)とは、猿渡哲也の漫画『TOUGH外伝 龍を継ぐ男』の登場人物 我龍院清丸の悲しき過去を象徴する台詞である。
概要ってタチ悪いよなぁ
単行本7巻に収録されているBATTLE.73「涙の理由」で登場。
時は10年前――灘・真・神影流当主 宮沢熹一(キー坊)は、久方ぶりに灘心陽流宗家 黒田光秀と再会する。黒田は弟子 我龍院清丸の行方を追っているという。
曰く、清丸は黒田の弟子として、日々灘心陽流の技を学んでいた。清丸は心陽流に没頭し、気を失いかけるまでトレーニングを続けるほど心陽流を愛していた。この熱中ぶりには黒田も苦笑するほどだった。
だが、黒田と再会した清丸は所謂”闇堕ち”したような状態であり、なんと灘心陽流ではなく灘神影流の技”霞打ち”を会得していた。驚く黒田に、清丸は心陽流を愛していたこと、だが心陽流では無力であると悟ったのだと、自身の悲しき過去を語り始めるのだった――
清丸はある日、不良男三人組が女性を襲っているところを目撃。男たちが強姦しようとしていることを確認すると、女性を助けるため三人組に果敢に立ち向かうが――
しかしこの三人には総合格闘技の心得があり、心身ともに鍛え上げられていた。清丸は三人に返り討ちにされてしまう。
そして彼らは「男もいけるしな」と、女性そっちのけで清丸を抑え込む。「やめろオオ」という清丸の無力な叫びが虚しく響く――
「ヌッ」はこの台詞と同じコマに書かれたオノマトペである。ちなみに連載時にはご丁寧に「哀しき過去・・・」というアオリが書かれていた。
コラ画像や語録としての使い方
ネットでは当該シーンを使用したコラ画像やパロディ画像が作られたり、「○○もいけるしな(ヌッ)」と改変されて使われることが多い。もちろん人によってはそのまま「男もいけるしな(ヌッ)」と使う場合もあるがなブヘヘヘヘ。
根っからの不良のくせに考察だけは真面目にやってるから
上記の悲しき過去回想が始まる直前、BATTLE.72で清丸は唇を噛みしめながら「心陽流じゃダメなんです 心陽流じゃあ暴力には勝てないんです」と黒田に訴える。
まるで「心陽流が弱いせいで、男たちに返り討ちにされ強姦された」とでも言いたげだが、原因はどちらかというと心陽流の弱さではなく清丸の未熟さにある。
確かに心陽流は要人警護などを目的としているため防御寄りだったり、技は綺麗だが動きが見切りやすいという欠点がある。暗殺などに秀でた灘神影流と比較すれば破壊力では劣るかもしれない。だが、『高校鉄拳伝タフ』作中で黒田は心陽流の技で誤って対戦相手を殺してしまっているため、心陽流もまた危険な武術であることに変わりない。つまり清丸が当時の黒田レベルまで心陽流を極めていれば、少なくともあっさり返り討ちということはなかったはずである。
そして「数の暴力」という言葉がある通り、個人の技がいくら優れていても三人相手というのは厳しい。三人相手に戦いを挑む清丸の無謀さも敗因である。ちなみに『タフ』作中で黒田は多人数相手でも余裕で戦えていた。くどいようだが、清丸も黒田と同レベルなら健闘はできただろう。
さらに、清丸はバッグを背負ったまま初手ハイキックというスキだらけの攻撃をかましている。流派とか以前の問題である。
最後に、不良三人の力量を見誤ったこと。仮にも格闘技漫画のキャラなら相手も鍛えていることくらい見抜いてほしいものである。
もちろん襲われている女性を助けようとしたことは間違いなく正しい行動だが、自分も性被害にあっていては本末転倒である。
そして自分の未熟さにを省みることなく「心陽流が弱いから」と責任転嫁することも、あっさり灘神影流に鞍替えすることも情けない。
上記の屈辱を味わった後、清丸は宮沢鬼龍によって灘神影流を仕込まれ、不良三人に復讐した。さらに師である黒田さえ倒すことができた。だがキー坊と戦った際には一瞬で敗北している。
灘神影流を使えるようになったところで、そんな一朝一夕で身につけた付け焼刃では達人には届かないということだろう。技術とは武術を含め、人が使いこなして初めて技術足りえるのだ。灘心陽流や灘神影流の強弱に関係なく、清丸自身も未熟だったと言わざるを得ない。
この悲しき過去ゆえに、マネモブ読者の中には清丸を”尻丸”と呼んで愚弄するものもいる。
関連静画も投稿しまくってるし
関連商品好きだし…
関連項目もいけるしな(ヌッ)
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